■健康への「こだわり」
健康でありたいと願い、健康に良いとされることに、何でも真面目に
取り組む人・・そんな健康へのこだわりが、病気の予防には何の
役にも立たないばかりか、人間本来備わっている自然治癒力まで、
弱めてしまうことを知らねばならない。
胸がチクチクしたら・・「もしかしたら肺ガンでは」と不安になり、
病院で診察を受けるまで安心できない人・・病気になる人の多くは、
真面目で誠実で、頑張った生き方をしてきた人なのです。
病気になりたくなかったら、趣味など、楽しく好きなことをやっていれ
ばいい。心に余裕が生まれ、肉体も健康になります。
言い変えれば、いい加減な人ほど病気になりにくいのです。
真面目な人ほど「治そう、助かろう」ともがくから、 治るものも治ら
なくなるのです。
末期ガンと診断されたら、それまでの生き方や、生活習慣を改める
ことに目を向け、ガンを治すことは二の次にして、日々楽しいこと、
やりたいことに熱中する・・すると不思議なことに、ガンが消えていく
のです。
医学博士・土橋重隆著「病気になる人、ならない人」
1045 【心と体の健康】
「病気になる人、ならない人」
ガン患者の10人に7人が、サプリメントやアロマテラピーなどを、病気の改善に効果があると信じ、利用している。
病人の大多数が、病院の医療だけでは満足できず、こうした代替療法にすがろうとするのです。
しかし、そこには大きな落とし穴があります・・医師の診療とは異なり、
患者自らの意志で選択した治療法のため、その治療法に、患者が
絶対的信頼とこだわりを持ってしまうことです。
この強い「こだわり」が、病気の改善や予防の役に立たないことが、医学的に実証されたのです。
かって、フインランドの保健局が、40~45歳の男女千二百人を対象に、15年にわたって健康管理(定期検診・栄養バランス・運動・たばこ・お酒・砂糖・塩分摂取)の効果を調査したことがある。
対象者を、徹底した健康管理を指示したAグループと、一切制約のないBグループに分けて、調査が開始された。
15年後、両グループを比較した・・徹底した健康管理を支持されたグループの方が、ガン、心臓血管系の病気、高血圧、各種の死亡、自殺の割合が”高い”という結果が出たのです・・
何故こんな結果になったのか? 「健康に良いとされること、悪いとされること・・そのいずれかで病気を検討した」ことが、そもそもの間違いだった・・との結論に至ったのです。
カリフォルニア大学で、市民七千人を対象に、7年間に及ぶ調査の結果、以下の七つの健康管理をすれば、健康度が高まり、死亡率が下がると報告された。
(1)7~8時間の睡眠時間 (2)過労を避けて十分な休養をとる
(3)バコを吸わない (4)過度の飲酒をしない
(5)低塩分、低脂肪のバランスのよい食事をする
(6)適度な運動を続ける
(7)朝食をとり、間食をしない規則正しい食生活
この健康習慣は、医師が生活指導を行う際にしばしば用いられ、誰もが納得する健康法のように思われてきた。
ところが、7つの健康習慣のうち「睡眠」については、疲労回復に必要な睡眠時間には個人差があり、4~6時間睡眠者が、8時間睡眠者より死亡率が低い・・との結果が出たのです(慈恵医科大学・健康医療センター)
睡眠時間の短い人が、健康のためと長く眠ろうとすると、かえって睡眠の質が低下するのです。
更に、この7つの健康習慣を全部真面目に守ったら、逆に血圧が高くなり、生活習慣病の改善にはつながらなかった・・との研究結果も発表されている。
医学博士・土橋重隆著「病気になる人、ならない人」