■震災とトイレ
大震災が起きた当日、東京・新宿駅近くで、700人の帰宅 困難者を
受け入れた大学・・
「トイレは流せたが、紙があっという間になくなった」
災害備蓄品に、トイレットペーパーが欠かせないことを、 実体験した。
被災地の避難所では、水道管破損による断水で、トイレが 流れず、
トイレ周りの汚染があまりにひどく、排便に難渋した。
「食料や水の必要性は誰もが気づくが、避難生活に欠かせない排便
にまで気が回らず、支援の手も届かなかった」
1035 【食と健康】 「ノロウイルス」
昨年12月、妻が友人の食事会から帰宅した夜、過去経験したことのない猛烈な腹痛と下痢に、一晩中苦しめられた。
その数日後、娘、続いて孫が、同様の下痢症状に・・
昨年の暮れ、昼食弁当が汚染源となって、一気に千人を超えるノロウイルスの集団感染が発生した。
昨年、ノロウイルスとみられる感染性胃腸炎が流行り出し、子どもから高齢者まで感染が拡大して、社会問題になっている。
ノロウイルスは、夏のO-157とは違って、冬に多く発生する、食中毒の原因です。患者発生のピークは例年12月だが、新年会で人が集う1月も、引き続き注意を怠らないことです。
食事などを介して感染すると、小腸で増殖する。1~2日潜伏の後、猛烈な嘔吐や下痢に繰り返し襲われて発熱する。重症だと、1日に10回以上苦しめられる。
治療薬はまだないそうで、発熱や苦痛を和らげる対症療法に頼るしかないのです。
ノロウイルスの特徴は、その強い感染力にある。ウイルスを封じ込めるには、まず菌の特徴や具体的対策を知っておく必要があります。
まず、感染の拡大を防ぐことです。そのためには手洗いを励行し、台所の手拭きやまな板、布巾を清潔にし、タオルの家族共有を避けるなど、インフルエンザと同じ対策が必用になってくる。
患者の嘔吐物には、大量のウイルスが含まれます・・数年前某ホテルで、カーペットに付いた嘔吐物の消毒が不十分で、乾燥したウイルスが空中に浮遊・・300人超が発症した事例がある。
嘔吐物の処理には、使い捨てのエプロン、マスク、手袋を着用する。
拭きとったペーパータオルは、ごみ袋に入れて密閉・廃棄する。
患者の排便は、トイレのフタをして流すこと・・空中に飛散するからです。
トイレの便座、排水ノブ、ドアーの取っ手を消毒し、汚れた下着は熱湯消毒するなど、細心の注意が必用です。
インフルエンザ同様、幼稚園や学校から菌を持ち帰るケースが多い。
ウイルスの強い感染力から家族を守るには、帰宅時の手洗いを徹底して、感染経路を断ち、拡大を防ぐ対策を怠らないことです。
中日新聞