■叱るということ・・
入社して四年もすると、後輩や部下をもつ立場になる。
後輩・部下が優秀でミスもなく、チームの売上は毎月伸びる一方・・
といった状態ならば言うことはないが・・人生はそれほどうまくは
いかないし、完全無欠な組織など、世の中に存在するはずもない。
つまらない失敗をする人もいるし、怠慢な態度を改めようとしない
人もいる。そうなったら、チームリーダーは、叱責するなり、
問い詰めるなどして、事態を改善しなければならないのだが、
「叱る」という行為は案外難しいものだ。
褒めることは誰にでもできるが、叱るには、相手のことを考え、
しかも、叱った後のことまで考慮しなければならない。
怒りにまかせて怒鳴ったところで、事態は改善しません。
「理念と経営12月号・小さなコンセプト」より
1031 【心と体の健康】
~幸せな人生~ 「叱り方・7つのルール」
精密小型モーターで世界一のシェアを誇る日本電産・・創業社長の永守重信氏は、部下を叱るとき、自ら決めた「七つのルール」を守っている。
[1] 大きな失敗よりも小さな失敗を叱る
小さな失敗で叱られるのは、叱られた後遺症は残らない。
問題が小さいうちにちゃんと叱っておけば、後になって、大きな失敗
をしなくなる。
[2] 失敗そのものよりも、失敗からリカバリーしようとしない、
努力不足を叱る
[3] 相手を見て叱る
我が社では、私にガンガン叱られる社員ほど、見込みがある奴と
いうことになる。
[4]10分叱ったら、100分のアフターケアが必要
叱った後は必ず自分の気持ちを伝える。
手紙、メール、手段は問わないが、できれば自筆のものがいい。
[5] 叱るにも、愛嬌、ユーモアが大切
[6] 相手の目線で叱れ
部長を叱る、課長を叱る、女子社員を叱る・・相手は全部違う。
その違う相手と目線を合わせ、心を通わせる。
[7] 叱る前に褒めることが大切
人間関係では、無関心というのが一番いけない。部下が何か成果
を上げたときは、素直に喜び、ストレートに褒めて評価する。
永守社長が一番強調したいのは、後輩や部下に”無関心”であってはいけないということ・・叱らないのは無関心と同じ。
叱るとは、相手が言ってほしくないことを、相手に分かるように伝える・・一種の説得術である。
「理念と経営12月号・小さなコンセプト」より