■「乳酸菌LG21」がピロリ菌に効く
ピロリ菌に冒されたら、胃酸の分泌を抑える薬と、二つの抗菌薬を
投与し、一週間続けて服用すると完治します。
問題は、耐性ピロリ菌が三割ほどいて、除菌率が落ちていることです。
今、除菌効果を上げるために注目されているのが、乳酸菌「LG21」。
市販のヨーグルトでは、明治プロビオLG21が、ピロリ菌の活動を
抑える働きがあるとして、人気がある。
ただ、薬ではないので、食べるだけでは除菌には至りません。
1983年に、オーストラリアの病理学者が、ピロリ菌を発見した後、
日本でもマウスを使って研究・・胃の中に乳酸菌がいると感染せず、
感染した無菌マウスに乳酸菌を与えると、ピロリ菌が排除されること
が分かった。
そこで、より効果のある乳酸菌を探したところ、「LG21」が見つかった
のです。
東海大医学部・高木敦司教授
1028 【食と健康】 「ピロリ菌感染を見過ごすな!」
日本では、胃ガンの原因の95%がピロリ菌感染による・・というデーターが昨年発表された。
ウイルス感染によるガンは、「肝臓ガン」と「子宮頸ガン」が知られる。
これに細菌感染の「胃ガン」が加わる。
肝臓ガンと子宮頸ガンは、国が感染予防対策をしているが、胃ガンはなにもない。40年にわたり、年間5万人も亡くなっているのに・・除菌で予防できるのだから、国は対策に乗り出すべきです。
現在、胃ガンの医療費は年間3千万円と推定され、「何もしないと2020年には5千万円を超えるだろう」と、北海道大学医学部・浅香正博教授。
私は十年前ほど、毎年行っている胃カメラ検診で、ピロリ菌感染が見つかって、治療した経緯がある・・テレビ画面に映った胃壁が、真っ白に覆われていたのを、今も鮮明に覚えている。
ピロリ菌に感染すると、数週間から数か月で、100%「慢性胃炎」になるという。放置すると「胃潰瘍・胃炎・胃ガン」などの病気に進行していく・・
ピロリ菌感染の早期発見が、胃腸にからむ病気の予防になるのです。
浅香教授は、「若い頃に早めに除菌すれば、100%胃ガンを防げます。 五十代では、抑制率が男性で七割、女性は九割になるが、六十代では、男性は半分になってしまう」と警告している。
更に「除菌は早ければ早いほどいい。五十代以上は、除菌だけでは胃ガンの予防が難しいので、除菌後も定期的な健診が必要」と強調している。