体内の臓器で、最も大きくて最も働き者の臓器は「肝臓」です。
肝臓が果たす役割は500以上あるとされ、別名「人体の科学工場」と呼ばれています。
大きくは「栄養素の代謝および貯蔵」「有害物質の解毒」「胆汁の分泌」の3つに分けられます。ゆえに、人工臓器や機器では代用できず、早期の予防や治療が大切になってくるのです。
肝臓病の中で最近注目されるのが「脂肪肝」。
国民の3人に1人がかかっているとされる、生活習慣病です。
肝臓に脂肪がたまる病気で、大きく「アルコール性脂肪肝」と「非アルコール性脂肪肝」の2つに分類されます。
私は、夕食時350ミリ缶一本飲めばほろ酔いになる下戸です。
それ故「肝硬変」とは無縁と、自身の肝臓の状態を知ろうとは思いませんでした。「私はお酒を飲まないから大丈夫」と、高をくくっていたのです。
確かに「お酒」は肝臓病になる原因の一つですが、「肥満」や「ウイルス」も大きな原因になり、飲酒をしなくても肝臓病になるのです。
また、「脂肪肝」という名前を勘違いして、「自分は肥満ではない」と、太っていないと、認識が甘くなってしまうのです。
太っている・いないにかかわらず、肝臓に脂肪が多く付着すれば、肝細胞を徐々に破壊していきます・・その結果「肝炎」や「肝硬変」、更には「肝臓ガン」へと進行するのです。
肝臓は”沈黙の臓器”と言われ、脂肪肝になって肝細胞が破壊されても痛みは皆無・・自覚症状がありません。
ここでまた勘違い・・「病気=痛い」・・病気には痛みが伴うと思いがちです。 心臓病の発作は強烈な痛みを伴いますが、肝臓は人一倍働き者で我慢強く、少しくらいダメージを受けても黙って働き続けます。
やがて限界に達すると、「肝炎」から「肝硬変」へと悪化していくのです。
○非アルコール性脂肪性肝炎
脂っぽい食事やお菓子など、糖質の摂り過ぎにより、中性脂肪やコレステロール値が上がり、メタボになって発症。10年後、約10%が肝硬変になります。
○アルコール性脂肪肝
肝臓の働きが、アルコールの処理で手一杯になり、中性脂肪を分解できなくなって、発症します。
お酒をよく飲む人が、一週間日本酒を5合、集中して飲むと発症すると言われています。数週間お酒を断てば、回復可能です。
金大付属病院「NPO Team DiET/7月号」