■「風が吹けば、桶屋が儲かる」
超大型台風が沖縄を直撃した。
ところで、風が吹けば何故桶屋が儲かるのか・・ことば遊びです。
『強風で土埃が目に入ると、目を悪くする人が増える。
目を悪くすると、角付けでもしようということになるから、
三味線が売れる。
三味線の胴は猫皮だから、猫が減ってネズミが増える。
ネズミが増えれば、桶をかじって穴を開ける。
すると桶屋が儲かる…』
この話が大嘘であることは、誰の目にも明らか。
江戸庶民の駄洒落(ユーモア)として”おかしみ”が伝わってくる。
狂言や落語をこよなく愛した江戸庶民。
「猫も杓子も」などの、洒落ッ気あふれた言葉文化の花が咲いた。
その遊び心は脈々と受け継がれ、今に生きている。
995 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
~歴史から学ぶ~ 「良薬は口に苦し」
「良薬は口に苦し」・・よく使われることわさですが、そのルーツは項羽と劉邦の時代に遡ります。
上司である劉邦が、部下の諫言を苦々しい思いで聞き入れたときの逸話(史記)から出た言葉です。
♪項羽と劉邦が、秦の始皇帝が没した後の秦帝国を倒さんとして、互いに激しく争っていた。
紀元前203年、両雄は秦の都にどちらが一番乗りするかを競っていた。
劉邦が一足早く都を落とした。宮殿にはおびただしい財宝と、美女千人・・劉邦はすっかり心を奪われ、宮殿に留まろうとした。
臣下の樊噌(はんかい)が、死を覚悟で劉邦を諌めた。
「まだ国は統一半ばです・・天下のために残賊を除こうとするなら、場外に野営して城を守り、次の戦いに備えなければなりません」
「臣下の分際で何を言うか! お前のような者は手打ちにしてくれる」とかんかんに怒った劉邦。
その時、参謀長の張良が進み出て・・『殿、どうかお待ちください・・樊噌の言うことはもっともです・・忠言は耳に逆らえども 行いに利あり。
良薬は口に苦けれども 病に利あり(忠言・諫言は聴きにくいが、身のためになります。良薬は口に苦いが、病にはよく効きます)』と、劉邦を諌めた。
「言われてみれば、その通りだ」と劉邦は鉾を収め、財宝は封印し、美女は放逐した。
その後、兵の数に勝る項羽によつて首都を占拠され、城は焼き払われてしまったが、一年後、劉邦は項羽を倒し、天下を統一して、前漢の初代皇帝になった。
この逸話が後世に語り継がれ、「良薬は口に苦し」と言われるようになった。