先月5月29日、アメリカの民間企業が開発した無人宇宙船「ドラゴン」が、
上空400kmを飛行する国際宇宙ステーションとのドッキングに成功して、
無事カリフォルニア沖に着水・帰還した。
「民間初・宇宙飛行ツアー募集開始」
昨年、アメリカの民間人が、史上初の「有人宇宙飛行」に成功した。
飛行士1人が乗り込んだ宇宙船が、カリフォルニア州の砂漠上空100キロで、3分30秒の無重力体験の後、帰還のために再突入した。
降下スピードはマッハ2.9・・猛スピードで大気圏を切り裂いて、17キロ上空まで降下し、無事着陸した。誰も果たせなかった民間の力で、有人宇宙飛行を成し遂げたのです。
その直前まで、良識ある多くの科学者が、民間人には有人宇宙ロケット打ち上げはできないと言い切っていたのです。
1961年に旧ソ連のガガーリン飛行士が、初めて宇宙飛行に成功して以来、国家機関が宇宙開発を担ってきた。
今回の民間人による成功は、宇宙開発の歴史に残る快挙である。
このプロジェクトを推し進めたのは、宇宙開発会社スケールド・コンポジッツ社が率いるチーム。同社は民間企業による「宇宙観光の実現」を目指していて、米・マイクロソフト社から資金援助を受け、開発に取り組んできたのです。
地上から巨大ロケットを発射して宇宙に飛び出す、私たちがよく知るやり方ではなく、スペースシャトルのように、両翼の付いた宇宙船を航空機に乗せ、高度1万5千メートルで切り離して、 ロケットエンジンを約80秒間噴射して、音速の3倍まで加速・・100キロ上空の宇宙空間へ飛び出すのです。
宇宙飛行に人生のロマンを賭けた社長は、「ベストを尽くせば必ずできる、必ず成功する」と自らを信じたのです。
過去、誰も成し遂げたことのない前代未聞のことを為すには、自分を信じきるしかないのです。百人が百人みな「出来るはずがない」と言っている中で、自らの意志を貫き通すことは、並大抵のことではありません。
このプロジェクトの社長は、「私たち民間でもアイデアと技術、そして仲間がいれば、宇宙船を作り、宇宙に飛び立つことは絶対可能だ」と考えた。
宇宙飛行は、莫大な予算をつぎこんだ国家プロジェク事業であって、「民間では無理」というのが常識。それを覆して、宇宙への扉を開いたのです。
「民間初の有人宇宙飛行へのチャレンジ」・・2012年の今年、民間企業による初の「宇宙飛行体験ツアー」がスタートした・・宇宙旅行時代の幕開けです。
今回、実験に成功した宇宙船には、一度に六人乗せて、宇宙に飛び立つことが出来るのです。
「スペースシップ宇宙飛行」の募集が始まり、450名が既に予約済みという。費用は一人20万ドル(日本円で1600万円)。乗船時間は約二時間・・宇宙空間で、およそ4分間の無重力を体験する。
さて、宇宙飛行を夢見るあなたにとって、1.600万円は高いでしょうか? それとも、夢を叶えるには妥当な金額でしょうか?