■「超格安料金」時代へ
日本の航空業界は、今年から本格LCC時代に入ったが、
欧米では格安便が3~4割を占め、乗合バスのように、
座席を取っ払った「立ち乗り」の導入も計画されているという。
昨年は、格安衣料のユニクロが一人勝ちした。
大手に買収された加賀の老舗旅館が、一泊6,700円を売り物に
にぎわい、ゴルフ場も、サービスをぎりぎりカットしたセルフ方式で、
1ラウンド3,000円の超格安料金でプレーできるようになった。
地元の同業他社も、顧客獲得のためにギリギリまで値下げして、
生き残りへ知恵を絞っている。
連休始めに、金沢から東京へ向かう格安バスの死傷事故が起きた。
安全を無視した経営実体が明らかになるにつれ、「格安」を売りもの
にした企業に一抹の不安を感じるのは、私だけでしょうか。
971 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「LCC格安航空運賃の幕開け」
LCC(ローコストキャリア)と呼ばれる、格安航空会社が次々誕生し、話題になっている。既存の航空会社の運賃より、3~7割も安いのが魅力です。
全日空系の「ピーチ・アビエーション」は、関空を拠点に「新千歳・福岡・長崎・鹿児島」の4路線に就航している。
5月からは、韓国など国際線もスタートした。
関空~福岡便を例にあげると、既存運賃は片道2~3万円する。
それが3.780円からと・・超格安安料金になるのです。
7月には日空系で、オーストラリアのLCC「ジェットスター・ジャパン」が、成田から4路線と、関空から2路線就航する。
8月には全日空系で、マレーシアのLCC「エアアジア・ジャパン」が、成田を拠点に3路線就航する。
<有 料>
・新聞、イヤホーン、機内食、水、毛布、ビールやワイン、ジュースなど、今まで無料だったものがすべて有料になる。
・購入手続きはインターネットで・・電話で申し込むと手数料がかかる。
また、予約を変更すると追加料金がいる。
家族一緒にまとまった座席を希望すると、追加料金が取られる。
・チェックイン・・全日空系の「ピーチ」は、出発30分前に締め切り、払い戻しは不可(既存各社は出発間際の駆け込み可)
・預け入れ荷物・・ピーチは一個1,050円。尚、予約なしで空港で預けると、追加料金2,100円取られる。
・ピーチは、子ども運賃や優先搭乗はなく、満2歳から大人運賃になる。
既存の航空機より搭乗人数を1~2割増やしているため、座席が狭く、窓際の席から通路に出にくい・・私のような年配者は、出発前にトイレを済ませておかなければならず、長距離旅行には不向きのようです。
<企業努力で低格安料金>
・使用する飛行機の機種を絞って、整備やパイロットの訓練の効率を良くして、コストを抑えた。
・関空、成田、両空港とも発着便を増やして、経営効率アップを図るため、LCCの乗り入れ料と、空港施設の使用料を引き下げた。
・飛行機の整備は、利用料のかかる空港設備は使用しない。
・本社オフィスも家賃の安い所にして、什器備品は中古品で間に合わせ、社長も社員と机を並べ、椅子の形もバラバラ。
・一人がやる仕事の種類を増やして、人件費を切り詰めた・・スチュアーデスは、本来の接客サービス以外に、機内の掃除など、やれることは何でもやる。