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イソップ寓話「ブドウの葉を食べた鹿」

[ よく知られる世界の童話 ]

アンデルセン童話

「赤い靴」「親指姫」「人魚姫」「裸の王様」

「みにくいアヒルの子」「マッチ売りの少女」「雪の女王」

イソップ寓話

「アリとキリギリス」「ガチョウと黄金の卵」「カラスと狐」

「北風と太陽」「金の斧」「熊と旅人」「馬をうらやんだろば」

「ろばを売りにいく親子」


グリム童話

「赤ずきん」「狼と七人の子ヤギ」「かえるの王子さま」

「糸くり三人女」「ヘンデルとグレーテル」「死神の名付け親」

ヨーロッパの童話

「親ゆび姫」「ジャックと豆の木」「白雪姫」「シンデレラ」

「長靴をはいた猫」「眠れる森の美女」

●メーテルリンク 「青い鳥」

●ウォルト・ディズニー 「三匹の子豚」


日本の童話

「浦島太郎」「おむすびころりん」「笠地蔵」「かぐや姫」

「かちかち山」「かわいそうなぞう(上野動物園)」

「こぶとりじぃさん」「猿かに合戦」「舌きりすずめ」

「鶴の恩返し」「花さか爺さん」「桃太郎」


952 【吉村外喜雄の]なんだかんだ】

イソップ寓話「ブドウの葉を食べた鹿」


イソップは、二千五百年も前の紀元前六世紀に、ギリシャの奴隷だった人です。地位が低く弱い立場にあった彼は、人々に注意を喚起しようと、動物を例え話にして創られたのが、イソップ寓話です。

その後、出生地に伝えられた民話も、この寓話に加えられた。

その後イソップ寓話は、人から人へ語り継がれて、世界中に広がっていった。

物語全体がキリスト教の価値観で書かれたものが多く、日本には1593年に、イエズス会の宣教師によってもたらされ、天草でラテン語から日本語に翻訳された。

日本の童話「兎と亀の物語」は、イソップ物語から生まれたものです。

今日では、子ども向けの童話として、広く親しまれているが、実際は、大人のための「人生の教訓物語」だったのです。


今日の教訓・・「恩を仇で返す者は、必ず破滅する」

                  (「恩」とは、を知ると書きます)


自分の今があるのは、誰のお蔭でしょうか・・両親の庇護がなければ・・恩師に出会わなければ・・朋友に恵まれなければ・・そして、この日本に生まれなかったら・・

感謝の心を知らず、人を平然と裏切る者は・・以下の寓話の鹿と何ら変わらない、愚か者です。


『 一頭の鹿が漁師に追われている。幸いにも、ブドウのツルが巻きついた木を見つけ、その陰に滑り込んだ。
生い茂ったブドウの葉が、鹿の体をスッポリ隠してくれた。息をころして潜んでいると、目の前を、弓を持った猟師が通り過ぎていった。


「この木がなければ、どうなっていたか・・」

安心した鹿は、ブドウの葉をむしゃむしゃ食べ始めた。
そのかすかな音が、遠くへ去った猟師の耳へ届いた。

「おかしいぞ、風もないのに、葉が揺れている」


鹿は少しも気づかず、葉を食べ続けた。
次の瞬間! 放たれた矢が体を貫いた。鹿は大地へ倒れ、「ああ・・当然の報いだ・・命の恩人(ブドウ)を食べてしまったのだから・・」と嘆いて、死んでいった 』

                                                                               木村耕一編「こころの朝」

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