■江戸小噺「嫁の乳」
息子の嫁が、義父の月代(さかやき)を剃ってやっていたが、
やがてヒゲを剃るときに、はだけた胸からのぞいた、
ふくよかな嫁の乳房が、剃るたびごとに唇に触れんばかりにして、
眼の前を行ったり来たりするので、たまらない。
とうとう我慢しきれずに、いきなりパクリとしゃぶりついてしまった。
たまたま、それを見ていた息子が眼をむいて、
「息子の嫁の乳をしゃぶって、どういう了見だ!」と怒りだすと、
父親、開き直って・・
『そういうお前だって、俺の女房の乳を五年も近くしゃぶり続けて
いたではないか・・』
山住昭文「江戸のこばなし」