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般若心経・大乗仏教の教え(7)

■仏教と般若心経

 

日本人に一番人気があり、読まれているお経は般若心経です。

日本仏教のほとんどの宗派が、このお経を読みます。

読まない宗派は、浄土真宗と日蓮宗だけです。

信者数が多いこの二つの宗派が、般若心経を読まない

わけは、読む必要がないからです。

 

浄土真宗は、仏説無量寿経(大経)、仏説観無量寿経(観経)、

仏説阿弥陀経(小経)、三経を読んでいればよく、

日蓮宗は「法華経」だけ、読んでいればよいからです。

宗派にとって、必要がないから読まないだけであって、

読んでいけないわけではありません。

 

般若心経が、日本人に愛される第一の理由は、経文が

300字足らずと短いことです。第二は、「般若心経」が

大乗仏教の奥深い思想を説いていることにあります。

 

                                     ひろさちやの般若心経第一講

 

 

915 【心と体の健康】

~般若心経~ 「大乗仏教の教え(7)」

 

大乗仏教の基本教理は”空”…「物を実体視するな。差別するな。よしんば差別をしても、その差別にこだわるな!」と説く。


私たちは日頃様々なモノを比較して、そのことに”こだわり”生きている。 ”幸福”を例に挙げてみると、誰もが幸福になりたいと願っている。ならば、幸福というもの、どうすれば、どこに行けば手に入るのだろう?


メーテルリンクの童話「青い鳥」・・幸福の象徴である青い鳥を探しに行くが、散々探し回った挙句、自分たちの最も身近なところ…鳥籠の中に幸福があったのです。

”幸福感”は、誰でも感じることができます。
しかし幸福は、探し求めても見つかりません。


例えば暮れのボーナス・・今の会社の現状から、今年のボーナスの支給は少ないだろう…

去年の半分の20万円貰えれば、まあまあ幸福だろう。

ところが、25万円貰えることになった・・これは「やったぜベイビー」である。
次の日、同業の友人が「うちは30万円出た」と言った瞬間、幸福感は泡のごとく消えてしまうのです


戦前までの日本人・・幸福感を物や金銭で量ることに、庶民の心は向いていなかった。

戦後になって、アメリカ型拝金思想が、日本人の心を蝕むようになった。金儲けの為なら…バレなければ…モラルに反することをしても、「何が悪い」と開き直る。挙句露見して、社会からバッシングを受ける事例は、枚挙にいとまがない。


日本人は「幸福」とは言わず、「仕合せ」と言う・・ここが日本人にしかない幸福感です。西洋とは違う思考で幸福を見るのです。

物質面で金銭面で、己の欲望を大きく満たすことで、幸福を大きくしようとするのが西洋。

日本人は、禅に見られるように、そうした欲望を小さくしていくことで、幸福を大きくしようと考えたのです。

                                                                            中村靖雄「広やかな心」より

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