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二兎を追うものは一兎も得ず(2)

■こだわり・常識を見つめなおす

 

私たちの頭の中には、世間の常識がいっぱい詰まっている。

今の日本人の最大の常識といえば、

「お金持ちは幸福だ…お金があれば幸福になれる」

誰もが、こうした常識にとらわれている。


よく考えてみると、常識といわれるものに、間違っているものが

多々あるようです。そうした常識を一度きれいに捨て去り、

「自分にとって…幸せとは何か?」を、自由な発想で

考え直してみる必要があります。


人によって、幸福への道のりは様々…

人それぞれ違うことに気づかなければならない。

例えば、親の言うままに一流大学に入り、一流企業に就職する

ことが、自分に最もふさわしい人生の選択なのかどうか?

 

                                     ひろさちやの「ほどほど人生論」から

 

 

913 【心と体の健康】

~幸せな人生~

「二兎を追うものは一兎も得ず(2)」

 

商売が順調だと、もっと売上を上げたい、もっと会社を大きくしたい、もっとお金儲けをしたいと思うようになる。

金沢で一番になったら、北陸で一番に…北陸で一番になったら、中部で一番、日本一の会社にしたいと…「成功」の兎は、どこまで行ってもキリがない。


己の器が何ほどかも知らずに、事業拡大を掲げて突っ走った。投資が増え、借金が増えてくる…借金を返済するために、積極経営にならざるをえなくなる…生活に潤いがなくなり…気付いたら資金繰りに追われて四苦八苦…金持ちも幸福も遠ざかってしまうことになるかも。


故に、金持ちになって、不幸になることも承知の上で、金持ちになろうとすることです。

会社が大きくなれば、世の中から成功者と言われ、地位・名誉・お金・幸福の全てが手に入ると思っている…いつしか、2兎どころか、3兎も4兎も追いかける亡者になり、「裸の王様」になっていく。


以下、「理念と経営10月号/荘子の教え」から・・

役人は官吏として栄達し、知謀にすぐれた者は頭角の機会を待ち構え、軍人は戦争が起こればいいと待っているし、農夫や商人は儲けたい一心で働く。

つまり、金銀財宝を積み上げることに熱中する。そのうちに己の器が何ほどかを忘れてしまい、成功を掴むと、自らなすべき本質を忘れてしまう。

自分が他人より抜きんでていると高慢になり、自分の能力や技を自慢するようになり、ついには身を滅ぼすことになる。

ここで、荘子の説話の中でも有名な「高慢な猿の死」が語られる。

呉の国の王が長江に船むを浮かべて、猿の住む山に行ったことがある。猿の群れは船を見るとあわてふためき、水辺の住家を逃げ出し、深い灌木の茂みに逃げ込んで、身を隠した。

ところが一匹の勇敢な猿が、木の枝を掴んで飛び回り、王に自分の素早い動きを見せつけた。

猿に矢を射ると、素早くその矢をたたき落とした。

王は何人もの漁師に命じて、間をおかずに矢を射させたので、とうとう猿は木から落ちて死んでしまった。

王は言った「この猿は自分の素早い技に自惚れ、その敏捷さを自慢して、私を馬鹿にした。この哀れな死にざまを見よ! 皆も他人に尊大になってはならんぞ」

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