■凡事徹底
昭和36年の創業当初は、吹けば飛ぶような弱小企業だったイエローハット。
取引先に営業にいっても軽くあしらわれ、屈辱を胸に抱いて帰ってきた。
その屈辱を癒そうと、鍵山は会社のトイレを毎日ピカピカに磨き上げた。
更に鍵山は、会社の周囲の道路も隅々まで掃き清めた。いつの間にか
従業員もそれに習うようになった。そしてイエローハットは急成長を遂げた。
掃除がなぜ経営に好影響を与えるのか?
分かる人にはすぐピンと来るものがあるだろう。分からない人はいつまでも
疑問を持ち続ける。
掃除を徹底すること、つまり凡事を徹底することが”社風”となり、骨惜しみ
せず心配りのできる従業員を育て、取引先の信頼を勝ち取り、成功への道
が拓かれたのです。
「理念と経営/経営至言”道”」
910 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「壊すことから始める」
以下、今週の倫理737号を転載します・・
会社が逆境に陥った時、それを克服するために必要なことは何でしょうか。
駿河台大学の水尾順一教授は、会社を甦らせる七つの法則を挙げています。
①壊すことから始める ②カネを惜しまない
③何があっても「顧客満足」
④「威張らない上司」を養成せよ
⑤社員がのびのび働ける環境をつくる
⑥「らしさ」で団結 ⑦社会から離れない
今回は、第一の法則である「壊すことから始める」にスポットを当てます。
大きな成功を得た経営者は、ともすると過去の成功体験に引きずられがちです。かっての成功体験を、いまだに心地よい思い出として持っていて、現在の経営を過去の体験でしか考えられない状況に陥っている。
ここで大切なのは、状況が変わってしまえば、過去の成功体験など通用しないことを思い知ることです。
近年、不況風が吹くゴルフ業界も、石川遼、伊藤誠道、宮里藍といった若手プレーヤーの進出によって、新たなゴルフ人口が育ってきている。
そうした中、米国金融グループのゴールドマン・サックス傘下で、急成長したAゴルフ場のT社長は、ゴルフの常識を壊す新しいビジネスモデルを構築して、大成功を収めた。
まず顧客ターゲットを、社用族から定年退職を控えた団塊世代や女性、若者に切り替えた。
利用目的も従来の接待型から、レジャーやスポーツ、なによりも健康増進のためのゴルフを、世間にアピールしたのです。
新しいゴルフ文化を創造するため、T社長は「サービス四原則」を定めた。
1、常に快適なラウンドを約束する、良質な
ゴルフコースを提供する。
2、顧客の多様なニーズに応えられる、多様な
プレースタイルを提供する。
3、専門店のように充実したサービスができる、
プロショップを提供する。
4、ゴルフ場での一日を心から楽しんでいただく
ために、リーズナブルなレストランを提供する。
金沢市近郊の7ケ所のゴルフ場はすべて、経営不振に陥り破産した。為に、私の会員権も紙屑になってしまった。
7ケ所の内5ケ所は、全国に百ケ所以上所有する、二つの大手企業に買収された。
新しい経営陣は、上記”四原則”を掲げ、徹底した人件費削減と合理化・スリム化によって、プレー代が半額(最安値は、平日メンバー料金三千円)になった…
隣県からの来場者も目立つようになり、全盛期を上回るにぎ
わいを見せている。