■越中ふんどし
加賀といえば「加賀友禅」、越前は「越前竹人形」…
ところが越中といえば「越中ふんどし」が浮かんでくる。
No856の「越中強盗」の話といい、富山県人に恨みでもあるのか
と言われそうです。
落語家の故”桂文治”(元落語芸術協会会長)師匠は、
”越中ふんどし”を生涯愛用していたことで知られる。
「風通しが良くてネ、気持ちがいいよ!
なにしろ自由自在だかんネ」
と、楽屋でふんどしを見せながら、得意満面だったという。
ひらひらとして、頼りなさげの越中ふんどしだが…これもマニア。
「これでなくちゃ男ではない!」と、男の意地を貫いた。
子どもの頃銭湯へ行くと、年寄りは越中ふんどしだった。
私も小学生の頃は、六尺ふんどしで泳いだものです。
日本男児の象徴”褌”…今は一人として、お目にかかれない。
906 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
~県民性~ 「生活習慣」
県民性の違いは、生活習慣にも現れる。
富山や福井県民の日常の暮らしは、極めて質素。
それに引き換え、金沢市民は見栄っ張りで、着倒れ、食い倒れの一面がある・・加賀百万石の風土がそうさせるのでしょう?
富山県民の生活は、食べるもの着るもの、いたって質素・・
でも、子供の教育費は日本一です。一人当たりの居住面積も日本一。
対する石川県、一所帯当たりのゴミの量は日本一…
暮らし方が贅沢だから?
県内に大きな温泉町が6ケ所あるのが原因でしょう…
でも褒められたものではない。
富山県と福井県は、昔から結婚式や葬式は派手に見栄を張る。対する石川県はいたって質素。
古い話になるが、砺波の大きな会社の会長さんが亡くなられた。
その時、花輪を一対出してほしいと言われたが、葬式当日・・お寺さんの100メートルも手前から、道路の両脇は花輪でびっしり…200本はあったろうか。
当社の花輪が見当たらないまま、葬儀場に入ったのを覚えている。
石川県で、開店祝いに花輪が並ぶのはパチンコ店の開店ぐらい。
福井県では、商店の開店祝いに造花の花輪が贈られる…
派手で目立てばいい…直径四メートルもあって、花輪の大きさは日本一。
貰ったお店は飾る場所に困るし、贈る方は人より先に届けて、よい場所を確保しようとする。
富山市の友人の結婚式・・引き出物は、30センチもある”鯛のかまぼこ”に、持てないほどのお土産が付いた。
近頃は地味婚が流行る…葬式も、身内だけで質素に済ませる家が多くなった。
花輪も、祭壇の両サイドの親戚の生花も、菓子盛りもないいたってシンプル・・取引先にも知らせず、親戚と親しい知人のみの、質素で控えめな葬式をした友人の社長…世間体や虚栄、見栄を排除した葬式は初めて・・
十年くらい前まで、富山市内でお客様と食事を・・と思っても、気の利いたレストランや喫茶店がなく、昔からの店ばかり。大きなサウナもなく、金沢に比べると街全体が地味に見える。反対に金沢は、何事も派手さが目立つのです。
金沢では、座敷にお通ししたお客様に、上品な和菓子を半紙に載せて出し、お帰りに包んでお持ち帰りいただく慣わしがある。
富山県は、ばら菓子を入れた器が置かれるが、つまむわけにもいかない。初対面だと、茶一杯出ないこともある。
金沢人から見ると、ケチくさく感じるのです。これも、お金にはしびやでつましい、富山県民気質でしょうか?