教え魔
■良薬口に苦し
「れう薬 口ににがし。忠言は耳に逆う」
「よく効く薬ほど 飲むときは苦い…
人の忠告は 耳ざわりなものだ」
孔子の言動を集めた、中国の「孔子家語」という古典にある
ことばです。
人への忠告も、耳ざわりのいいものでは、効果がない。
それこそ体を張った忠告でなければ、何の役にも立たない。
しかし、それには相手を見きわめる必要がある。
それで怒ってしまうような相手だったら、忠告などしない方がいい。
このことわざの中心は、”忠言”の方にある。薬の味をどうこう
言ってみても、仕方あるまい。薬の味を引き合いに出すことで、
「耳ざわりな忠告こそ、聞きなさい」と言っているのです。
会議での小数意見は耳ざわりだが、強硬に自己主張して
孤立するのを恐れ、多数意見に相づちを打つ、「長いものに
巻かれろ」的人間が多いだけに、少数意見であっても耳を傾け、
良いか悪いかの判断材料にすべきでしょう。
「理念と経営/江戸いろは歌留多」
903 【心と体の健康】
~幸せな人生~ 「教え魔」
ゴルフ練習場でクラブを振っていると、近くで練習している顔見知り…欠点が目に付き、つい教えたくなるのでしょう…後ろにやってきて、「もっと脇を締めて…ヒジが抜けている」「右肩が下がっている…肩の力を抜いて」などとアドバイスをしに来る。
言われた通りやってみると…なるほど「いい!」…教える方も熱が入ってくる…そんな親切な教え魔が4~5人、入れ替わりやって来る。
最初の頃は有難かった…言われた通り練習すれば、上達すると思った。
ある人は「足を広めに開いて、下半身をどっしり構え、スイングの時頭を動かさない」
又、ある人は「スタンス巾をもっと狭くして…そう、腰の回転が良くなるから…頭が動いても気にしない」
皆、言うことが違う…言われた通り練習していたら…何が正しくて、何が良くないのか?…わけが分からなくなってくる。
習ったことを間違って解釈し、練習する私にも問題がある…練習するほどに”変な癖”が付いてくる…修正するのに苦労することになる。
間違った練習をいくらやっても、うまくはならない…スイングを理解したつもりでいても、正しいスイング理論を知らずに、ワンポインの手直しばかりでは、上手くならない。
昨年「習う人を一人に絞ったらいい」と言われ、Yさんの指導を受けることにした。
スポーツでも仕事でも、経験豊かな先輩…未熟な後輩の欠点が気になり、ついアドバイスをしてしまう。
あれこれ親切に教えても、それは教える人の長年の経験の積み重ねによるものであって、経験の浅い未熟者がやってもうまくいく訳がない。折角のアドバイスが無意味になってしまう。
教わる側の能力レベルを考えない、指導やアドバイスは困りものです。
教える人は、相手の習熟度を考慮し、「なるほど、こうすればいいのか」と、教わる人自らが理解し、納得できるまで、指導を焦らないことです。教え過ぎにならないように・・