■一字の苗字
韓国にはぺ・ヨンジュンとか、イ・ビョンホンなど、一字性がほとんど。
そこで電話帳を繰って、
金沢市にどれだけ一字の苗字があるか、
探してみた…そうしたらあった!
[まず、屋号から…]
あいうえお順に繰っていったら、のっけから「A(あ)
」という一字の
お店が三軒も出てきた…鍵屋さん、ペットホテル、
そしてラウンジ。
ちなみに、「A
(えー)」という婦人服店も一軒あった。
繰っていったら、「K」という名で、スナック、喫茶、美容院の3軒、
「美」と「リー」いずれも、
スナックが1軒づつ…期待したほど件数は
なかった。
[次に、個人名を繰ったら…]
能(のう)さんとか、高(こう)さんではなく、
単純一字の苗字を探した。
伊(い)さん、査(さ)
さん、地(ち)さんが一名、李(り)
さんが二名、
瀬(せ)さんと、太(た)さんが、それぞれ3名載っていた。
896 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
~ことば遊び~ 「西欧人の名前の由来」
アラブ人には苗字がない。日本人も欧州人も、昔は貴族を除いて”苗字”がなかった。
庶民の間に苗字が広まったのは、12~13世紀にかけて。
ロシアでは15世紀、スエーデンやノルウェーに至っては、
19世紀になってからである。
貴族や領主たちは、国王や高貴な聖職者から下された、
偉そうな苗字を使っていた。
日本でも、臣下が領主の名前の一字を頂いて忠義を誓う…
といったことがよく行われた。
羽柴筑前守秀吉の場合…浅井攻めの軍功で、
北近江十二万石の城持ち大名に取り立てられた。
出過ぎたクイは打たれる…古参の家臣の妬みを恐れた秀吉は、柴田勝家、丹羽長秀からそれぞれ一字をいただいて、
我が苗字とした。
洋の東西を問わず、庶民が名字を考える時は、偉そうな名前を真似たりすると、
にらまれるので、
自らの身分・職業にふさわしい名前を用いた。
白髪が特徴の人はホワイトさん、赤毛の人はリード(レッドの古語)など、
自らの身体の特徴を名前にして、人に呼ばせた。
十九世紀のアメリカの詩人ロング・フェロー(ヘンリー)は、
「のっぽ」という意味…彼の先祖は、
背が高かったのだろう。
ブラウン(色黒の顔をした人)のように、あだ名に由来する姓も よく見られる。
14世紀初頭…庶民の多くは、100名からなる共同体の中で生活していた。
ウイリアムさんが20人、ジョンさんが15人、ロベルトが10人、リチャードが10人と、
同じ名前の人が多かった。
一人ひとり区別するために、あだ名を付けて呼び合ったのです。
職業を名前にしたケースでは、スミス(鍛冶屋)、ミラー(粉屋)などがある…
39代大統領カーターは「大工」である。
暗殺されたケネディの後、大統領に昇格したジョンソンは、
「ジョンの息子」という意味になり、
父親の名前に由来した姓も多く見られる。
地名・住まいの方角などに由来する名前では、
ヒルトン(hill+ton/丘の囲い地の住人)がそう。
ブッシュ前大統領は、先祖が大きな藪の近くに住んでいたのだろう…
ヒル(岡)やウエルズ(泉)…日本同様、
住んだ土地から付けた名前が多い。
歴代大統領で庶民的な名前が多いのは、
民主主義国アメリカだからだろう。
西欧では、聖書に由来した名前が多い…聖母「マリア」、「マイケル(天使の一人)」、
「ジョナサン(ダブィデの友人の名)」 「ディブィッド
(イスラエルの王様の名)」などがある。
使徒パウロは英語で「ポール」、天使ミカエルは英語で「ミッチェル」「マイケル」になる。