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井原西鶴の商家経営原則

■今日の名言             商業界ゼミナールにて

『 正しきによりて滅びる店あらば  滅びても良し
 断じて滅びず
  古くして古きもの滅ぶ   新しくして新しきものまた滅ぶ
  古くして新しきもののみ   永遠にして不滅                   』
 
「ゆっけ中毒事件」にからんで…
日本の庶民が、日々の献立で”肉”を買い求め、調理するようになって、
わずか四十数年である。
生肉の危険性は、「ユッケ」より「生レバー」の方が怖いとの新聞報道。
ステーキ肉は、4~5日冷蔵庫で生のまま寝かせた方が美味しいという。
 
”生肉”の正しい調理法や、危険性を伝承する「生活の知恵」が、未だ
庶民の中に存在せず、無知から引き起こされた事件といえます。
 
肉料理の技は、日本と比べようのない歴史を持つ韓国でも、
時折”生肉”による中毒事件が起きている。
日本の河豚料理のように、長い歴史の経験と知恵から、危険性を
十分承知して、食べているのです。
 
 
878  【吉村外喜雄のなんだかんだ】
~歴史から学ぶ~
「井原西鶴の商家経営原則」
 
「好色一代男」で知られる、江戸・元禄時代の作家”井原西鶴”が、 「日本永代蔵」中で書き記した”堅実経営法”…
代の経営のあり方と相通ずるものがあります。
 
西鶴は、商人に大切な原則は「算用・始末・才覚・信用」の四つと、書き記している。
[算 用]…入るをはかって出ずるを制す
                 財務内容がしっかりしていること
[始 末]…お金の無駄をはぶき、節約を旨とする
       その一方、将来への先行投資を惜しまない
[才 覚]…商人に才覚は不可欠
       新しい発想や心配りも大切です
[信 用]…顧客・取引先・金融機関との関係は信用第一
 
「金持ちになりたければ ” 長者丸(がん)”をのみなさい」
「金持ちになりたかったら、西鶴が調合した丸薬を飲みなさい」
 
井原西鶴は、「長者丸といへる妙薬の方組(調合)伝へ申すべし」 と前置きして、 以下、五項目の丸薬を呑んで実践すれば、五十両稼げるこを示した。
 
[朝 起]…五両    商人は早起きを常とすべし
       朝日がまぶしい中寝ているようでは、繁盛は望めな
                 い
[家 職]…二十両  本業に精を出す
       目先の利益・商いに目がいき、本業をおろそかにして
                 いないか
[夜 詰]…八両    夜なべ仕事に精を出す
       日の明るいうちに店を閉めているようでは、繁盛しな
                 い
[始 末]…十両    質素倹約を旨とすべし
              入りに見合う暮らしに徹し、贅沢は敵と
                                心得よ              
[達 者]…七両    何より健康であれ         
 
■更に西鶴は、慎まなければならないことを「戒め」 として書き記した。
 
◇美食、ぜいたく、女遊び、道楽ごとなどに店のお金を持ち出             
◇花見や月見、着物などにミエを張る
◇昼から風呂に入る
◇夜遊び、バクチに入れ込む
◇芸ごとにうつつをぬかす
◇気安く保証人になる
◇金もないのに、芝居役者のスポンサーになる
◇ムダな旅行を楽しむ
◇高利の借金に手を出す
                    
                            童門冬二「先人たちの名言録」より

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