■福井県の話題
○東尋坊の「もみわかめ」
福井県三国の東尋坊は日本海にせり出していて、
魚介類が豊富で
す。ダイバー仲間と越前の海によく潜った。その頃、魚を手ヤスで
突くのが楽しくて、ハチメやハタ、カサゴなど、
沢山持ち帰ったもの
です。
越前海岸はワカメがよく採れる。海が荒れた日の翌朝、地元の
年寄りが、
先に鎌をくくりつけた竹竿で、ちぎれて岸に打ち上げられ
ているワカメを採集する。
そのわかめを天日に干して細かく手もみして、「もみわかめ」
にする。
それを一升瓶の空瓶に詰めて売っている。塩の香りがして、焚きた
てのご飯にフリかけると美味しいし、おにぎりに混ぜても美味しい。
収穫の時期は春…初夏には土産店に並ぶ。越前海岸へドライブ
した時のおみやげにいかがでしょう…
○コシヒカリは福井県生まれ
新潟県といえば「コシヒカリ」…新潟県を代表するブランド米ですが、
福井県で生まれたお米だということを、
知る人は少ない。
868 「吉村外喜雄のなんだかんだ」
~ことば遊び~ 「落語・ちりとてちん」
落語「ちりとてちん」…平成19年、
NHK朝の連続テレビ小説での稽古風景に登場してから、広く知られるようになった。
テレビの物語は、故郷福井の若狭から大阪へ飛び出し、落語家を志す女の子が、
落語修業を通して成長していく姿を、
笑いと涙でつづったものです。
落語「ちりとてちん」の「ちりとてちん」とは、稽古場から聞こえてくる三味線の音色を表している。
♪さる家の旦那が、お向かいに住む金さんを座敷に招き、ご馳走する。
金さんはお世辞のうまい人で、振舞われた鯛の刺身や鰻の蒲焼を、「生まれて初めて食べました」
「寿命が伸びます」などと言いながら、美味しそうに食べる。
宴がすすむうち、近所の竹さんのことが話題になる。
この竹さん、金さんとは正反対の性分で、ご馳走をしても、何をあげても、
素直に喜ぶということがない。
なんとかして竹さんをへこましてやろうと、考えている旦那のところへ、家の者が「豆腐を腐らせてしまった」と言いにくる。
それを聞いた旦那…「そうだ!この腐った豆腐を、
竹のやつに食わしてやろう」と思いつく。
腐った豆腐を「台湾名物ちりとてちん」だと偽り、薦めようという趣向である。
さっそく家の者が竹さんを呼びにいき、旦那は鯛の刺身や鰻の蒲焼を振舞うが、
案の定「鯛ねえ…マグロのほうが美味しいね」「この鰻…
養殖でしょう」などと憎まれ口。
次に旦那が、瓶詰めにした「ちりとてちん」を薦めると、知ったかぶりの竹さんは、「台湾では、朝に晩によく食べていた」と言い出し、
旦那の前で食べてみせることに…ひと口食べるや…悶え苦しむ。
旦那「どんな味や?」と聞くと…竹いわく
「ちょうど豆腐の腐ったような味です…」
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落語「酢豆腐」を、3代目柳屋小さんの門下生だった、
初代柳屋小はんが改作して生まれたのが「ちりとてちん」。上方では初代桂春団治、東京では5代目柳屋小さんが得意ネタにした。
小さんの語り口は、前半はのどかな宴の様子をほのぼのと描き、後半、
金さんが登場すると、
旦那と金さんのやりとりや、飲んだり食べたりする仕草をして、情景が目に浮かぶように暖かく演じていく。
「落語の蔵」
より