■漢字の語源を探る…「鱈」
冬の魚「鱈(たら)」は、雪が降る頃になると、産卵のために比較的浅い所に
上がってくる。それを獲って食べると、魚肉が雪のように白くて旨い。
そこで魚に雪をくっつけて「鱈」になった。鱈は、日本で作られた”国字”です。
鱈は産卵期になると、餌が少ない深海から浮上してくると、目に付く餌は
何でもよく食べる。
その大食漢から「矢鱈(やたら)に食べる」「鱈腹
(たらふく)食う」が生まれた。
北陸の鱈は冬の味覚。金沢の方言の「だらほど食べる」の「だら」は、
鱈が語源ではなく、「だらぶち(バカもの)」からきた言葉です。
仏教用語の「南無阿弥陀羅仏」が、「だらぶち」の語源です。
タラバカニは、鱈の漁場にカニに似た生き物がいる、「鱈場のカニだ…」から
ついた名前。ちなみにタラバカニは、カニの仲間ではなく、ヤドカリの仲間です。
860 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
~ことば遊び~ 「日本で生まれた漢字」
ことば遊び…日本で生まれた漢字をいろいろ取り上げてみます。
中国から伝わってきた漢字に対して、
日本で生まれた字を国字という。
国字のルーツ…語源をたどると
「象形文字」が多い。
「山」に「上」
と「下」がくっついて出来た 「峠」は、 その代表でしょう。
その他に、「身」と「美」
をくっつけて出来たのが「躾」。
「裃(かみしも)」もそう。
その他「込」「塀」「搾」「働」「枠」などがある。
「辻」もそうだが、日本で生まれた字は、漢字で「美」を”び”
と読むような「音読み」
がない…ほとんどの国字は
「訓読み」だけである。
・神にささげる木「榊」 ・堅い木
「樫」
・風が止むのは「凪(なぎ)」 ・風で上がる布
「凧」
・雨だれが下りる「雫(しずく)」
・道の十字路「辻」
・白く乾いた田ハタ「畠」
・ひそかにつつむニオイ「匂」 ・火で焼いた田「畑」
・田にいる鳥「鴫(しぎ)」
・
他人に弟のオモカゲ「俤」
お隣の中国も、急速な経済発展に伴い、外来語があふれるようになった。
そうした中、「一語」で意味を表現できる、
新しい漢字の創作を試みる”焦応奇”という学者の創作漢字を紹介します。
「パソコン」
画面「口」+キーボード「-」
+マウス「、」
「テレビっ子」
アンテナを意味する「ソ」+画面の「口」を組み合わせた「テレビ」のつくりの下に、「心」で、
テレビの心理的な影響を受けたテレビ人間、テレビっ子。
「大げさで誇張した言論をする知識人」
口+士