■「鹿を逐う者は山を見ず」
中国古典…
「金をつかむ者は人を見ず 鹿を逐う者は山を見ず」
呉王”夫差”が”楚”を攻めようと逸り、臣下の諫言を聞こうとしない。
近習の小姓が王を諌めたが、王はふんぎりがつかない。
そこで一計を案じ、パチンコを懐に、朝早く裏庭を歩き回った。
朝露が裾を濡らすのもかまわず、三日もそれを続けた。
呉王”夫差”が目をとめて、尋ねた…
「着物が濡れているではないか、なぜそのようなことをする?」
『 庭の樹の高い枝に蝉が鳴いて、露を吸っています。
すぐ後ろにカマキリが狙っているのに、気付きません。
スズメは首を伸ばして、カマキリをついばもうとしているが、
私がパチンコを持って、すぐ下にいることに気付きません。
蝉もカマキリもスズメも、目の前のエサをついばむのに懸命で、
後ろに災難が迫っていることに気付かないのです 』
「よく分かった」…夫差はこう言って、楚への攻撃を取り止めた。
853 【心と体の健康情報】
~幸せな人生~ 「失敗から学ぶ」
仕事でも…趣味でも…何かをしようとする時、必ず失敗が付きまとう。
失敗すれば恥ずかしいし…悔しいし…落ち込む。
できることなら、失敗などしたくない。
失敗したら、くよくよ悩んだりせずに、その原因を改めるようにしたい…
間違っても人のせいにはせず、自分のこととして素直に受け止めることです。
「失敗なきところに成功なし」…NHKの「プロジェクトX」の登場者は、
やれることはすべてやりつくし、人から「不可能だ…」
と言われながらも、諦めずに夢を追い続ける執念の人たちです。
「失敗は、成功のヒントになり、チャンスになる!」と、
自らに言い聞かせる。
失敗したとき明らかになる課題を、その都度克服していくなら、今は見えない成功が一歩一歩近づいてくるだろう。
以下、感性論哲学の創始者、芳村思風先生の「感性論哲学の世界」
から…
『人から問題を指摘されると、ついムッとしてしまう。自分では、正しいと思っていても、他人から見れば、
正しくないかもしれない…物事に”完全”はないのです。
自らの不完全さに気づいて、受け入れたとき、人は謙虚になれるのです。
謙虚さが身につくと、自分と違った意見に耳を傾けるようになる…人から”器の大きな人物”と言われるようになる。
逆に、意見を押し通せば…
”器の小さな人間”に見られてしまう 』
また、思風先生の著書「人間の格/
不完全性の自覚」には…
「神様と人間と動物の違いは?」の問いかけがある。
神様は完全である…物を盗んだり、人を騙したりしない。
人間は物を盗むし、人を騙す…故に人間は不完全である。
不完全性の自覚を忘れ”傲慢”になったとき、
人間は人間であることを失格する。
ならば、「人間と動物の違いは?」
動物は間違いに気づかないし、
反省もしない。
人間は間違いに気づき、反省し、正そうとする。
ゴルフと囲碁が趣味の私…何れも、失敗の回数の多い方が負ける。ゲームをより面白く、スリリングにするため、弱い方に相応のハンディキャップを与え、勝負する。
それで負けると悔しい…負けたことがエネルギになって、自らのハンディーを減らそうと、練習に励む。
上手くなろうとしている間は、
成長するし、 強くなれるのです。