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落語・はてなの茶碗

■住友生命「創作四文字熟語」
 
’10    「棄想県外」(奇想天外) …  「最低でも県外」普天間問題
     「諸牛無情」(諸行無常) … 口てい疫で、牛大量処分
     「全人見塔」(前人未到) … スカイツリーを見上げる都民
 
以下、優秀200作品から、歌人・俵万智さんが選んだ四文字熟語
 
’09  「遠奔千走」 … 高速道路千円ぽっきり
’07  「医師薄寂」 … 小児科や産婦人科の医師不足が叫ばれた
’04  「様様様様」 … ヨンさま、韓流ブーム
’02  「日本熱闘」 … 日韓W杯開催
’01  「万国胸痛」 … 米国9.11同時テロ
 
’98  「倒行巨費」 … 山一證券など、金融危機多発
’96  「高官無恥」 … 霞ヶ関官僚接待汚職
’95  「震傷膨大」 … 阪神・淡路大地震
’93  「扇扇狂狂」 … ジュリアナ全盛
’90  「異旗統合」 … ベルリンの壁崩壊・東西ドイツ統合
 
 
850 「吉村外喜雄のなんだかんだ」 
~ことば遊び~ 「落語・はてなの茶碗」
 
今日の出しものは「はてなの茶碗」…話が面白く、場面転換が多く、 色々な人物がてくるので、 描写が難しい…ベテランでなければ演じきれない噺です。
上方落語・三代目桂米朝の十八番と言われるだけあって、 米朝の右にでるものはいないという… 上方落語、屈指の名作です
 
♪京都は清水寺、音羽の滝のほとり。
大阪から来た油屋が、茶屋で休憩していると、 京では名の知れた茶道具屋の金兵衛… 通称”茶金”が、油屋の隣に座ってお茶を飲み、茶屋の茶碗の一つをこねくり回しながら、しきりに「はてな?」と首をかしげていた。
 
道具屋の茶金が帰った後、 あの目利きの道具屋が注目する茶碗…さぞかし値打ちに違いないと、 茶店の主人からすったもんだの末、なけなしの二両はたいて買い取った油屋。
 
桐箱に入れ、風呂敷に包み、身なりを整えて茶金の店へ…
番頭に「五百両…いや、千両の値打ちもの!」 と息巻くも、どう見ても清水焼でも一番安い茶碗… 「うちでは取り扱えない」と、らちが明かない。
 
無理やり茶金を呼び出して、事の次第を聞いてみると、ヒビ割れもないのに、 どこからともなく水が漏れてくる… 「はてな?」と、 首をかしげていたのだと言う。
油屋、意気消沈し、若い頃に勘当された自らのヤクザな身の上話で、 茶金を口説く…
 
そこは通人の茶金…二両で自分を宣伝してもらったようなものと… 茶碗を油屋から更に一両足して、三両で買い取ることにし、この金を持って、 ふた親に孝行するよう諭した。
この話が噂になって伝わり、時の関白・鷹司公に、
「清水の 音羽の滝の 音してや 茶碗もひびに もりの下露」
と歌が詠まれた。
 
更には、帝の耳にも入り、帝・直筆の「はてな」の箱書きが加わった。
こうして立派肩書きが付いた茶碗… 噂が鴻池家の耳に入り、とうとう千両の値がついて売しまった。茶金は油屋を呼び出し、千両の半分、五百両を渡した。
 
小踊りせんばかりの油屋…後日、再び茶金を訪れ、 「十万八千両の大儲け!」と叫んだ。茶金が問い質すと…
「今度は…水の漏る不思議な水瓶を見せにきました」
 

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