■中東キリスト教徒受難 (1/5読売新聞)
「中東キリスト教徒受難・・テロ多発 保護求める声・・
イスラム過激思想拡大か」
の大見出しで、1月5日の読売に以下の記事が載った。
・2010年10月 イラク
バクダッドキリスト教会襲撃で52人死亡
・2010年12月24日 ナイジェリア
連続爆弾テロで80人死亡。武装集団が牧師ら6人殺害
・2011年1月1日 エジプト
アレクサンドリアの自爆テロでキリスト教徒23人死亡
この数ヶ月の間に、160人近いキリスト教徒が殺害され、
欧米から懸念
の声が強まっている。
長い歴史共存してきたイスラムとキリスト教徒。
イラク戦争以降、反欧米・反キリスト教感情が高まり、
教徒襲撃事件が
急増…
イラク戦争を、キリスト教徒のイスラム世界への侵略とみなし、
国際テロ
組織アル・カイーダは、
「あらゆるキリスト教徒がジハード(聖戦)の標的」
と、キリスト教徒を徹底排除しようとする風潮が高まってきている。
836 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
~歴史から学ぶ~
「テロの温床を育てた米・ソ」
1月24日、モスクワ郊外の国際空港・到着ターミナルで、自爆テロが発生。
居合わせた35人が犠牲になり、約180人負傷とのニュースが飛び込んできた…
ロシアからの独立を叫ぶ、イスラム武装勢力の犯行とか…
中東や北アフリカでは、毎日のように自爆テロが発生…
痛ましい犠牲者があとを絶たない。
やられたらやり返す報復合戦…まさに仁義なき
「無差別テロ」
である。 テロを無くすためには、「先進国と低開発国の貧富の差を無くすことが第一」 と言う評論家がいるが、
そんな単純な問題ではなさそうです…
テロのルーツを探っていくと、1980年初頭、
ソ連のアフガン侵攻を阻止すべく、
米国CIAがパキスタンと組んで、世界に「アフガン・
ジハード」を呼びかけ、イスラム戦士約2万人にテロの訓練を施して、ソ連軍へのテロを断行させたことが発端…。
更に、1980年から9年間、米国はイラクを使って、
ホメイニ革命で反米に転じたイランに攻め入り、イラン・イラク戦争を操り、イランを抑制している。
当時、後にイラク進攻を指揮したラムズフェルド国務長官は、レーガン政権の特使として、サダム・フセインと笑顔で握手している。
イラン抑制目的を達成した米国…今度は、
米国に歯向かうようになったイラクに進攻し、仕留めた。
覇権国家アメリカの強引なやり口と、母国サウジアラビアを操るアメリカの身勝手さに怒った、
オサマ・
ビン・ラディン。
アフガンで、米国CIAに訓練を受けたイスラム戦士の一部を率いて、アルカイダを結成。
一挙に反米に転じ、「9/11」を引き起こした。
「アメリカン・ジハード」…イスラムの国に反米思想が高まった原因は、
大国の身勝手な利益誘導と、米ソ冷戦から生まれた「代理戦争」にあった。
米国とソ連は、第三世界諸国を戦場とし、
紛争国に武器を持たせて戦わせ、覇権を争ってきた。
アジア、アフリカ、中南米など、おびただしい国で代理戦争が戦われてきたのです。
直接戦場にならない、欧米や日本のような先進諸国では「冷戦」
だが、代理戦争をやらされた、
これら第三諸国の国民は、貧困と飢えに苦しみ、同朋・家族が殺され、長い戦い後に、荒廃した国土と憎しみだけが残った。
武器を与えられ、米ソが編み出した残忍極まるテロの手口は、
代理諸国の兵士たちに伝授され、
テロの温床を育てていった。元はといえば、米ソがこうしたテロ集団を作りあげたのであって、
天に向ってツバを吐く結果になったのです。
私たちはマスコミの報道から、イスラムの原理主義者を悪者のように思っているが、
キリスト教にも狂信的原理主義者はいる。
原理主義者=テロリスト集団ではない。
米国の力ずくのアフガン、イラク政策は、イスラム教徒の屈辱感を増すばかり。
パレスチナ紛争でも、米国は和平仲介と言いながら、
イスラエル寄りを改めようとしない。
一方、ヨーロッパ諸国には、アフリカ・
イスラム諸国からの移民が、
国の底辺に取り残され、
苦しんでいる。
誇り高いイスラムの若者たち…絶望感から反米、
反ユダヤに陥り、
テロという”聖なる戦い” に手を染めるのです。
読売新聞記事から