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落語・初天神

あけましておめでとうございます
今年もお付き合い、よろしくお願いします
 
■落語家の「駄じゃれ」
 
・ある朝、米朝が楽屋で高座着に着がえているとき、どうしたわけか、
 何度やり直しても長じゅばんがハミ出すのを見て…
    「じゅばん長いが見せたいな…」と、誰かが節を付けて歌った。
 →「♪自慢じゃないが~ 見せたいなァ~」 
 
・米朝が盲腸で入院したとき、中村扇雀が一句口ずさんだ…
   「ベィチョウめ~ ベィチョウめモウチョウ(米朝め盲腸)」
 →「♪ベッサメ~ ベサメムウチョ~」
 
・上方落語で人気があった、今は亡き三遊亭百生が、
 お得意の『天王寺参り』のなかでの会話…
    「これが天王寺の石の鳥居や」 「りっぱな鳥居でやんなァ」
    「りっぱな鳥居やろ、これは日本三鳥居というねや」
    「あァほんなら、ここの坊んさん、ウイスキー造ってんのんか? 
                         日本サントリーちゅうて…」
 
 
828  「吉村外喜雄のなんだかんだ」 
~ことば遊び~ 「落語・初天神」
 
縁起のよい噺として、毎年正月の寄席で演じられる「初天神」…縁日を舞台に、ほのぼのとした父親と息子の会話が繰り広げられる。
 
♪男が天満宮に参拝に出かけようとした。
すると女房、息子の金坊も連れていけと言う。
男は、息子は「物を買ってくれと、うるさくせがむから…」と渋っていたら、折悪しく息子が帰ってきた。
 
連れてってほしいと懇願する息子をつっぱねると、
ヘソを曲げた息子…お隣の家に行き
「あのね…昨日の晩、うちのお父っつあんとおっ母さん、何してたと思う?」
そんなこと、外で喋られてはたまらないと、大慌てで息子を連れ戻し、 初天神に連れて行くことに…
 
天満宮への道を歩きながら、父は息子に『買い物をねだるなよ!』と念を押す。
「うん、金坊いい子にしているよ…いい子にしているから、何か買って…」
『ほら始まった…今日は買わない約束だろ』
 
それでも息子がしつこくねだるので、口塞ぎに、止むを得ず飴玉を買い与える。
飴がなくなると、またグズりだす息子…今度はどうしても凧が欲しいらしい。
『何でこんなところに店を出していやがる』
と、凧屋の親父にカラミながら、 渋々凧を買い与えた。
 
『さあ…これを持って走るんだ…それっ! アッだめだよ…人にぶつかるよ』
子どもがやること…凧が思うように揚がらない。
しだいにイライラしてくる父親…
しまいには、子どもから凧を取り上げて、自分で走り出す始末。
 
『どうだ…揚がっただろ。もっと糸を出せ…ちゃんと父ちゃんに貸せ…ほら… こうやって糸を出して…どうだ…すごいだろう』
「うわあ…すごいよ…ずんずん揚がっていく」 
『そうだろう…もっと揚がるぞ』
 
「すごいすごい…ちょっと、父ちゃん…おいらにも糸を引かせてよ」
『だめだ…お前には無理…ほら…どうだ…こうすりゃ横にも動くんだ』
「うわあ…ねえ…ちょっと貸してよ」 
『だめだ…子どもは引っ込んでろ!』
 
「ちょっと貸してよ…ねェねェ」 
『うるせえ…黙ってないとひっぱたくぞ!』
「なんだよ…こんなんなら…お父ちゃんなんか…連れてくるんじゃなかった」
 

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