■「メタボリック症候群」の診断基準
ウエスト 男性85センチ以上、女性90センチ以上で…
(1) 血清脂質異常
・トリグリセリド値 150ミリグラム以上
・又は、HDLコレステロール値 40ミリグラム未満
(2)高血圧
・最高血圧130以上 又は 最低血圧85以上
(3)高血糖
・空腹時血糖値 110ミリグラム以上
上記3項目のうち2つ以上該当すると、「メタボリック症候群」と診断
されます。
メタボの人は、健康な人に比べ、狭心症や心筋梗塞になる比率が、
何と10倍以上高くなるとされています。
健康診断での数値が軽度だからといって、安心するのは禁物です。
金沢循環器病院 名村正伸院長
824 【心と体の健康情報】
~食と健康~ 「心筋梗塞と狭心症」
突然死の6割を占める心臓発作。西田敏行さんは
「急性心筋梗塞」で倒れ、舟木一夫さんは
「狭心症」で入院した…幸い二人とも完治し、現役復帰している。
私の身近にも、ある日突然症状が出て、
入院しした人が三人いる…一人はバイバス手術をして健康をとり戻し、
一人は手当ての甲斐なく亡くなった。
心筋梗塞は、突然胸部が締めつけられるような激痛に襲われる。動脈硬化による血管の内膜がはがれ、
血流を遮断してしまう症状です…20分放置すると心筋細胞が壊死し、死に至るので、一刻を争うのです。
速やかに冠動脈を再開通させる治療を行うが、「不正脈」や「心不全」
などの合併症がなければ、2~3週間で退院することができます。
心臓病で、心筋梗塞と似た病に、狭心症があります。
「心筋梗塞」と「狭心症」
の大きな違いは…「心筋梗塞」は心臓を動かし、ポンプの役割をしている筋細胞「心筋」
へ、
酸素や栄養を送っている「冠動脈」
が詰まってしまい、
心筋が”壊死”
の状態になることをいいます。
一方「狭心症」は、はがれた内膜が、血液の流れを悪くする症状です…
冠動脈から送り込まれる酸素が不足する状態は一時的で、
心筋は死なずに回復します。
「冠動脈」が詰まる原因は「動脈硬化」です。
冠動脈の内部がコレステロールやカルシウムなどで、血液の供給が減ったり、
通り道がふさがれてしまうことにより、
発症します。
「動脈硬化」は、加齢とともに徐々に進行しますが、高血糖症糖尿病、
高脂血症、肥満、喫煙など、生活習慣病がからむ人は、悪化の速度が早まります。
不健康な生活習慣が原因で引き起こされるのです。
狭心症と心筋梗塞は、発作の出方や、
対応の仕方が違います。
■発作の誘引
・狭心症
(1)階段を上り下りした時や、興奮したときに起こるタイプ
(2)安静時や睡眠時に起こるタイプ
・心筋梗塞…とくになし
■症状の出方
・狭心症 …締めつけられる痛み、圧迫される痛み
…不安感を伴う
・心筋梗塞…狭心症よりはるかに強い激痛
…死の恐怖にとらわれる
■発作の長さ
・狭心症 …
2~5分
・ 心筋梗塞…30分~数時間。
数日間続くこともある。
■発作後安静にすると…
・狭心症 …治る ・ 心筋梗塞…
治らない
■ニトログリセリンを使うと…
・狭心症 …
治る ・
心筋梗塞…効果なし
金沢循環器病院 名村正伸院長