■「いただきます。ごちそうさま」
ある民放TVで、
「日本人の生活習慣で、素晴らしいと感じることは何でしょうか?」
と、在留外国人に尋ねるシーンがあった。
返ってきた答の中に…
『日本人は、食事の前に「いただきます」、食事を終えた時
「ごちそうさま」と言う…このような挨拶習慣がある日本は、
本当に素晴らしい』というのがあった。
キリスト教国では、食事の前に神様にお祈りをするが、
感謝を込めた、このような食前食後の挨拶ことばは、
世界の多くの国では存在しないという…
810 【心と体の健康情報】
「五観の偈」
10月23日、輪島市門前・總持寺へ、
座禅仲間15名と貸切バスで訪れた。
總持寺は1321年に開山し、永平寺に並ぶ曹洞宗本山・修行寺とし栄え、全国に末寺1万6千余りを数えるに至った…歴史を忍ばせる、
由緒あるお寺です。
諸堂拝観の後、法堂で先祖供養のお勤めをして、般若心経を唱え、
座禅堂で座禅体験の後、法話を聴いて、
昼食を頂いた。
境内を巡る廊下に、2007年の能登半島地震の被災写真が並べられていた。
法堂(本堂)は復旧工事中で、工事シートに覆われ、土台をジャッキアップ中とのこと。
被災写真を見ると、僧堂の仏像が台座から転がり落ち、破損…落下した瓦が散乱し、
襖が外れて散らばっている。
ひび割れた祖院内の建物の壁は修復されて新しい。
M6.9…表参道沿いの民家が軒並み全半壊する中、
重心が高く筋交いの無い山門…
屋根が傾いただけで終わったのは奇跡…当時の木組み工法が、地震の揺れを吸収したのです。
食事の前に、作法に従って
「五観の偈」
を唱え、それから箸を取った。
「五観の偈」は、
食事を頂くことに感謝し、自らを反省し戒めるための、
五つの網目からなっている。
食事の後、箸をおみやげに頂いた…箸袋の裏には
「五観の偈」が印刷されていた。
「一には 功の多少を計り 彼(か)の来処を量(はか)る」
「お米一粒一粒にお百姓さんの労苦がこもっている。目の前の食事は、どれほど多くの人の手間がかかっているかを慮る」
「二には 己が徳行の全缺(ぜんけつ)を忖(はか)つて 供(く)に応ず」
「お寺での修行や、日々の行いが、この食事を頂くに値するかを考え、
益々精進することを心に、
出された食事をありがたく頂く」
「三には 心を防ぎ 過(とが)を離るるは 貧等(とんとう)を宗とす」
「迷いの心や、過ちの心を捨て去り、貧りの心、怒りの心、
道理をわきまえぬ心を起こさぬよう修行に励む…食事の場も同様である」
「四には 正に良薬を事とするは 形枯(ぎょうこ)
を療ぜんが為なり」
「この食事は、肉体の衰え、渇きをいやす良薬としていただくのであって、
美食を楽しむためのものではない」
「五には 成道(じょうどう)の為の故に 今此の食(じき)を受く」
「食事を頂くのは、あくまでも仏道を成就するため、
自らが目指す目標を達成するためにある」