■人間関係における意識のズレ
人間関係における意識の世界というものは、なかなか厄介です。
双方に”ズレ”が生じる。その”ズレ”が問題を複雑にし、トラブルに発展していく。
何か気に入らないことがあって、相手を怒らせたとき、自分はちょっと謝って、
そのことを直ぐに忘れてしまいます。ところが、相手はそう簡単に忘れたりしま
せん…いつまでも覚えているのです。
小額のお金を借りた人は、借りたことをうっかり忘れがちですが、貸した人は
何時までも忘れません。
自分が相手に親切にしたり、恩に着せたことは、いつまでも覚えています。
しかし、相手はそれを直ぐに忘れてしまいます。
講演テープや、書籍を借りた人は、返すことを忘れ、しまいには、誰から借
りたかも忘れてしまう…しかし貸した人は、いつまでも忘れません。
このように意識のズレから、人間関係がうまく行かなくなることが起きてくる。
本人は気づいていないだけに、始末が悪い。
人間関係に誤解が生じた時は、悩んだりせずに、率直に、率直に、相手の
誤解を解いていくようにしましょう。
736 【心と体の健康情報】
~幸せな人生~
「日本人と西欧人/文化・考え方の違い」
~幸せな人生~
「日本人と西欧人/文化・考え方の違い」
アメリカの交差点で、出会い頭に自動車事故を起こしたとき、
いち早く自分の正当性を主張し、相手の非を言及しなければ不利になる…
と聞いた。
とりあえず、「ごめんなさい」と謝ろうものなら、
事故の責任のすべてを背負い込むことになる。
♪イタリアに留学した日本女性。部屋代が節約できるということで、アメリカ人の留学生と共同で、部屋を借りた。二人は最初に話し合って、共同生活のルールを決めた…
「夜の門限は11時」と…。
しばらくして、アメリカ人の女性が、この門限を破るようになった。
たぶん、デートなのでしょう。午前様になることもある。
日本人は何も言わず、黙っていました。
ある日、今度は日本の女性が門限に30分ほど遅れました。
この時日本人は、アメリカ人から散々文句を言われました。
彼女は「ごめんなさい」と謝って、穏便に済ませました。
それから数日後、日本の女性は再び遅刻しました。するとアメリカ人は、「あなたのようなわがままな人とは、もう一緒に住めない!」と、すごい剣幕で日本人をなじるのです。
そこまで言われて、日本人は反撃しました。
「あなたはこれまで、何度も門限を破ったでしょう。
その時わたしは文句を言わず、じっと我慢していた。それなのに、自分のことは棚に上げて、私ばかり責めるなんて…ひどい」と。
びっくりしたのはアメリカ人でした。アメリカ人にすれば、
「あなたは私が遅刻をしても、ちっとも苦にしない人だと思っていた」と、言うのです。「苦にしていたなら、どうしてその時言わなかったの?そうしたら私も、気をつけたと思う…」
この話…どう思われるでしょうか?
日本とアメリカの文化・習慣の違いを、象徴する話ではないでしょうか。
どうやらこの問題、アメリカ人のほうに分がありそうです。
私たち日本人は、事を荒立てないよう、気配りします。
相手がルール違反をしたからと、
一々目くじらを立てたりせず、黙って許してあげる…そんな優しさを持っています。
でも、許したのであれば、後になって、その事を問題にしてはいけないのです。
ところが日本女性は、忘れてなどいません。
むしろ”貸し”を与えた気でいたのです。
何度も”貸し”を与えたのだから、自分の遅刻も許されて当然…と思ったのです。
アメリカ人にすれば、借りをつくった気はありません。
自分の遅刻に抗議してこなかったのだから、日本人はそれほど気にならず、許してくれたのだと思っています。
従ってアメリカ人には何も問題がないのです。
日本人は、遅刻した時抗議したら「ごめんなさい」って、自分の非を認めたではないか…なのに、同じことを繰り返したら、アメリカ人、怒って当たり前なのです。
ひろさちや 「般若心経・第42講」より