■長嶋茂雄をモデルに、ファッションにこだわる石川遼
ギャラリーの強い視線を意識して、自分のエネルギーに変えてしまう石川遼。
プロになって、見られる立場になった…「ファッションにこだわらなければ…」
と思った…日々変わるファッションは、プロへのこだわりが込められている。
ツアーには、道具と衣装の担当者が同行する。一つの大会に持ち歩く衣装は
10着…靴・帽子・ペルトなどを加え、大型スーツケース5コになる。
最終日に”赤”バージョンでプレーする姿は、よく知られている…
石川選手は、ファッションに細かくこだわる…衣装にこだわり、帽子・ベルト・
靴とのコーディネートにこだわる。
父親は、石川遼がまだ子どもの頃から、「プロの心得」を教えてきた。
モデルは長嶋茂雄…常にフアンを意識してプレーする長嶋…1つひとつの
仕草に、プロらしくあろうとこだわった長嶋…その長嶋さんをモデルにした。
729 【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「天才ゴルファー 石川遼」
史上最年少で賞金王に輝いた”石川遼”選手…
17歳でプロデビュー…2年目の昨シーズン、持ち味の
「攻めのゴルフ」で快進撃を続け、日本のゴルフ界に衝撃を与えた。大場面に全くものおじしない石川遼…すごい天才が現れたものです。
「ボギーを気にせずに、バーディを取りに行くゴルフを、
ず~っと意識してやってきました」
と石川遼…次々と繰り出されるスーパーショット…通算バーディ数は国内第一位。
急成長の原点は、昨シーズンの初っ端、アメリカでの苦い経験にあった。
あこがれのスーパースターとの戦い。
特に苦しめられたのは、子どもの頃からの夢の舞台…マスターズだった。
予選落ち…屈指の難コースを前に、力不足を思い知らされた。
ドライバーは互角に戦えた…が、グリーン周りで世界との差を思い知らされたのです。
加えて、どんな状況でも崩れない、
海外選手の精神力の強さを目の当りにした。
一打ごとに一喜一憂することなく、坦々と前を見てブレーする姿を見て、我慢できなかった自分の弱さを痛感した。
世界で味わった挫折を胸に…確信が持てるようになるまで…
1ヤード単位の打ち分けができるようになるまで…
練習に打ち込んだ。
長年培った技術に加えて、風やコースを読む力、更に4日間を戦い抜く…タフな精神力を鍛え挙げた。
どんなに厳しい日程でも、どんなに疲れていても、
毎日のトレーニングを欠かさなかった。
そして、頂点に上り詰めた…
18歳で賞金王になった。
26歳で賞金王になった尾崎将司の記録を、大巾に更新したのです。
■過去の賞金王…20代で獲得した選手はわずか3人
(尾崎将司26歳、片山晋呉27歳、中嶋常幸28歳)
30代半ばで獲得する選手がほとんど。
(伊澤利光33歳、
谷口徹・青木功34歳、尾崎直道35歳)
石川遼が、頂点を極める原動力となったのは「攻めのゴルフ」
どんな状況でも果敢にピンを狙う…
1ラウンドで9つのパーディを奪うなど、驚異的な爆発力を見せる。
今シーズン、1ラウンドで奪ったバーディ数の平均は4,4…
日本一だ。更に、
平均ストローク1位(昨年16位)、平均パット数1位(昨年3位)
すごい結果を残した。
攻めのゴルフを支えるのが、300ヤードを超えるドライバーショット…
パー5で、2打目265ヤードをグリーンに乗せるパワーが、攻めのゴルフを可能にしてきた。
しかしこのスタイルは大きなリスクを伴う…去年は、
ドライバーショットがコースを外れ、
ラフやバンカーでのミスも多く出て、思うような結果を出せなかった。
08年は予選落ちが9回…攻めのゴルフが空回りした。
今シーズンは、攻めのゴルフが確かな結果に結びついている。変わったのは、
フェアーウェイを外した後のショット…去年なら、
スコアを落とすきっかけになったが、今年は飛距離・方向ともにピッタシ…ここからバーディやパーにつなげるようになった。
たとえ、フェアウェィを外しても、攻めるゴルフを貫ける高い技術が、石川遼・
2年目の急成長を支えた。
プロデビューわずか2年でこの驚異…高い技術力だけでなく、
18歳とは思えない堂々たる立ち振る舞い…人間として、非の打ち所がない。
「嬉しい時も、悲しい時も、悔しい時も、大勢のギャラリーと一緒に分かち合う…
皆さんの応援のお陰で自分がある」 と、謙虚に語る石川遼。
「ギャラリーの皆さんに支えられているから、プレッシャーは感じない」
と言い切る。一番多くのギャラリが見つめる最終18番で、今シーズン・バーディ率34%の高い数字が、それを物語っている。
私達アマチュアは、無理に攻めたりせず、
フェアウェーをキープする確実なプレーで、
パーやバーディのチャンスをうかがう。
ミスのない”守り第一”のゴルフが求められるのです。
NHK「石川遼 18歳の衝撃」より