■「自己コントロール力」
人間の行動は、”本能と理性”によってコントロールされています。
ところが、把握しているはずの自分という人間が、往々にして制御不能に陥ってしまうことがあります。
ところが、把握しているはずの自分という人間が、往々にして制御不能に陥ってしまうことがあります。
頭では理解していても、
実際には思うように実行できないのです。
たとえば、”明るく、前向きに生きよう”と思っていても、
気持ちが沈んだままの、どうしようもない時があります。
あるいは、反省したにもかかわらず、
同じような失敗を繰り返してしまうことがあります。
こうした場合、「意志が弱い」とか「優柔不断だ」などと、
自分の性格や弱い部分を責めてしまいがちです。
それは、日常生活の乱れや習慣に起因していることが、
少なくありません。
ダラダラとした暮らし方をしていると、心のスイッチも、
体のキレも鈍くなってしまいます。
起床時間の見直しや、部屋の清掃など、小さなことでも気付いたことから生活環境を整えて、
心身ともに張りのある状態を維持できるよう、生活習慣を改めていくことです。
倫理研究所「職場の教養」
711 【心と体の健康情報】
~幸せな人生~ 「夜回り先生・世界は広い」
以下は、”夜回り先生”で知られる”水谷修”先生のコラムからの転載です。
この夏私は、素敵な二人の若者に出会いました。お盆の頃、
故郷の山形県南陽市へ、お墓参りに帰省した時のことです。
たわわに実ったブドウ畑に惹かれ、車を止めて眺めていると、
二人の若い男女が、息せき切って畑の奥から駆け下りてきました。
私の前に立って、「あっ、やっぱり本物だ…夜回り先生ですね」と、
声をかけてきました。
「ハイ」と答えると、握手攻めです。
私は、彼らと近くの土手に腰かけて、話をしました。
彼らは、本やテレビを通して、私のことを知っていました。
二人とも二十歳…愛知県出身の幼なじみでした。小学校・
中学・高校は同じで、彼は東京の大学に進学し、彼女は名古屋の専門学校に進学しました。
彼女は、小学六年の時に両親が離婚…生活は貧しく、
中学ではいじめを受けていました。
彼はいつも彼女の傍にいて、彼女の悩みを聞いて、
何もできない自分にいらいらしていたという。
そんな彼が東京の大学へ進学し、地元を離れる時に彼女にプレゼントしたのが、私の本でした。その後二人は、
いつか私に会いたいと思うようになったそうです。
今年の春、彼女から「死にたい」と、彼の携帯に何度もメールがあったそうです。
彼は考えた末…勝負に出ました。二人は、学校を一年間休学して、
旅に出たのです。当然親たちは大反対…お金もありません。
「5月から、長野から新潟、福島を回って、山形に来ました。
訪れた土地のJAで、人手を必要とする農家を紹介してもらい、
一月あまり住み込みで働かせてもらいながら、旅を続けました」
「いっぱい、いい出逢いがありました。でも何より…彼女がこんなに元気に…」
と彼。二人は泣いていました…私も泣きました。
彼女が、小さな声で言いました…「先生、世界は広いですね。
でも、ずっと私は、小さな自分の世界に閉じこもって、
外の世界を見ようともせず、過去と今の自分に縛られ、
苦しんでいました。
でも、こうやって沢山の人と出逢い、体がクタクタになるまで太陽の下で働いていると…自分は生きている…なんて自分は小さなことで悩み、苦しんでいたか…
だんだん分かってきたんです」
彼女の目は、力強く輝いてしました。私は「ありがとう」と、
一言ことばを返しました。
「悩める子どもたち…野に出よう、クタクタになるまで体を動かし、
汗をかこう…明日のために」