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メタボリック・シンドローム(2)

変化する日本人の食文化
 
日本人の食文化において”肉”は、 七世紀に天武天皇が肉食禁止令を出して以来、つい最近の四十数年前まで一千三百年の長きに渡って、家庭の食卓に乗る、 一般食べものではなかった。
 
その間の穀物主体の食生活が、日本人の腸の長さを、 北欧ゲルマン民族の倍の長さにし、エラが張った四角顔の、ずん胴短足の日本人スタイルを作っていったのです。
江戸時代には、 まれに薬として鹿や猪を食べることがあった。
明治になって文明開化が、 牛鍋を庶民が好んで食べるようになった。
 
農水省によれば、1960年当時一人当たりの肉の消費量は、年間5Kgだったが、食生活の洋風化に伴い、 2002年度には28Kgと、6倍近くになった。
一方、日本人の食生活に欠かせない魚の消費量…石川県漁業協同組合によれば、10年前の60%に落ち込み、 食卓から小鯛やイワシなど、小骨の多い魚が敬遠されるようになった。
 
 
703 【心と体の健康情報】
~食と健康~「メタボリック・シンドローム(2)」
 
心臓病や脳梗塞を引き起こす生活習慣病の原因に、肥満がある。
その肥満度をチェックするのが「メタボ検診」。 腹囲の基準値は男性85センチ、女性90センチ。この基準を超えると、 高血圧や高血糖など、生活習慣病を引き起こす危険要因が増えてくる。
 
日本肥満学界のデーターを基に、肥満基準が定められて2年になる。
ところが、この基準に”異論”を唱える研究報告が相次ぎ、 専門家の間で見直し論議が起っている。厚生労働省は今年、 「心臓病や脳梗塞の予防には、メタボ検診よりも、高血圧検診の方が重要である」と公表している。
 
研究班が約2万3千人の男女を、11年間追跡したところ、「高血圧を治療すれば、45~48%発症を減らせるのに対し、 メタボを解消しても、20%弱しか改善できかった」との結果を報告している。
肥満をモノサシにした現在の基準では、「やせていて血圧が高めの人」が、 正常の部類に入れられ、脳卒中や心筋梗塞への対応が、不十分になってしまうのです。
 
私の場合、血圧、血糖値すべて正常なのに、 腹囲は88センチと基準を3センチオーバーしている。
なぜ取り立てて腹囲を問題にするのか?  なんだか不健康と診断さたようで…納得がいかない。 逆に、血圧などに異常があっても、腹囲が基準以下で、指導の対象にならない人が、男性で約20%、女性で15%もいるのです。
 
85センチはダメだが、84センチならいいというわけでもないだろう…。
厚生労働省では、全国3万3千人について、「高血糖・高血圧・脂肪過多と腹囲」 関係を調査…結果、 男性84センチ以上、 女性81センチ以上になると、上記3項目で2項目以上の異常を併せ持つ割合が”3倍”高くなった。
女性の基準を90センチから80センチに改める必要がある…と進言している。
 
国の保険医療制度はパンク寸前…「生活習慣病にかかる医療費は10兆円」と、 厚生労働省は推計している。これは、医療費総額の3分の1に当たり、 政府は2015年をめどに、 25%は削減したいと、躍起になっている。
                                                                 読売新聞 「メタボ基準異論百出」より

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