■内臓脂肪を減らすには…
気付かないうちにお腹に内臓脂肪が付いて、ズボンのホックが止まらなくなった…内臓脂肪の特徴は、「付きやすくて、落ちやすい」
のです。
そこで、お勧めしたいのが「有酸素運動」…せっせと歩くことです。
近くは車に乗らず、自転車や歩きで…エレベーターに乗らず、階段を…
そして週に3回約30分、汗ばむくらい早足で歩くことです。
ウオーキングは場所を選ばない…準備はシューズを履くだけ。運動神経に関係なく、お金もいりません…やり続ける…ただそれだけです。
二ヶ月も続ければ、体重の減少はわずかでも、血糖・血圧・脂質など、体質の改善が期待できます。
並行して食習慣を改善します。腹八部にとどめ、その分よく噛み、ゆっくり食べる。間食は一切止める…夜8時以降は、
小腹が空いても我慢する。
”空腹の喜び”を知るようになったら本物です…お菓子を買い置きしないことも…。
ダイエットを始める時、「三ヶ月で5キロ痩せよう…」などと、大きく構えないことです。肥満の原因である食習慣を、
一年くらい掛けて、ゆっくり改善していくことです。悪しき食習慣を改めない限り、ダイエットの成功はありません。
701 【心と体の健康情報】
~食と健康~ 「メタボリック・シンドローム」
金沢大学大学院の小林淳二教授は、「肥満は病気と考えるべき」と…
厳しい。
昨年、メタボリックシンドロームに対応する、特定診療制度がスタートした。動脈硬化性疾患など、内臓脂肪症候群を早期に見つけ、生活習慣病の改善を図るのが目的です。
北陸中央病院で、人間ドックを受診した1、870人のデーターを分析したところ、
おなか回り、男性は89.8センチ、女性は82.3センチ以上になると、高血圧、
高脂血症、高血糖の合併症が高まる、という結果が得られている。
日本のメタボの基準は、おなか回り男性は85センチ、女性は90センチです。
女性は皮下脂肪が多いので、男性より5センチ大きい。 基準を1センチでも超えたら、 メタボと決め付けるのではなく、 あくまでも目安と考えるべきでしょう。
国内には、メタボリック症候群の患者は、予備軍を含めると2千万人になる。成人病を減らすには、「禁煙」を促進すること、そして
「メタボ症を減らす」ことが、国の医療負担の増加を抑える、
最大の決め手になります。
肥満は、「体重」を「身長×身長」で割った数値で表わされ、「25以上」
が肥満になります。「肥満=病気」とは、いちがいに言えませんが、指数25以上の場合、
健康障害を伴うケースが多くなる。こうした人には「肥満症」
と言う病名が付きます。
血糖、血圧、脂質…個々の数値はそれほど高くなくても、
それらが複合すると、動脈硬化につながっていく…。
中でも、内臓に脂肪がたまる「内臓型肥満」は、
内臓脂肪が体内に悪い物質を分泌し続けるため、脳卒中、心筋梗塞などの危険性が高まってくる。
「内臓脂肪は諸悪の根源」と言い切る小林教授。
内臓脂肪から出る有害物質は、血糖値を調節するホルモンの働きを阻害し、
血圧を上げ、血を固まりやすくします。
糖尿病、高血圧、心筋梗塞や脳卒中…それぞれ、
単独の病気として対応してきたこれらの病気…
すべて内臓脂肪が元凶だったのです。内臓脂肪を減らせば、これらの病気も遠のいていくのです。
金沢大学大学院教授・小林淳二「肥満は病気と考えるべき」より