■マージャンを囲んで人を観る
28歳、十年に及ぶ闘病生活から脱却し、健康に自信が持てるようになった私…某上場企業の子会社に就職した…人より十年遅い社会人スタートです。
その子会社に、本社の取締役が社長として赴任してきた。
単身赴任の社長…時折、社員を寮に招き入れ、酒を酌み交わし、
マージャンに興じた。後になって知ったことだが…真の目的は”人間観察”にあった。
招かれた社員…酒を飲み、卓を囲むうち、いくら表面を繕っても、人格が表われてくる。社長は、何食わぬ顔で社員を観察し、人材登用に役立てていたのです。
赴任5年、北陸業界NO1の企業に育てあげ…一千人規模の、関連子会社の社長に栄転していった。親分肌で、偉ぶる素振りを見せたことがなく、酒をこよなく愛した、今も敬愛する社長です。
近頃は、ゴルフだろう…社内コンペでは、マナーや気配りへの注意が肝要です…上司が見ています。当時私は、年に一度、全社員が集まる”新年宴会”や、社員旅行などで、自己アピールには絶好の機会…と、先頭に立って”かくし芸”
をやって見せたものです。
697 【心と体の健康情報】
~古典から学ぶ~
孔子の教え(23)「人間関係」
「子曰わく 君子は義に諭(さと)り 小人は利に諭る」
(里仁第四)
「先師が言われた。君子は義に敏感であるが、小人は利に敏感である」
以下、「理念と経営・伊与田 覚・論語の対話」からの抜粋です。
友人と交わる時、その友人を見て”義と利”…
どちらが先にピーンとくるか? ”義”
が先にくる友人は、
「これは、人の道に適っている…だから、
やらなければ」と考えるだろう…
ものごとを「善か悪か」で判断する友人である。
”利”が先にくる友人は、
「こいつは儲かりそうだから、やろう…」と、「損か得か」
でものごとを判断しがちです。
役人や学校の先生、お坊さんは、
利を諭る前に「義に諭る」ことが大切です。商人であれば、利に諭らなければ成功しないでしょう…しかし、ピーンときた時に、「待てよ…
」というブレーキがかからなければ、本当の商人とは言えません。
ブレーキがかからないと、
大きな損失・失敗を招くことになります。
幼少の頃に「人の道」、つまり”義”
に照らして、やって良い事と、やってはいけない事への判断を、しっかり教えておくことです。
そうしないと、
ブレーキの効かない車のように、ススッ~と行ってしまい、人生をミスってしまうことになります。
覚せい剤所持容疑で逮捕され、
世間を騒がせた女優”酒井法子”などは、その典型でしょう…。
社会人の交わりで大切なのは人間関係。先ず
「親子関係」「夫婦関係」、そして地域社会での
「上下関係」「長幼関係」
「朋友関係」…年上と年下の関係は特に大切です。
「嫁・姑関係」も、こじれると家庭が乱れます。
少子化の時代…
1人っ子家庭が多くなり、兄弟姉妹の交わりを知らない。
私は男4、女2人の6人兄弟の中で育った…
よく喧嘩をした…
兄弟の交わり中から「長幼の交わり・順序・気配り」を、自然と身に付けていくのです。
孫を幼稚園に送り迎えして思うのは、
年少組のクラス、年長組クラスに分けられていて、
日々の遊びの中で、「長幼関係・上下関係」を学習する機会がないまま、
大人になっていく。 小学校も中学校も同じです。
戦後教育で、誤まった平等思想・
個人主義が身についてしまい、「親もあるか!兄もあるか! 人間皆平等じゃないか…」となって、
親の言うことを聞かず、自分の利益や都合ばかりが優先される。
親が亡くなると、 財産分配で醜い争いを起こしたりする…。
人間関係・上下関係は、家庭の中で育むべきものです。
「夫婦関係」で大切なのは、
男性と女性が結ばれて、夫となり妻となるわけだから、夫としての道、
妻としての道をわきまえたうえで、家庭を築いていかなければなりません。
友人関係は「朋友に信あり」…
お互い嘘偽りがなく、言ったこと、約束したことは必ず守る。
真の友人の間には”信頼関係”がある…親しい友は、金銭の貸し借りに証文は不要、保証人もいらない…本当の友人とは、「仁・義・礼・
知・信」が通い合った仲なのです。