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江戸小噺・二題

ことば遊び「駄じゃれ」
 
落語には、酒飲みを扱ったものが沢山あります。「試し酒」は、大酒飲みが五升の酒を一気飲みする、すごく面白い落語です。 その中に出てくる駄洒落。
 
「相撲に負けて高下駄履けば カッタカッタと音がする」
「お酒のむ人花ならつぼみ 今日も咲け咲け(酒酒)あすも咲け(酒)」
これは畳語としても紹介しました。
 
・駄じゃれではないが、聞き違えたために大騒動になった話…
飛行機の中で、アメリカ人…思わぬ場所に友達が乗り合わせているのを見て、
ハァイ!ジャックと、友達の名前を呼んだ。
 
隣の席でうつらうつらしていた日本人…突然の大声にびっくり勘違いして…
ハイジャックだァ~と叫んで、 機内騒然となった…本当にあった話です。
 
 
686 【吉村外喜雄のなんだかんだ】 
~ことば遊び~  「江戸小噺・二題」
 
■夕立屋
「暑いねぇ、こういう暑い日には、 一雨ザーッと来てくれるとありがたいんだけど…」
夕立屋『え~夕立や夕立、え~夕立や夕立』
「なんだい、あの夕立屋ってのは、雨を降らそうってのかな。
面白い、呼んみよう…おお~い、夕立屋」
夕立屋『へい、毎度ありがとうございます』
 
「お前さん、夕立屋ってぇくらいだから、雨を降らせるのかい?」
夕立屋『へぇ、さようでございます』 
「「へぇ~、で、いくらなんだい」
夕立屋『へぇ、これはもうほんのおこころざし程度で結構でございます」
「そうかい、じゃさっそく、三百文ほど降らしてもらおうか」
夕立屋『へぃ、かしこまりました」
 
なんてんで、男はしばらく呪文を唱えておりましたが、 やがて雨がザーッと降ってまいりまして…
「おや、お陰で涼しくなったよ、だけど、こうして雨を自由に降らせたり、 止ませたり出来るなんて、お前さん、ただ者じゃないね」
 
夕立屋『はい、実は私は…空の上に住んでおります、龍でございます』
「なるほど、道理で不思議な術を知ってなさる。だけどね、 お前さん、夏暑いは、こうしてお前さんが、 雨を降らしていれば商売になるけれど、冬、 寒くなったら、商売はどうするんだい?」
 
夕立屋『へぇ、寒くなりましたら、倅の子龍(炬燵)をよこします』
 
おすわ
あるお代官の屋敷で、粗相をした女中の”おすわ”、 代官に切り捨てられまして、井戸へ投げ込まれてしまいまして…
ところが、その次の日から、井戸のある庭先で、夜中になると、
ばたばたっという音、そして、 火の玉がボ~ッと障子に写りますと…すすり鳴くような声で、 「おすわど~ん…おすわど~ん」と声がする。
 
代官、すっかりおびえてしまいまして、屈強な浪人者を雇いますと、 この幽霊退治を命じました。
浪人者が、庭に面する部屋の中で、こう待っておりますと…
夜中、ばたばたという音がしたかと思うと、 障子に火の灯りがボーッと写りまして、「おすわど~ん… おすわど~ん」
 
浪人が、「おのれ…おすわ…迷ったか」と、障子を開けてみますと、 夜泣きソバ屋が、渋うちわで、ばたばた火を起こしながら、
「おそばうど~ん…おそばうど~ん」

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