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捨てるの…ちょっと待って(2)

■賞味期限間近のサプリメント

消費者の「鮮度信仰」を背景に、流通市場の「日付管理」に対する目は厳しくなる一方です。
我が社では、黒酢や冬虫夏草、ローヤルゼリー、ビタミン剤など、約40種類のサプリメントを販売しています。
何れも、賞味期限が残り3か月になったら、売り場から撤去しています。
期限切れ間近の商品を、うっかり販売してしまうのを防ぐためです。

東京では、食品の値上りが相次いだ昨年末から、賞味期限の近づいた商品を、アウトレットの割安価格で、 インターネットや業務用に販売する業者が急増している。
賞味期限間近の商品…「通常の半値以下」という魅力に引かれ、消費者や飲食業に人気があるのです。


【吉村外喜雄のなんだかんだ - 666】
「捨てるの…ちょっと待って
(2)」

食品を購入する時、「賞味期限」や「産地ブラント」に無関心という人は、いないだろう。
消費者を裏切れば、「赤福」や、中国ウナギを国産と偽った「魚秀」のように、営業停止に追い込まれ、企業の屋台骨を揺るがすことになる。

広島銘菓「もみじ饅頭」の老舗・にしき堂…朝作られた饅頭が、その日に観光地の売店に並ぶ。もみじ饅頭…作ってから20日間は、 食べても大丈夫だという。
にしき堂では、賞味期限を"8日間"と定め、店頭では3日を過ぎると、特売に回し、半値で売ってしまう。
一番おいしく食べられるのは、生地とアンがなじむ3~4日目…饅頭は、4日を過ぎると、美味しさのピークを過ぎる。 消費者に新鮮なものを提供し、店の暖簾を守るのが、老舗の条件なのです。

茨城県で「干し芋」を加工販売しているM社…干し芋の賞味期限を偽装したとして、県から改善指導を受けた。「品質は問題がない…」 と、期限が来て返品された、干し芋の賞味期限を書き換えたのだが…製造業者に罪の意識はないだろう…。

私の子どもの頃、干し芋は家庭のおやつだった。
長期保存がきく保存食品で、かきもち同様、陰干しにして保存…干してしばらくすると、白い粉が吹いてくる。粉は糖の一種で、 美味しさを増す働きをする。

昔は、干し芋や味噌は自家製だった。
家庭で造る味噌は、防腐剤が入らない天然醸造。
しばらくすると、表面が白いカビ状のもので覆われる。
今だと、「カビが生えた…気持ち悪い…食べられない」と苦情が出て、返品されるだろう。
干し芋も同様…粉をふいた干し芋を見て、カビと勘違いして、捨ててしまう消費者がいるという。正月のお餅にカビが生えるのは、 安全な食品の証拠…もし、いつまでもピカピカだったら、カビも生えない、毒入りの危険なお餅、ということになる…。

レストランで食事をして、食べ残すことがある。
米国に本社があるステーキチェーンの六本木店…全店で、食べ残した客に「持ち帰り」を勧める運動を展開している。店から渡された、 お持ち帰り専用容器には、早く食べていただくための「日付シール」が張られている。

お隣の福井県でも、昨年「おいしいふくい食べきり運動」と銘打って、地域ぐるみのキャンペーンが展開された。
「量が多ければご相談ください。小盛りも注文できます」
福井県の飲食店…最近メニューに、上記のようなメッセージを添えたお店が急増している。470店のお店が登録していて、 この運動に参加しているのです。
運動に協力している某ホテルの宴会場には、"持ち帰り容器"が置いてある。

日本の食品の廃棄量は、家庭からのものを含め、約1900万トン…減る気配を見せない。
自給率39%の日本…消費者の賞味期限へのこだわりを変えない限り、廃棄量を抑制することは無理だろう。

食用油、マヨネーズは昨年7月から…物価の優等生"タマゴ"も値上げされた。
石油燃料に次いで、食糧品価格が高騰する中、食べきれないほど料理を並べ、食い散らかす飽食文化の日本…そろそろ、 見直す時に来ているようです。

読売新聞「食ショック」より

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