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捨てるの…ちょっと待って

森 信三 「修身教授録」 Ⅱ第10講「賞味三十年」からの抜粋です。

 

人生の賞味期間は、三十年くらいのものです。その大切な歳月を充実して生きたなら、満足して死ねます。

「朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり」

よく知られる孔子のことばです。人生の真の意義は、時間の長さにはなく、いかに生きたかという、 その深さにあるということです。

 

人によって長短はあるにせよ、一人の人間が世の中のお役に立ち、持てる真価を発揮するのは、 二十代半ばから五十台半ばの三十年間でしょう。
ですから、人生の賞味期限を長くすれば、それだけ世の中へのお役立ち期間も長くなるということです。

平均寿命の短い昔は、元服15歳はもう一人前…大人の仲間入りをした。
現代は平均寿命が大幅に伸び、人生の「賞味期限」も倍くらい長くなった。

人生、50歳を過ぎる頃から充実してくる。60を過ぎると、様々なしがらみから解放され、時間に追われることもなくなり、 好きなだけ仕事をして、空いた時間、今まで出来なかったことがやれるようになる…趣味に、旅行に、日々充実してくる。


【吉村外喜雄のなんだかんだ - 664】
「捨てるの…ちょっと待って」

冷蔵庫の「牛乳」…「賞味期限が過ぎているから…」と、捨てようとする妻。
「飲むから、捨てないで…」と、私。「お腹壊しても知らないから…」と、妻の声…。
妻は「賞味期限を過ぎた食品は口にしてはいけない」と、信じ込んでいるのです。

牛乳…臭いを嗅ぎ、泡立っていないか目で確認し、一口含んで、何でもなければ飲む…もったいない世代の私…何でもないのに、 賞味期限が来たからと、捨てる気にはならない。
賞味期限は、製造した会社が、お客様が美味しくいただく目安の期間として定めたもの。そのうえ多くの企業は、 賞味期限を実際の賞味可能日数より短めに設定している。
だからと、賞味期限を3週間も過ぎた「絹ごし豆腐」を食べる気にはならない。
捨てる前に、臭いをかぎ、大丈夫そうだったら、恐る恐る一口舌に乗せる…個人差があるにせよ、"五感"でおおむね判断できるのです。

違和感がなければ、捨てずに料理などに使えばよい…食品は、賞味期限よりも、保存状態が大事…状態が良ければ、 期限に囚われることなく、無駄なく消費できるのです。

今月下旬、長島温泉へ孫を連れ、家族で一泊旅行する。
ホテルは、夕食も朝食もバイキング形式…和食、洋食、寿司、果物、飲み物、ショートケーキ等々、種類は豊富。好きなものを、 好きなだけ取って食べる…。
若いカップルや家族連れに好評だ。前回宿泊した時、妻は、目の前で握ってくれるトロが美味しいと、三回も席を立っている…。

並べられている料理…無くなると直ぐ追加が出てくる。残った料理…どうするのだろう? 捨てるのはもったいない… 船場吉兆のように、前夜の残りを翌朝また出す?それは困ります。

帰ってから友人と、こんな会話をしていたら…友人曰く。
ビヤガーデンでアルバイトしていた時、客が食べ残した"枝豆"…実の残った枝豆をより分けて、出しなおす。 客が飲み残した生ビールを集めて、ジョッキを満たす。

その時、泡の出し方を習った…割り箸を突っ込んでかき回すと、きれいな泡ができる。泡を作るのは割り箸が一番…そして、 何食わぬ顔でお客様の所へ… こんな事例、珍しくはない…「そう、そう…」と私もうなずく。
私も飲食店でアルバイトをしていた時、似たような経験をしている…。

最近のニュースで…韓国の飲食店の七割が、お客が食べ残した残飯を、そ知らぬ顔で新しい客に出すという。 韓国政府が改善指導をしても、なかなか守られず、対応に苦慮しているという…気持ち悪くて、韓国へ行く気にはなりません。

昨年京大が、京都市内50世帯の家庭ゴミを調べたところ、手つかずの食品が大量に見つかった。包装されたままのパン、うどん、 豆腐…農水省の調査では、家庭生ゴミの約40%が食べ残し…その内6%が、手つかずの食品だった。

ホテルやコンビニ、外食企業からは、弁当や野菜などの売れ残り食品が、毎日大量に廃棄される。農水省の推計では、家庭や企業から、 十分食べられるのに廃棄される食品は、年間600万トン…実に食品総量の4分の1が捨てられる計算になる。
国連は近い将来、穀類、肉、魚類、野菜の価格が1.2~1.8倍になると警告している。
世界人口の増加、温暖化による穀倉地の干ばつ、水害、バイオ燃料への転化、投機などが原因で、食料品が国の戦略品になろうとしている…。

自給率わずか39%の日本は今、飽食に浸りきっている…
大量に食べ、惜しげもなく捨てる…何かが狂っている。
何れ"罰"があたって、北朝鮮のようにひもじい思いをして、餓死者が出る国になるかも…
戦中戦後の食糧難時代を知る、私のひとり言です…。

読売新聞・特集「食ショック」より

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