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落語・道具屋

■「ラ・フォル・ジュルネ」

連休の4日間、四国・柏島へスキューバーダイビングに出かける予定でしたが、黄砂で目を患い、やむなくキャンセル…。
その代わり5月3日、’09ラ・フォル・ジュルネ金沢音楽祭の指定席を求めて、県立音楽堂コンサートホールへ…。
モーツアルトの交響曲や歌劇の序曲、ミサ曲など、オーケストラ演奏を堪能した。
「ラ・フォル・ジュルネ金沢」は、昨年に続き、金沢では二回目の開催になる。
今年のテーマは「熱狂の日~モーツアルトと仲間たち~」
会場周辺は、県内外から音楽を楽しむ大勢の人たちで溢れた…。

1995年…「誰でもが楽しめるクラシックの音楽祭を作ろう」と、フランスのナント市で「ラ・フォル・ジュルネ」が誕生した。以後、 フランス国外に広がり、日本では、歴史と現代が融合した文化都市"金沢"が、東京に続いて、世界で五番目の開催都市になった。


【吉村外喜雄のなんだかんだ - 662】
~ことば遊び~  「落語・道具屋」

今日は、バカバカしいお笑いを一席…橘家圓蔵師匠(元・月の家圓鏡)の十八番「道具屋」。
落語の舞台は、江戸庶民が住む長屋。大家と店子が繰りなす…人のいい、少々間の抜けた熊さんや八っつあん、与太郎が、 ばかばかしい失敗を繰り返す…。
そのバカさかげんを語る圓蔵師匠の芸の深さが、大爆笑をさそうのです。

♪いい大人になっても、定職に就かない与太郎。
心配する叔父さんが、露天の道具屋をやらせようと、荷物を持たせる。

しかし、首がすぐ抜けるお雛様とか、ヒョロッとよろけると、ビリッと破れる"ヒョロビリのももひき"とか、 叔父さんが火事で拾ってきたのこぎりとか、本物の短刀そっくりの木刀とか、俗に「クズ」と呼ばれている、陳腐な代物ばかり。

まあ、それでも最初はこんなものだと、路上に店を出した。
「さあさあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。道具屋ができたよ…。
できたての道具屋、あったかい道具屋だ…ホカホカの道具屋だよ!」

まるで饅頭でも売っているような口調で、呼び込みをしていると、徐々に客が集まる。
『おい、そこにある"ノコ"を見せな』
「へ? ノコ? のこにあります?」
『くだらねえシャレを言うな、のこぎりだよ。むむ…、こりゃ少し甘いな』
「え~っ? 甘い? ちょっと貸してください…うわっ、こりゃ渋いよ!」
『バカ、味じゃないよ、刃の焼きが甘いんだよォ』
「あ、焼きのことですか。それなら甘くありませんよ。叔父さんが火事場で拾ったんだから」
『ひどいもん売るんじゃない、バカ!』

怒って帰る客。このような買わない客を、業界用語で"しょん便する"という。
そう教えられた与太郎は、もう二度と"小便"させないと、心に誓うが…

『おい、そのももひき見せてくれ。ほう…なかなかあったかそうだな…気に入ったよ、いくらだい?』
「値段を聞いているけど、買うのかしら…あのね、これは"小便"できないよ」
『え? だって前はちゃんと開いてるよ。小便なんか簡単にできそうだけどねえ」
「ほら、やっぱし小便しようとしてやがる。この野郎、絶対にさせないぞ!」

『そうなの? 小便もできないんじゃ仕方ないや。じゃ買わねえや、あばよ』
「オイ待て! 小便できないって言っているのに…」
「あっ違う! その小便ならできるよ! こりゃ小便違いだ…悔しいね」

次の客は短刀を見せろと言って、抜きにかかるが、なかなか抜けない。
与太郎にも手伝わせて、思い切り引っ張っているが…
『う~ん、よいしょ、なかなか抜けんな』
「う~ん、こらしょ、そりゃ抜けませんよ」
『う~ん、よいしょ、何でじゃ』
「う~ん、こらしょ、木刀ですから…」

『早く言わんか、この大バカもの! 手間どらせおって…ちゃんと抜けるやつはないのか』
「へぇ、お雛様の首が抜けます…」

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