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木鶏に似たり

■「双葉山」名言

○弟子を教育するとき
 「言って分かる奴は 言わないでも分かる、
 言わなきゃ分からん奴は 言っても分からん」

○連勝記録を絶たれ、外国へ旅している父に宛てた電報
 「イマダモッテケイタリエズ」 (我いまだに 木鶏足りえず)

[連勝記録・主な記録保持者]
 1位/双葉山 …69連勝、36連勝、32連勝、29連勝
 2位/谷  風 …63連勝、43連勝、35連勝
 3位/梅ケ谷 …58連勝、35連勝
 4位/太刀山 …56連勝、43連勝
 5位/千代の富士…53連勝
 6位/大  鵬 …45連勝、34連勝、34連勝、30連勝
 7位/雷  電 …44連勝、43連勝、43連勝、38連勝
  *
12位/小 錦 …39連勝
  *
16位/朝青龍 …35連勝、27連勝 


【心と体の健康情報 - 644】
~故事に学ぶ~ 「木鶏に似たり」

月刊誌「致知」の愛読者が、月1回集い・学ぶ会「木鶏クラブ」に、何度か出席したことがある。(全国に約100ヶ所の 「木鶏クラブ」があり、勉強会が行われている)「木鶏」という、日頃馴染みのないこの言葉は、 中国の古典"荘子"に納められている故事に由来し、「木鶏に似たり」とある。

パソコンで、"モッケイ、モクケイ、ボッケイ"と、漢字変換を試みたがダメで、"ボクケイ"と入力して、ようやく出てきた。
「木鶏に似たり」とは…「木彫りの鶏のように、物事に無心で臨むことで、万事に対処でき、困難に打ち克つ最良の方法になる」 という意味です。

♪昔、紀悄子という闘鶏を育てる名人がいた。
噂を聞きつけた王様…血統正しい鶏を名人に預けて、養わせた。
10日ほど経って、王様は尋ねた「どうだ、もう闘わせてもいいか?」
「いや、まだ"空威張り"して、闘争心があるからいけません」

もう10日して、「どうだ、もういいか?」と尋ねたが、依然として
「いや、まだです。ほかの闘鶏の声や姿を見ただけで"いきり立つ"からダメです」
さらに10経っても、
「まだいけません。まだ目を吊り上げて威張っているから…話になりません」
さらに10日経って、王様が尋ねると、
「もうそろそろでしょう…他に鳴くものありといえども、既に変ずる気配なし…
これを臨むに木鶏に似たり…その徳、全し」と答えた。

つまり、よその闘鶏が鳴いても、顔色一つ変えない…まるで、木彫りの鶏のようで、完全な闘鶏に仕上がっていたのです。
実際に闘わせてみると、ほかの闘鶏は、闘わずして逃げるではないか…。
褒められても、けなされても、態度は変わらず…泰然自若である。

荘子は、道に則した人物の陰喩として「木鶏の逸話」を描き、説いて聞かせた。
「道を極めた人物は、他人に惑わされることなく、ただ鎮座しているだけで、衆人の範となる」…と説いているのです。

※「荘子」
前369~286(推定)、中国戦国時代、宋国の思想家で、道教の始祖の1人といわれる。著書に『荘子(そうじ)』がある。

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