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今は使われなくなった、金沢ことば

■ソマリア自衛隊派遣

"義"を見て為さざるは"勇"無きなり」 (為政第二)
(そうすることが正義だと知りながら、見て見ぬ振りをして行わないのは、勇気がないからだ)

4~5日前、ラジオのニュース解説で、「ソマリア自衛隊派遣」の是非について、ソマリアで海上自衛隊の護衛艦が、 日本の船舶を護衛することに絡む諸問題を解説していた。

現行法では、「日本船籍の船」と「日本人が乗船している船」に限られ、武器の使用・警告・正当防衛・緊急避難など、 使用と護衛範囲は極めて限られている。
接近したり、逃走する海賊船を射撃したり、強制停船させて捕獲することは出来ず、
不審船の臨検も、立ち入り検査も認められていない。

解説者曰く…外国の船が海賊に襲われているのを、何もせずにただ見ていられるか?
「義を見て為さざるは勇なきなり」と、孔子の言葉を引用して、正義のために、
何があろうと救助するのが人の道であろう…と。


【吉村外喜雄のなんだかんだ - 639】
~かなざわなまり(3)~
「今は使われなくなった、金沢ことば」

「キンカンなまなま」「ゴボる」 「タルキ」「アシタ」「ゴッポ」 「コシキダ」

56豪雪以降、しだいに雪が降らなくなった北陸。
今年も、気象台観測3番目の暖い日が続いて、ネコヤナギも膨らみ、春の気配が感じられるようになりました。
で、今はもう使われなくなった、"冬"のかなざわことばを取り上げてみます。

金沢の方言が話題になった時、「キンカンなまなまってどんな意味?」って聞くことがあります。 「栗きんとん?生菓子?」「生のきんかん?」などと、正しい答えが返ってきません。
冬、路面がツルン・ツルンに凍って、キンキン・ナマナマの状態になったことを言います。
実にリアルに状況を言い当てています。
金沢でも、旧市街の人のみが知る言葉で、数キロ離れた津幡や野々市町では、知らない人が多いのです。

「ごぼるさかいに気をつけまっし!タルキにも気をつけにゃ」・・・この意味は?
ゴボる」は、積もった柔らかい雪に、 足がズブズブと埋まっていく様を言い、
タルキ」は「つらら」のことを言います。
子供の頃、このタルキを折って、口の中をうるおしたものです。

近年になって、フッと気付いたことですが、昔は、冬になれば、長くて太いタルキが、あちこち普通に見られました。今は、 温暖化の影響でしょう…見ることがありません。

私が中学生の頃、「アシタ(高下駄)」を履いて学校へ行っていました。
高下駄の歯が磨り減ると、近所の下駄屋さんで、新しい歯に入れ替えてもらったものです。

冬も、学校へアシタを履いて行きました。雪道を歩くと、前歯と後歯の間に雪が詰まって歩けなくなる…当時、それを 「ゴッポが詰まった」と言いました。
このゴッポを取る石が、路端に埋め込んであって、下駄を蹴って、カンカンと石にぶつけて取るのです。その石…今でも、 野町の"広見"や尾張町に残っています。

冬、雪をすかす「コシキダ」が各家庭にありました。五十代以上の年配者なら、 誰でも知っています。先端が羽子板のような形をした、木製のスコップのことです。
これ、今はない…この「コシキダ」、屋根の雪おろしに使われました。
金属製のスコップだと、瓦を傷つけてしまいます。雪がこびり付かないから重宝しました。

豆腐に包丁を入れるように、コシキダを雪の中にスパッと入れて切れ目を作り、雪の下にコシキダを差し入れて持ち上げます。 すくい上げた雪のかたまり…コシキダの上を滑らせ、前方へ投げ、遠くへ飛ばすのです。

今は、使われることが無くなった、みょうに郷愁を誘う「冬のかなざわことば」です。

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