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風邪と抗生物質と国際テロ

■インフルエンザの種類と特徴

[A型] 危険性はとても高く、毎年流行する。時に爆発的に大流行する。
     ロシア型、香港型のほか、人への感染が懸念される鳥インフルエンザもA型。
[B型] 危険性は高い。A型に比べ流行の規模は小さく、ワクチンが効く。
[C型] 危険性は低い。症状は軽く、ワクチンが効く。

1月になって、寒い日が続いたせいか、例年より早くインフルエンザが流行っている。
県内の流行のピークは、1月末から2月初めになるという。
一昨日、孫が香港A型にかかり、保育所を休んだ。また、取引先のK夫婦、二人揃ってダウン…ご主人は39度の高熱で、奥さんの手に負えず、 救急車を呼んだ。

今年のインフルエンザ、ロシア型に感染すると、タミフルも予防注射も効かないという…ならば、風邪を引かないようにするしかない。
人ごみを避ける、外出時にマスクをする、手を洗う、うがいをする。


【心と体の健康情報 - 636】
「風邪と抗生物質と国際テロ」

たいした風邪でもないのに、抗生物質を安易に処方する日本。
風邪を引いて、町医者に行くと、無理やり解熱剤で熱を下げようとする…
そこで渡されるのが抗生物質。
診察室を出る時、先生「3日分入れておきます…治ったからと、途中で飲むのを止めないで下さい…中途半端に止めると、 菌に耐性が出来ます」と、注意を促す。

以下、(株)山田養蜂場/代表・山田英生氏「緑が地球を救う」から…

抗生物質を飲むと、確かに治りが早い…。
ドイツに旅行した時、扁桃腺が腫れたので、薬局で抗生物質を買おうとしたら、「医師の処方箋がないとだめ」と、 売ってくれませんでした。

病院に行って「処方箋を書いてほしい」と頼んだら、老医師は…
「この程度で抗生物質は出せない。レモンでも絞って飲み、一晩ぐっすり寝れば、直ぐ治る」…その通りしたら、 翌朝熱が下がっていた。

無理に熱を下げ、体内に閉じ込めると、逆に風邪が長引き、完治を遅らせてしまう。人体のメカニズムは、発熱し、 熱を外へ逃がすことで免疫力が活性化し、ウイルスを排除しようとする。

抗生物質は、菌をやっつけるために開発された…ところが、抗生物質に負けない菌が出現する…今度は、 その菌を上回る強い抗生物質を開発する…菌と医学のイタチごっこが繰り返されてきたのです。

菌も生命体である以上、生存のために進化していくのは、当然の法則。
今、院内感染が社会問題になっている…医学会では、何れ、どんな抗生物質も効かない耐性菌が現れて、 人類を存亡の危機に陥るかもしれないことを、恐れている。

であれば、菌にプレッシャーを与えず、菌と上手に"共存"できる、健康な身体をつくりあげていくことが、 大事になってくる。
そのためには、病気に負けない身体、つまり「免疫力」を高めていかなければなりません。健康な時に、 病気にならない身体をつくっておくのです。
病気を"予防"することに重きを置く…病気に対する考え方を改めなければならないのです。

「風邪に利く薬はない…卵酒でも呑んで寝なさい…今晩熱が出ますよ」
近所に、こんなことを言う町医者がいる…が、待合室に人はいない。

風邪を引いたら、熱や咳きが出たら…薬で症状を治そうとする。
「仕事に差し障りが出る、寝込むわけにはいかない」と、強い抗生物質の処方を病院に求める患者。そんな考え方を改めない限り、 問題は解決しないだろう。
医者だけの問題ではないのです。

話は横道に反れるが、1月15日、英国の外相が「ブッシュ政権の対テロ戦争は誤りだった」と、 公式の場で盟友アメリカを痛烈に批判した。
インドネシアやアフガニスタン、パレスチナなどに出没する"テロ"。
ブッシュ政権は、武力でもって押さえ込もうと、何度も軍隊を送り込んだ…
が、失敗に終わった。

それまで、各地バラバラに展開していた武装集団を、逆に結束させてしまった。
アルカイダのような強力な国際テロ集団を、作り出してしまったのです。
武力でもって相手を追い詰めれば、相手も必死…生存をかけて、死に物狂いで立ち向かってくる。政府軍の届かない所に潜伏して、 姿を隠してしまう。

地道な対話で、法に従い、貧困を改善するなど、相手が抱える問題に手を差し伸べて、問題の解決を図るべきだったのでは…。

毎冬猛威を振るうインフルエンザ…抗生物質で押さえ込もうとするが、一向に改善の兆しがない…それは、 先進諸国がテロ集団に手を焼いているのと、似てはいないだろうか。

薬で叩こうとせず、菌にプレッシャーを与えず、菌と人間社会が"共存"していく…。
そのために、人の免疫力を高めていくことに重きを置く…そんな考え方があってもいいのではないでしょうか。イソップ物語の、 北風より太陽です。

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’07年2月6日No.279~283「癒す心・治る力」をお読みください。
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