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江戸小噺

■ことば遊び 「わらべ・まじないことば」

 『くわばらくわばら  つるかめつるかめ
  夢になれ夢になれ  とっちゃすて とっちゃすて
  ちちんぷいぷい  ごようのおんたから
  モシャシャのシャモシャ  シャシャモ シャシャ
  モシャシャなければ  シャシャもシャもなし   』

<解 説>
・雷が鳴ったら、蚊帳を吊り、線香を焚いて「くわばらくわばら」と唱える。
・縁起の悪いことをしたり、言ったとき、「つるかめつるかめ」と唱える。
・災難を夢にとりなして、「夢になれ夢になれ」と唱えて、払い除ける。

・「とっちゃすて とっちゃすて」と三度唱えると、しもやけにならない。
・子どもが擦り傷などをこしらえたときに、「ちちんぷいぷい…」と唱える。
・糸かこんがらがったときに、「モシャシャの…」と唱えると、ほぐれてくる。


【吉村外喜雄のなんだかんだ - 619】
~ことば遊び~ 「江戸小噺」

落語は最後の"落ち"で…笑いを締めくくる。聴き手は"落ち"に込められた話芸に、りゅう飲を下げる。
"落ち"にはいろいろあって、ひねった表現の「考え落ち」、最後の一言でスッキリと決まる「途端落ち」、噺の途中に伏線が張ってある 「仕込み落ち」など、様々な手法があって、落語を楽しませてくれる。

一口小噺にも"落ち"がある。落語は噺が長くて、「ジョークのネタに…」ちょいと…なんていうわけにはいきませんが、小噺は、 覚えておけば、"かくし芸"になったりします…

■小噺-1
鼠が4匹ばかり、台所の梁(はり)の上を、つながって歩いております。
それを見た男、「おい、あの鼠を止めてみせようか!?」
『へえェ、そんなことができるのかい?』
「俺様の自慢は猫の声色(こわいろ)よ…ニャゴ、ニャゴ、ニャーゴー!」

鼠がピタッと止まって、こちらをうかがっている…。
「どうだい!? うめェもんだろう!」と、鼻高々な男。
それを見ていた鼠たち…
『親分、もう行きやしょうぜ! あんな下手くそな音色に、
 どうして立ち止まるンで…?』
「あれでも一所懸命やっているんだ。たまには聞いてやらなくちゃ、
 励みになるまい…」

■小噺-2
こちらは年頃の娘と、親父でございます。
真夜中に、表で犬がやかましく吠え立てております。
眼を覚ました親父が、隣に寝ている娘を起こしまして、
「おい、犬がバカに騒いでいる。何かあったんじゃないか…、
 お父っあん、腰が痛いんだ。お前、ちょっと起きて、外ォ見ておくれ…」

娘が、雨戸のすき間から見ますてェと、野犬の群れが乱交パーティーの真っ最中…。
「キャンキャン、キャイン」…鳴きながら、雄雌つながっております。
顔を赤らめた娘は、慌てて雨戸を閉めましたな…。
「どうだったい?」
『別に何でもないわ…』
「おいおい、こんなに犬が騒いでいるんだ。何でもないことはないだろう。
 よく見なくちゃいけませんよ…」

小言を言いながら起き上がった親父…
雨戸を開けて外を見るてェと、「え、へへん!」と咳払いを一つして、「なるほど、別に何でもないわいな…」

提供「風亭弥次郎」

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