■いい男の条件
少し前のNHKの朝の番組で、「いま気になる男は?」をテーマにした番組があり、20~60代の"女性"260名にアンケートをした。
プロ野球選手ではイチロー、松井、古田、新庄。サッカーでは中田。
俳優はキムタク。オリンピック選手では、水泳の北島康介などの名前が挙がっていた。
韓国俳優では、「冬ソナ/大王四神器」のぺ・ヨンジュンが変わらぬ人気。
さて、この中にダントツ1位がいます…誰でしょうか?
5人に1人が"イチロー"の名前を挙げた。
目的に向かって努力する姿、前向きに生きる姿がカッコいい。
「自分のやりたいことを遣り通す」「意志が強い」「仕事の出来る男」「セクシー」
「誠実」「強くたくましい」etc…
そなん条件をすべて満たすイチローに…女性は憧れるのです。
【吉村外喜雄のなんだかんだ - 605】
「重圧と戦うイチロー(4)」
日本球界とメジャーで、歴史に残る偉業を達成しながら尚、先を追及することが出来るだろうか? 球界で、
右に並ぶ者のいないイチロー…
しかし、いまだに"達成感"がないという。先が見えないから頑張れる…
目指す目標はイメージしているが、"お先真っ暗"だと言う。
もがき苦しんでいると…光が見えてくる…そのうちに光がさすだろう…。
何もしなければ、一生何も見えないだろう…。
自ら"重圧"に向き合う。その中から、新たなバッティングフォームを掴んでいく。既に身に付けている目に見える技術から、
更に目に見えない何かを…?
目に見えない部分が、今の自分には、かなり大きな部分を占めている。
その目に見えない部分に、目を向けるのが、これからの課題なのです…。
ホームランは、ここ!という時に、ねらったら打てる。それがイチローの中では、ちょっとした遊びになる。日々真剣勝負の中にも、
遊びの部分は大事だ!
この遊びの部分に目を向けることも、目に見えないものの一つだろう…。
2007年9月19日、イチローはこの日ついに打率首位に立った。
残り試合は11…翌日、4打数ノーヒット…トップを争うオルドニェスに首位を明け渡した。
その日の夜イチローは、応援に来た友人達に「首位打者を狙う」と断言した。
残り10試合…16本ヒットを打てば、間違いなく獲れるでしょう…その上を行かれたら…これはどうしようもない。
だから10試合で16本打つことへのプレッシャーを感じる。
「首位打者を獲る!」と言い切ることなど、これまで無かったイチロー。
自ら、重圧の中に飛び込もうとしていた…"弱い自分と決別する"ために…。
9月26日、残り5試合…首位打者争いは、近年まれに見るハイレベルの戦いへと突入した。イチローは5打数3安打の固め打ちで、
打率3割5分をキープ。
2001年以降、3割5分で首位打者を逃した例はない…。
しかし、オルドニェスはその上を行った…ヒットを量産して打率3割6分に上げた。
追い詰められたイチロー。絶望の中イチローは、最終試合になってもあきらめない"覚悟"があった。「自分の生活の一部を捧げて、
見に来てくれるお客さまを、背くことなんて出来ないですよね…だって、そういったフアンがいなかったら、僕らの存在価値…無いんだから…
」
最終戦、最低ヒット3本は欲しい…可能性に掛けた…結果は3打数1安打。
ついにオルドニェスは逃げ切った。イチローの戦いは終わった。守備についたイチローの目には、涙が浮かんでいた。
過去の自分を捨て、新たな境地に挑んだこの半年…イチローは何を掴んだのか? 全試合を終えて、掴みかかっていたものとは…
「それは、具体的技術ではない…と、僕は思う。自分が打席の中で感じている感覚…見えている景色…これは、
過去のものとは全く違ったものだと、僕は感じた。ようやくスタートが切れたな…という感じです」と、イチロー。
~つづく~