« 歴史から学ぶ「辞世の句」 | メイン | 歌は世につれ人生とともに »

苦悩体験が、人生に成功をもたらす

■成功者になる条件は「貧乏に生まれること」

貧乏が人を鍛え、偉人・英雄を創り上げていく。
キリストは叩き大工の子で、「貧しき者は幸いなり」と説いている。
孔子も生涯、貧乏暮らしで過ごした。
豊臣秀吉は水飲み百姓から、位人臣を極める関白にまで、昇り詰めている。
アメリカの富豪カーネギーは、「腕一本で巨万の富を作る必要な条件は、貧乏に生まれることである」と、自らの体験を語っている。

先週、倫理法人会で、長野県で裸一貫、事業に成功した社長さんの講演があった。
小学生の頃家が貧しく、お昼の弁当を持たせてもらえなかった。
同級生が昼食を終え、グラウンドに飛び出して来るまて、校庭で空腹をこらえていた…。

私の知る限り、幼少の頃、誰よりも貧しい暮らしを強いられたのは、作曲家の"遠藤実"であろう。
戦時中、東京から新潟に疎開。
浜辺の電気もない、ムシロを敷いただけの、すき間だらけの船小屋…真冬の北風が吹きすさぶ中、凍えた母子が寄り添い、屑拾いをして、 乞食同然の暮らしをしていた。

卒業の時母は、小学校で穿いていた半ズボンを二つつなぎ合わせ、息子の門出に穿かせている。その幼い頃の苦渋体験が、 作曲家になって後、心にしみる名曲を次々と生み出す、源になっている。


【心と体の健康情報 - 324】
~幸せな人生を歩むために~
「苦悩体験が、人生に成功をもたらす」

徳川家康。幼名は竹千代。
6歳の時、尾張の織田信秀の元へ送られ、人質として2年間過ごす。
それから人質交換で駿府へ移され、義元の下で少年期を過ごし、元服している。
秀吉が没した後、天下統一を為しえた家康。幼少の頃、人質で過ごしたことが、
よく気の回る、人心掌握に長けた家康を育んだのです。

以下、「白隠禅師・座禅和讃に学ぶ」からの抜粋です。
人は、他人の幸福を見ると、何か喜べない妬みの心が湧き、人の不幸を見ると、ひそかにほくそ笑む…そんなさもしい心が湧いてくる。
他人の悪い所は、口をきわめて非難し、他人の善い所はけなしたくなる… そんな、いやしい心も潜んでいる。

人生の苦しみは、「自己愛」から生まれてくる。自分のことが何よりも可愛い。
そうした狭い考えが、苦しみや悩みを生み出していく。
「生きることの執着」「名誉への執着」「人並みでありたい執着」から、苦悩が生まれてくる。

身の回りに生じる苦悩を、5つつ挙げてみると…
(1)癌の宣告を受けるなど、自分が死の宣告を受けたり、直面した時
(2)自分に最も身近な妻や夫、子どもが死を宣告されたり、直面した時
(3)倒産や風水害、人に騙されるなどして、生活が根底から破綻した時
(4)失恋、離婚に直面した時
(5)いじめに遭うなど、劣悪な人間関係に巻き込まれた時

何れも不眠症に陥り、苦悩は片時も頭から離れず、人生に失望する。
将来に希望が持てなくなり、苦しみから逃れるには死ぬしかないと、思い詰め るようになる…。
こんな時、静かに目を閉じて、自分の心と向き合うようにします。
自己を客観的に見つめることで、本当の自分が見えてくる…どうあるべきかが見えてくる。
禅寺で座禅をして、自己を問い直すのも、一つの解決方法でしょう。

死にたくなるほどの苦悩に遭遇した時こそ、己の本性に出遭える又とない機会になる。
苦悩を体験することなく、人生を終えるに越したことはない。が、己の真の姿を見い出せないまま、一生を終えることになる…。

月刊誌「理念と経営」に毎号連載される、「逆境!その時経営者は」を読んで、 苦悩の極みを経験した者にしか、手にし得ないものがあることを学ぶ…。

12月号は、倒産・一家離散に追い込まれた経営者が、見事再起した話です。
社長と労苦を共にした、専務の規子さんは、私と約1年間机を並べ、経営者のスキルアップ研修を受けた間柄…。
今回の掲載を読むまで、そのようなご苦労があったこと…まったく知りませんでした。
「実るほど、頭を垂れる稲穂かな」の、素敵な奥さんです。

ゲーテの言葉に、「涙とともにパンを食べた者でなければ、人生の味はわからない」というのがある。
"死ぬほどの苦労"を、自ら望んで体験したい…と思う者はいないだろう。
しかし、苦労した人間でなければ、人生の深さや真髄を味わえないだろう…。
苦労らしい苦労も知らず、歳を重ねただけの私には、分りえないことです。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.noevir-hk.co.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/935

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

ひとつ前の投稿は「歴史から学ぶ「辞世の句」」です。

次の投稿は「歌は世につれ人生とともに」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.36