■子どもの適正を見極める
「人生は片道切符だ。やりたいことをやったらいい…」
「課長・島耕作」でおなじみ、漫画家 弘兼憲史
(ひろかね けんし)氏。3年勤めた会社を辞めて、父親に報告した時に返ってきた言葉です。
幼稚園に上がる前から、毎日の出来事をクレヨンで絵を描くことが好きで、朝から晩まで描いていたという。
思えば、漫画家を志す、最初のきっかけだった気がする…。母親は教育熱心で、幼稚園の頃から、英語・ピアノ・習字・絵画を習わされた。だが、
「芸術系の科目は、結局モノにならなかった」と、苦笑する。
テストの結果など、目先の成果を追い求めるのではなく、長い目で見て、子どもにとって何が良いかを見極めることが大事です。
教える際も、あれもこれもと欲張って、スポーツや芸術、勉強など、子どもに何でもさせようとせず、
両親が得意とすることから教えていくようにする。
何歳になったら、よその子並みに、あれこれ教育を始めようと考えるより、何のために、どんな教育をするかに、視点を置くようにします。
【心と体の健康情報 - 316】
~子育て心理学~ 「三つ子の魂百まで」
人間を動物として見たとき、人間というのは実に変り種で、面白い動物です。
なぜなら、人間以外の動物には、教育は関係ないからです。
教育をしてもしなくても、猫はあくまで猫です。猫は自ら学問をして偉くなろうと思ったりはしません。
猫が教育によって人間になることはないのです。
ところが人間は、【心と体の健康情報-
315】で流したように、育ったった環境の影響で、狼になることも、オランウータンになることもできるのです。
このようなことが起こるのは人間だけです。高度に発達した"脳"が、周りの環境に影響されるのです。
いかに環境や教育が大切かがわかります。
0才児の脳の重さは325g~400g、生後六ヶ月で"倍"に成長します。
三才で825g~900g。六才になると、1100gくらいに成長します。
日本人の成人の脳の重さは、女性で1250gくらい、男性で1400gくらいです。
脳は、三才くらいまでに、驚くほど大きく成長していきます。
人間の体は、成長とともに筋肉も骨も、内臓も大きくなり、重さを増していきます。成長に合わせて細胞が増えているからです。
ところが、脳は違うのです。
人間の脳細胞は、生まれたときから約140億個で、以後その数に変化はないのです。
ではなぜ成長とともに脳が重くなっていくのかと言うと、脳は外部から刺激や情報を得るたびに、情報を伝達する触手(シナプス)
を伸ばして、回路を増やしていきます。その配線が重さになるのです。
ならば、脳が大きく重ければ頭がいいと思うと、それだけでは頭の良さにつながりません。取り込んだ様々な情報を結びつける回線が、
効果的に張りめぐらせない限り、頭の良さにつながらないのです。
だから「男性は女性より脳が重く大きいから、女性より頭が良く優れている」と思うのは大間違いです。
田舞徳太郎著「幸福の心理学・パーソナリティの形成」より
人からモノを習って、直ぐに覚え、身に付けてしまう人は、世間で言う"頭のいい人"です。
ところが私のように、何度繰り返してもなかなか覚えられず、"自分は頭が悪い"と思い込んでいる人も沢山いるのです。
そんな私も年の功…頭が悪ければ、その分、人の倍、三倍とやれば、必ず身に付くのです。要は、シナプスが大きく育つまで、 同じことを何度も繰り返えし学習すればいいのであって、頭が悪いからと、学びを諦めてしまう人間にならないことです。