■以下、7/1読売新聞社説から…
激しい与野党攻防の末、30日未明参議院本会議で、「社会保険庁改革法」や
「年金時効撤廃特例法」「公務員制度改革法」などが成立し、国会は事実上閉幕。
いよいよ参議院選に突入した。
参院で与党過半数割れの実現を目指す野党は、一貫して対決姿勢で臨んだ。
与党の強行姿勢を引き出し、ムード的に与党批判へと世論を導き、「強行採決」
「数の横暴」を国民に印象づける狙いが、成功したようです。
選挙を意識し、対決構図を描き出すことに腐心した野党。
財政の健全化、消費税率の引き上げ、北朝鮮問題などの重要課題が先送りされ、
国会議員が為すべき骨太の、建設的な"論戦"が置き去りにされてしまった。
本来、参院に期待されるのは、衆院への抑制、補完機能。
現実は「衆院のコピー」にすぎず、衆院での政党間対立が、そのまま参院に持ち込まれ、
政治的対立と混乱ばかりを、国民に印象づける結果になった。
参院選で、どの政党の誰に投票するのか?
本来は政策で選ばなければならないのに、信頼出来るか否か?
国政を任せらるか否か?
といった表面的なムードで、選挙戦が戦われそうです。
【心と体の健康情報 - 230】
~古典から学ぶ~
「孔子の教え(8) 論語読みの論語知らず」
「論語」は儒教の経典の一つですが、儒教と聞くと何か硬苦しく、古くさい印象を受けます。
『女子と小人は養い難し』
『民は由らしむべし、知らしむべからず』
論語のこの言葉、一般的に女性をべっ視した言葉、そして民衆を愚民視した言葉と解釈され、儒教は封建道徳であり、「論語」
も同様に見られがちです。
「論語読みの論語知らず」と言われるように、少々論語をかじったくらいでは、孔子が意図する意味など、とても理解できません。
『子曰く 唯(ただ)女子と小人とは養い難しと為す。
之を近づくれば則ち不孫なり。之を遠ざくれば則ち怨む』
意味…先師が言われた「ただ、教養のない女と男とは、扱いが難しい。
近づけるとなれて、無遠慮になり、遠ざけると怨むようになる 」 (陽貨十七)
この場合の「女子と小人」は、"ダメな女とダメな男"のことを言う。
「小人」は子供のことではない。
これに対比して"立派な男と女"を、論語では「君子と淑女」と言う。
男女を問わず、ダメな人たちには困ったものだという、孔子のため息が伝わってくる…。
たいした仕事もしないくせに、大きな態度をとる…だからと、ちょっと注意すればすねる。
私たちの周りにも、そういった人がいます。
言葉から受ける印象で封建的と決めつけるのは速い。
「論語読みの論語知らず」になってしまう。
『子曰く 民は之に由らしむべし 之を知らしむべからず』
意味…先師が言われた「民は徳によって信頼させることはできるが、
すべての民に真実を知らせることは難しい」 (泰白八)
「国民は無知だから、こと細かに真実を知らせる必要はない。国のやることに信頼してついてくればいい」といった、
"非民主主義的"文言に思えるが、間違いです。
安倍内閣が推し進める政策、それをこと細かく国民に分らせるのは難しい。
医者と患者の関係、弁護士と依頼者の関係などを考えれば分かることです。
医者や弁護士を信頼する他なく、言っていることに従う以外、選択はありません。
安倍内閣を信頼するか、野党の言い分を支持するか…国民一人ひとりが、目先の迎合的ムードに支配されることなく、
自らの責任で正しく良し悪しを判断するのは、とても難しいことです。
中径文庫 岡本光生著「論語の知恵でキリッと生きる」より