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2007年06月 アーカイブ

2007年06月01日

加賀百万石参勤交代

■ナスカ文明と地上絵

世界遺産「ナスカ文明と地上絵」の展覧会に出かけた。
ペルーの砂漠地帯800平方キロの広さにわたって描かれた、ナスカの地上絵。
一体誰が、何故、何のために描いてきたのか?
その謎に迫るナスカの文明に肌で触れる機会を得たのです。

会場一杯に展示された彩色土器や装飾品。2500年前のナスカ人の実物ミイラが展示され、最新医療技術を駆使して、 明らかになったミイラの謎を解き明かす。
研究の結果、縄文時代の日本人に大変近い民族であることが判明した。
更に、ナスカ地上絵を、セスナから見下ろして見ているような、バーチャル体験が楽しい。

6月24日まで、石川県立美術館で開催中。
ペルーの博物館でしか見られなかった「ナスカの文明」の出土品に、肌で触れることが出来る又とない機会です。

長さ90メートルのハチドリ
ナスカの織物



【吉村外喜雄のなんだかんだ - 176】
~歴史から学ぶ~
「加賀百万石参勤交代」

百万石行列入城

今日と明日の二日間は「百万石まつり」です。
今年も「下に~下に」の声とともに、奴さんが槍を宙に踊らせ、見事なパフォーマンスで百万石行列、参勤交代が金沢市の繁華街を練り歩く。
香林坊に生まれ育った私は、入り江の現在の場所に引っ越してくるまで、毎年、自宅の2階から行列を眺めていた。

実際の歴史を振り返ると、参勤交代の行列で「下に~」の掛け声が許されたのは、尾張・紀州・水戸の御三家だけという。
外様の加賀藩は雑然と歩き、きちんと行列を組んだのは、宿場に入る時と、出る時だけ…の見せかけだったのです。

参勤交代の表向きの目的は、江戸の防衛だが、本当の目的は、大名を肥やさないことにある。
大名は石高に応じて、家臣団を連れていかなければならない。
前田藩は加賀百万石。騎馬武者20騎、足軽130人、中間・小者130人と決められていた。それに家臣の従者が加わり、 行列は四千人に膨れ上がった。
この集団が武器を携え、風呂桶から炊事道具まで担ぎ、江戸まで延々120里(480キロ)の道のりを、12~14泊かけて歩く。

当然、想像を超える莫大な出費となる。行列は、金沢-富山-高崎の北国道を通ったが、江戸までに、 橋が架かっていない川が38ヶ所もあって、そのたびに川越人足を雇う。難所は善光寺南の大河犀川で、四千人が馬、駕籠ともに渡河して、 そこだけで60両(一両は3万円、約1800万円)かかったという。

大雨で川止めにでもなれば大変。たちまちスケジュールが狂い、先々予約した旅籠に違約金を払わなければならない。このほか宿泊費、 飲食代、幕府要人への土産、通過する他国領主への贈答品、家来への手当て、人足代など、文化5年(1808年)の参勤交代では、 江戸での滞在費を含め、二千両(約6億円)かかったと記録にある。

殿様は、14人で担ぐ豪華な駕籠に乗るが、乗り心地は最悪。長崎のオランダ商務館にいたシーボルト、江戸まで駕籠の旅をしたとき、 足がしびれ、腰が抜けて、まるで拷問台のようだったという。当然、病人・死人が続出した。
日頃、軟弱な生活を送っている殿様には、参勤交代は極めて過酷な旅といえる。

藩主の妻子は江戸暮らし。江戸藩邸の維持費は、藩政を圧迫する。
お供の武士も、江戸詰めは辛いものだった。花のお江戸の生活は刺激的だが、物価は高いし、交際費もかさむ。いずれの家計も火の車だった… 。

ほうじん「江戸の台所事情」から

権力の頂点に立ち、優雅な暮らしで何でも思うまま、幸せそうに見える大名でも、それは表向きのこと。内情を知れば、 それ相応に苦労が付きまとい、問題や悩みを抱えているのです。

2007年06月05日

少子化時代の子どもたち

■小中学生と両親の「生活意識に関する調査」

今年の3月内閣府は、小中学生と両親を対象にした、「生活意識に関する調査」の
結果を発表した。
 ・進学・友人関係など、何らかの悩みを抱える中学生……全体の7割70.9%
 ・子どもの悩みを「知らない」と回答した保護者……半数の49.3%
 ・平日の子どもとの接触時間が「ほとんどない」と応えた保護者……12.7%
前回2000年の調査より、5.4ポイント増えた。

●携帯電話を所有する小中学生      
  小学4年…10人に1人  小学6年…5人に1人
  中学1年… 3人に1人  中学3年…4人に3人 

●中学生のメールの送受信
  ・一日に10回以上…43.5%
  ・一日に6~9回…18.4%


【心と体の健康情報 - 296】
~子育て心理学~
「少子化時代の子供たち」

福島県の高校3年生が母親を殺害し、切断した頭部を持って警察に出頭するという、子供たちの常軌を逸した凶悪な犯罪が、 ひんぱんに起きるようになった。
この少年は、4月から学校に行っていなかっいたという。家庭の親子関係はどうなっていたのだろうか…?

私たちは、我が子の幸せを願って懸命に働き、ようやくそこそこ豊かで、満ち足りた社会になったと思っていたら、 "命の尊厳"という大切なものを、どこかに置き忘れてしまったようです。

私たちの子供の頃とは、今の子ども達の生活環境は、大きく変わってしまった。
最近の少年事件の多くは、少子化と関わりが深い。親子がふれ合う機会が減少し、人間関係が希薄になり、悩みを解決することができず、 独り悩みを抱え込む。

親も子も、友達だちも、みんな自分のことに忙しく、ゆっくり落ち着いて向き合う時間や機会を無くしてしまっている。
NHK朝のドラマ「どんど晴れ」で、多忙な仕事に追われる母と、 その一人息子の親子関係の希薄さが原因となって起きた、生死に関わる大事件…。
番組を見られた人は、その意味を理解できると思います。

昔の子供は日が暮れるまでみんなよく遊んだ。
私は六人兄弟の真ん中。両親と祖母、合わせて九人家族。家に帰れば家族がいて、みんな揃って食卓を囲み、ご飯を食べた。 今のように子供部屋などなく、兄弟姉妹、川になって寝た。

年長の子供たちに混じって、ペッタ、ピー玉遊び。手作りのパチンコで戦争ごっこ。
毎日かくれんぼをして、路地裏の塀を伝ったりして、暗くなるまで遊んだ。
喧嘩も遊びの一つ。陰湿ないじめは皆無だった。
子供達は遊びからルールを覚え、人との交わりを身に付けていった。

今の子供たち、集団の中でルールを身につける機会がないまま、大人になっていく。
喧嘩の仕方を知らないから、キレると怒りを抑えきれなくなり、暴走してしまう。
どうすればいいか…子ども達を集めて、山でキャンプを張るとか、海でバーベキューをするとか、 年齢の違う子供たちが共同で作業をする機会を作ってやることでしょうか…。

今の子供たちは、親の愛を独り占め。一人っ子であれば、夫の両親に妻の両親、少なくとも6人の親の愛を独り占めにする。 何をしなくても欲しいものが手に入る。いつしか、言われたことしかやらない"指示待ち人間"になっていく。
自分の思うようにならないと、何でも周りのせいにし、我慢という言葉を知らないまま、大人になっていく。

自分で考え、自分で行動することの大切さを、教えなければならない。
人のお役になることの喜びを、体験させなければならない。
人のために何かを懸命にやれば、感謝され喜ばれることを…。
そうした体験の積み重ねが、人との交わりや、コミュニケーションを身に付けていく。

2007年06月08日

六本木の人気スポット

■魅力的スポットが次々誕生する東京

東京駅の真ん前に新観光スポットが4月27日に誕生した。新丸の内ビルディングである。
地上38階建てで、地下1階~地上7階は商業ゾーン。商店、飲食店など153店が入る。
東京駅前の新観光スポットとして、人気を集めている。

東京は今再開発ラッシュ。丸の内、銀座、六本木、新宿、青山…。
東京が、国際都市としての地位が低下していくことへの危機感からか、再開発計画が目白押し。

国際会議の開催件数は、1998年は東京が70件で、ソウル48件、北京37件を上回っていた。
ところが2005年には、東京56件、ソウル103件、北京82件と、逆転されている。
政府は01年、都市再生本部を設け、人が集まる魅力的都市作りに乗り出した。
急成長する上海など、国際都市との競争に勝ち抜くため、どうやって人やモノを呼び込むか。
上海などの大規模な都市再開発に対抗して、何を目指し、街並みをどう変えていくのか…。

5/28 読売新聞「街を創る」より

【吉村外喜雄のなんだかんだ - 177】
「六本木の人気スポット」

連休明け、研修で東京へ出張した。
その折り、東京ミッドタウンを見学した。六本木ヒルズ、国立新美術館に続き、この春完成した東京ミッドタウンは、 六本木三番目の人気スポット。

防衛庁跡地にそびえるミッドタウンは、広大な緑地公園と6つのビルからなり、ショップやオフイス、ホテル、美術館、 高級賃貸住宅など、複合施設が各階を埋める。
総事業費は3700億円。開発の中心となったのは三井不動産。「都市再生の象徴として、東京が輝きを取り戻す起爆剤になれば…」と、 世界のVIP(最重要人物)に選ばれるような街づくりをキャッチフレーズに、建てられた。 

施設内の診療所「東京ミッドタウン・メディカルセンター」は、全米医療機関ランキングで、16年連続1位の「ジョンズ・ホプキン」 との提携で生まれた。
米国の本部が年4回医療アドバイス。高度な治療は本部の医師が相談に乗るという。
ミッドタウンに誕生した高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン東京」は、TVで紹介され、マスコミで話題になったので、 ご存知のことと思います。
1泊210万円の最高級スイート(約90坪)は、5月は満室、6月も3分の2が予約済みという。

5/28 読売新聞

1泊210万円…私には気の遠くなる金額だ。
今回出張の研修会場で、宿泊も兼ねたホテルオークラ。別館スイートルームは1泊13万円する。どんなに豪華なお部屋でも、 眠ってしまえば皆同じ…もったいない。

ミッドタウンを訪れる人の最大の関心は、レストラン。
おにぎり専門店から、イタリア料理、韓国料理、ベトナム料理、高級ステーキレストランなどの他、24時間営業のスーパーマーケット、 カフェやデリ、フードコートなど、世界の食文化が楽しめる。
2~3階は、個性的デザインのインテリアショップや、ライフスタイルショップが並び、美術館にいるよう…。
店頭は非日常的商品が多く、人通りは多いのに紙袋を下げている人は皆無。
世界のファッションブランドが軒を連ねるお台場とは、まったく違った雰囲気。
気に入った品があったので手に取り、値札を見たら「ウッ!高い」。

ダイナミックなガラス天井のある「プラザ」。カフェやパティスリーなどが並ぶメインストリートです
憩いの空間、ミッドタウンガーデン


六本木にはもう一つ、お勧めのスポットがある。
はとバスのコースにもなったニューハーフのお店で、夜の六本木を楽しむ。
どの店もそれぞれ趣向を凝らして楽しい。
中でも、交差点近くの坂を下った「金魚」がお勧め。

食事をしながら1時間半のショータイム…理屈ぬきに楽しい。
舞台近くの良い席を求めるなら、予約を忘れないこと…。ダンサーの中に女の子も数人混じっているので、男か女か? 当てっこしながら見るのも、また楽しい…。

2007年06月12日

少子化時代の子供たち(2)

■中日新聞「つれあいにモノ申す」より

◎「病院とあの世以外なら…」
  結婚53年、旅行や外食に二人で行ったことは一度もない夫。
  友達とは、旅行も飲み会も喜んで行く。
  私を連れて行くのは、体調が悪く病院に行くときだけ。
  私が悪いときは一緒に行ってくれるものの、待っているのは車の中。
  先生に「1人ですか」と問われ、「ハイ」と答える。
  先にあの世に行っても、私は付いて行きませんので、どうぞお先に…。

◎「きついひと言」
  妻「ああ~いやだ、朝が終わったらすぐお昼。
    片付けが済んだと思ったらもう夕食の支度よ」
    と、よく愚痴をこぼす。
  夫「だって仕方ないだろう、生きるために食べなければ」 
  妻、返す言葉で「あなたは、食べるために生きているんでしょ」
  夫「……」


【心と体の健康情報 - 297】
~子育て心理学~
「少子化時代の子供たち(2)」

少子高齢化の波が、私たちが想像もしなかった社会現象をもたらしている。
東京都心の小学3年生20人に「逆上がり」をさせたら、出来た生徒はたったの1人。
基礎的な運動能力が1985年頃から低下に転じ、歯止めがかからなくなってきている。
中でも「走る」「跳ぶ」「投げる」といった、「基礎的運動能力」の低下が激しい…。

読売新聞「今どきの子ども」より

東京には、「逆上がり」や「跳び箱」の出来ない子供たちのための塾があるという。
その他「マット運動」など、学校の授業に応じたコースを取り揃えているという。
週1回1時間で、月5~6千円かかる。こんな塾が保護者に受け入れられ、塾として成り立つとは、一昔前には思いもしなかったことです。

町を歩くとお年寄りばかりで、小さな子供の遊ぶ姿が目に入らない。
鬼ごっこなどで一日外で遊んでいれば、運動能力も付いてくるだろうが、近所で一緒に遊ぶ子どもがいない。
外で遊ぼうにも、遊び相手がいないのです。

集団で登下校させなければ、子どもの安全が守れないない社会になり、一人家の中で遊ばせるようになる。学校から帰っても、 誰もいない家庭も多い。
子どもは部屋にこもって、スナック菓子を食べながら、テレビゲームに熱中。

運動が不足するようになり、「肥満」や「生活習慣病」の引金になる。
高血圧や糖尿病で苦しむ小学生が増えてきていると聞き、「ああ~ここまできたか」と、嘆かざるを得ない。体力の低下は、 子供たちの活力を低下させる。
日本の将来が心配だ。

銀行、商店、映画館に囲まれた、繁華街に生まれた私。
小学生の頃、町内の同級生は女の子が一人いただけ。一緒に遊ぶこともなく、一人家で遊んでいた。
中一の時、町内に三年生の札付きの不良が二人いた。二人の後にくっついて歓楽街をふらつき、ろくな遊びを覚えなかった。

下町では、子どもたちが大勢遊んでいた。私はよそ者、仲間には入れてもらえなかった。運動音痴になり、 運動会のかけっこが大嫌いになった。
野球やソフトボールで遊んだ経験がない。今もバットが振れず、ボールを投げられない。集団でプレーするスポーツは苦手だ。そんな姿が、 今の子ども達なのでしょうか…。

少子化の影響で、中学の野球部員が集まらず、思うようにチーム作りが出来ないと聞く。遊び半分の部員がいても、 辞めてもらっては困ると、先生は叱らない。
道具の後片づけ、清掃、グランドならしなど、生徒が嫌がることは、父兄がやっているという。これでは、強いチームなど望むべくもない。
それよりも、野球部の存続そのものが心配なのです…。

少子高齢化は、全国の夏祭りを危なくしているという。
祭りの中心になる青年が不足し、みこしの担ぎ手、山車の引き手がいない。
伝統の踊り、笛や太鼓などの伝統芸を引き継ぐ者も、いなくなりつつある。

2007年06月15日

落語・饅頭こわい

■ことば遊び 「お釈迦になった」の由来

パソコンで時間をかけて作った文章、ちょっとした操作ミスですべて消滅…。
こんな経験を何度かしている。
そのとき、あァ~「お釈迦になった」と悔やむ。
何で、こんな言いかたをするのか?不思議です。そこで、この言葉の由来を調べてみた。
細工職人が火を強くしすぎて溶接に失敗し、「火が強かった…」と、思わず発した言葉
から来ているという。
下町では「ヒ」を「シ」と発音したので、「シガツヨウカッダ…4月8日だ」と聞こえる。
4月8日はお釈迦様の誕生日。
そこから「お釈迦になった」と言うようになった。
何となく落語の落ちに似ていて、「クスッ」と笑いを誘う。

422号で題材にした 「猫も杓子も」もそう…。「女子も若子も」が語源です。
「女も子供も…めこもじゃくしも」と呼ぶ。
江戸っ子のだじゃれ・遊び心から、「猫も杓子も」と言うようになった。

【吉村外喜雄のなんだかんだ - 178】
~ことば遊び~ 「落語・饅頭こわい」

落語には、町内の若い衆が集まってよからぬ相談をしたり、皆で遊びに行って失敗すると
いった、下町情緒に溢れた噺がたくさんある。

今日は、ご存知「饅頭こわい」から、そのさわりを一席…

♪江戸時代の職人は朝が早かったが、仕事さえちゃんとすれば、働く時間は短かった。
仕事が終わり、湯に入ってさっぱりすると、仲間の家や髪結床、湯屋の二階などに集まり、
銭があれば酒を飲むが、無ければ、無駄話で時間をつぶした。
「そろったかい? 留のやろうが来ない?
しょうがねぇなあ、いつだってぐずなんだから」
『ああ、驚いた。うしろから追っかけてきやしないか…』
留が大声を上げながら駆け込んできた。
来る途中で青大将ににらまれたと、震えている。
これがきっかけで、みんなで怖いものを言い合うことになった。
長いものはウナギ、みみず、どじょうから、ソバやうどんも駄目で、だから褌も締めない、
というやつから、なめくじ、蛙、蜘蛛、おけら、蟻、馬と…いくらでも出てくる。

順々に自分の怖いものをあげる中、離れたところで白けている男が1人。
お前の怖いものは…と尋ねられると、
『なに言ってやんでぇ。黙って聞いてりゃいい若えもんが、あれが怖ぇのこれが怖ぇの…
人間は万物の霊長と言ってな、人間ほど強ぇものはねえんだ』と、強気に突っぱねる。

「そうは言っても、お前にだって何かはあるだろう」と、しつこく追求され、ついに男は口を割った。
『せっかく俺が思い出すまいと思っている時に…。
恥を忍んで正直に言うと…』弱々しい声になって、『饅頭…』

今までの威勢とは打って変わって、みるみる顔は青ざめてゆく。
しまいには、『気分が悪くなってきた。ちょいと隣の部屋で休ませてくれ』と言うので、
しばらく寝かすことに…。

本人がいなくなると、皆、この時とばかりに陰口を叩き始める。
「あの野郎ほど、普段からしゃくにさわるやつはねえ。
1人で強がりやがって、兄貴風を吹かせて…」
こうなったら饅頭を山ほど枕元に並べて、懲らしめてやろう…てんで、皆は饅頭を買いに
駆け出して行った。

やがて銘々が饅頭を手に戻ってくると、早速それを枕元に並べ、障子の向こうに隠れた。
いざ作戦決行! 
寝ている男に向かって、「おい、起きてこっち見ろや!」
ざわつく様子に目を覚ました男。
『なんだい、気分が悪いんだから静かに!』と言いかけ、枕元にある饅頭の山に目をとめ…絶句。
が、次の瞬間『あ~っ、饅頭怖い』と、顔をしかめながらも、旨そうにパクつき始めた。
『いいアンコだねぇ。栗まんじゅうも怖い。ソバ饅頭も怖い。おお~怖い怖い』

冗談じゃない、なにが饅頭怖いだ。
一杯食わされ…いや、食われた。
悔しくて仕方ない若い衆、「てめえが本当に怖いのは一体何なんだい!」
『ここいらで、渋いお茶が一杯怖い…』

2007年06月19日

悪いことをしてはいけない

~日本一美味しいラーメン屋さん~ (株)力の源カンパニー

■河原成美社長 "講演会" ご案内

河原成美社長

一度食べたら又行きたくなる…
大変美味しいラーメン屋さんが片町にある。
屋号は「一風堂」、いつもお客様でいっぱい。

TVチャンピオンのラーメン選手権大会で3度日本一に…。
九州から北海道、全国36店舗と2工場、
すべて直営。本場上海にも進出。

社長の河原さんとは、論語を学ぶ京都で2年間机を並べ…素晴らしい人柄にほれ…
是非、金沢で講演を!とお願いし、実現した。
講演では、「人生いかに生きるべきか」「成功を手にするための基本・心構え」
「人生とは感動…」などがテーマ。
高校や大学在学中のご家族、奥様、若い社員さんなどを伴って是非…。
これからの人生を、生き方を見つめる、大変良い機会になります。

 

 日  時 ■ 6月29日 18:30~21:00
 会  場 ■ 野々市文化会館 フォルテ   2,000円
 お問合せ ■ 0761-24-5485 (有)ジャスト 若本大一郎

 


【心と体の健康情報 - 298】
~子育て心理学~
「悪いことをしてはいけない…」

小中学校で「道徳」の授業が始まったのは、昭和33年から…私が高校入学の年である。
昭和10年から16年の間に生まれた世代…戦中・戦後の混乱期に少年期を過ごし、学校で「道徳・躾け」などの教育を受けなかった、 空白の世代である。

今、その世代が日本の中核を担い、日本をしょって立っている。
毎月のように世の中を騒がす役人・政治家・企業の不祥事。
経済人は、自らの欲望を充たそうとして、世の中に害を撒き散らし、政治家・役人は、性懲りもなく私欲を肥やし、贈収賄を繰り返す。
社会が不道徳に汚れきっているように見える。

この空白世代の道徳・倫理観の欠如が、その原因のように思えてならない。
事件が発覚するたびに、一列に並んで深々と頭を下げる指導者たち。
そのたびに、やりきれない思いになる。
そんな世相に生きる子ども達に、倫理や道徳を説いても、素直に受け入れるだろうか?
以下、6/10読売新聞 宗教教育の重要性を説く、大学教授 菅原伸郎「叱るだけよりも、人の弱さを認めて」からの抜粋です。

子ども達にとって道徳とは、「校則を守れ、盗むな、交通規則を守れ」といった、大人にとって都合のいい、 社会秩序を保つための手段にしか見えないだろう。
それはそれなりに大切な指導だが、それで人間が形成されるわけではない。

道徳は「悪いことをしてはいけない」と教える。しかし大切なのは、「悪いことをしてしまったら、 それから先をどう生きるか」ということだろう。

万引きをした子どもは、こっそり盗んだのだから、悪いこととは知っているはず。たまたま見つかってしまった。 見つからなかったら、こんなことにはならなかった…。「二度とやってはいけない」と叱っても、心に響かない。
その時、教える側がどんな姿勢をとるべきかが、大切なのです。

一風堂の河原社長。高校の時悪友とつるんで、面白半分に窃盗事件を起こし、警察に捕まった。父親は、我が子の教育も出来ない者が、 人の子を教えられないと、教職を辞し、代わりに罪をあがなった。
この事件の後目覚め、「良い人間になりたい」と人生の再出発をした。
                                       ~一風堂五輪書より~

「感性論哲学」の創始者で哲学者の芳村思風先生
「人間は間違いを犯す動物である。
人間は長所半分、短所半分でバランスを取って生きている。
短所があることが、人間であることの証明。
ゆえに、完全を求めてはならない…」と、私たちに生き方を説く。

一度の間違いもなく人生を歩めたら幸せだろう。
多くの人は、過去に道を踏み外しそうになった苦い経験がある。
その古傷を心にしまい込んで生きている。
たった一度の間違いで、取り返しのつかないことになり、仕事や家庭、友人すべてを失い、 立ち直れずに十字架を背負って生きている人もいる。

2007年06月22日

環境汚染

■誤報

昨年、「アガリクスから癌発症物質発見」と厚生省が発表。
それまで築いてきたお客様との信頼関係が、失われそうになった。
その後、中国から輸入したアガリクスに付着していた農薬が原因であることが判明。
たった一社の不始末が、アガリクス業界全体の信用を失墜させた。
アガリクスが原因と早とちりした厚生省、間違いを謝罪したかどうかは定かではない…叩かれ損である

・問題の商品を販売した、大手ビールメーカーの子会社は…輸入した乾燥アガリクスを、そのまま粉末処理・袋詰めして販売していた。

・当社が扱うアガリクスのメーカーは…
(1)台湾の自社農園で露地栽培され、品質管理されたものを使用
(2)ビタミン剤のように、有効成分のみを抽出・濃縮し、顆粒にして販売
(3)アガリクスの研究開発では日本一。国際学会での評価も高い

わが家の愛犬ヘブン。今年1月すい臓ガンで、医者から余命数週間と言われた。
あれから半年、ガンを抱えながら今も元気なヘブン。
医者が驚き、「何かしているの?」と尋ねた。
「毎日、餌にアガリクスを混ぜて飲ませています」

【吉村外喜雄のなんだかんだ - 479】
「環境汚染」

5月26~27日にかけて、金沢に黄砂が降った。街並みは霞がかかったよう。
視程は4キロと、快晴時の5分の1ほどに落ち込んだ。
五箇山では、黄砂で雪が赤褐色に染まることを「赤雪」と呼ぶ。飛騨や信州でも同じように言う。
偏西風に乗り、中国から飛来する黄砂は、3~4月が一番多い。
黄砂が降ると、自家用車が薄汚く汚れるので、すぐにわかる。

十年ほど前から黄砂が目立つようになった。問題は、黄砂とともに飛来する汚染物質。
中国の急速な経済発展で飛来する窒素酸化物が、日本各地に光化学スモックを発生させ、酸性雨を降らせる。そして、日本の山が枯れていく。
林野庁の調査では、北アルプスの日本海側斜面の樹木の立ち枯れ面積が、ここにきて急速に増えてきているという。

今年2月、5年ぶりに上海を観光した。
上海市街を遠望しようと、外灘・浦東のシンボル、高さ468メートルのテレビ塔「東方明珠塔」に昇った。
ところが光化学スモックで視界がかすみ、市街を見渡すことができなかった。
5年前には、10キロくらい先まで遠望できたのに…。

この5年の間に、上海は大きく変貌した。
自家用車が市民の足となって街に氾濫する。セダンあり、ワンボックスカーあり。
開発途上国ではごく普通に見られるポンコツ車がいない。
高速道路は片側三車線、ホノルル郊外を走っているような錯覚に陥る。

5年前は、旧型アウディーのポンコツタクシーが街を走る以外、トラックや乗用車がまれに走り過ぎる程度だった上海。
朝、出勤時には、ものすごい自転車の列が道路を埋めつくす…そんな光景を思いだす。
今回、イナゴ大群を思わせるような、自転車の大群は見られなかった。

世界の工場を自負する中国。庶民の生活水準が高まり、自家用車が急速に普及し始めた。
それに伴い、日本に運ばれてくる酸性雨の濃度が、心配になる。

それを示唆するのが、石川県の海岸に打ち上げられるゴミ。
ハングル語で書かれたプラスチックの容器やポリ。
中国・韓国などから流れ着いた不燃ゴミが浜辺を埋め尽くす。
海水浴シーズンを前に、砂浜に隣接する市町は、ゴミ清掃に頭を悩ませる。
環境汚染は、日本一国だけでは解決できなくなってきた…。

2007年06月26日

孔子の教え(7) 「何事も自分の責任」

■「理不尽な親 学校苦慮」

表題は、18日の読売新聞一面の大見出しです。
理不尽な要求や抗議を学校に行う親に、全国の小中学校が苦慮している実態が、
読売新聞の調査で明らかになった。

・うちの子、自宅では掃除をさせていない…学校でもさせないでほしい
・大学進学に必要のない科目…受けなくて済むようにしてほしい
・子供同士のささいなトラブルに…「相手の子供を転校させてほしい」
・学力不足の中学生に小学生の問題を解かせた…子供のプライドが傷ついた
・ピアノの技能はうちの子が一番…なのに、別の子が選ばれたのはおかしい
・子供がお年寄りに接触事故…学校の自転車指導に問題がある…
・教師を中傷する電子メールを…学校関係者に送りつける      etc

いずれもしつこく繰り返し抗議してくることが多く、学校の教育活動に支障を来たしているという。
東京都港区では6月から、クレームに対応して相談できる、顧問弁護士制度をスタートさせた。それに対する世論は…賛否両論。
何かあれば「訴えてやる!」のご時世…自己中心的で、人間関係が希薄な今の世相が浮かび上がってくる。


【心と体の健康情報 - 299】
~古典から学ぶ~
「孔子の教え(7) 何事もすべて自分の責任」

人は何か不都合なことがあると、その問題が自分にあることを忘れて、反省することもなく、却って他人を責めたり、 世を怨んだりしがちです。

『子曰く 君子はこれを己に求む 小人はこれを人に求む』 (衛霊公第十五)

"孔子が言われました。君子は、何事もすべて自分の責任として、わが身を反省するが、小人は責任を人に転嫁し、 人を責めるものだ"

日曜夜の民放人気番組「行列のできる法律相談所」を時折見ているが、近ごろの世相は、 自分に対する不利益はすべて周りの責任であるがごとく言い、争い事が絶えない。
ごくささいなことでも、訴訟ざたに及ぶ世の中になってきた…。

そうすることが、あたかも正義であるがごとき風潮…。
誰もが、自らの責任を放棄し、「自己主張」と「他への責任追及」を繰り返すなら、世の中は争いの場となり、 回りまわって自分も不幸になるだろう…。

県内にその名が知られる、某中小企業の社長さん。技術開発力に長け、会社は急成長。
ところが社長さん、私腹を肥やすことに熱心で、社員への待遇が不十分だったようです。
業を煮やした専務が、数名の社員を伴って独立。よく似た商品を製造・販売して、お得意様を増やしていった。

強力なライバルの出現に怒った某社長さん。特許侵害と裁判に訴えて勝訴した。そして、約1千万円の損害賠償金を勝ち取った。
ところが世間は、負けた方の会社に同情。知る人は、正義をつらぬいたはずの某社長を良く言わず、人望を失った。


■逸話 「街路の石」

昔、ドイツのある王様が、領民の公徳心を試そうと、夜間人知れず、人通りの多い街路の真ん中に一個の石を置いて、 翌朝早くから家来に監視させた。

まだ暗いうちに通りかかったのは、田舎から荷車を引いてきた一人の百姓。
危うく石につまづきかかって、口をとがらし「こんな石を道の真ん中に置いておくとは、誰のいたずらか?悪いやつがいるものだ」 とは言ったが、そのまま石を避けて行ってしまった。

次に、乗馬の紳士がやってきました。
馬がつまずきかけ、驚いて跳ね上がったので、「こんな石が街路に転がっているとは、ドイツの恥である。近頃の道路役人は怠慢である」 とののしりながら、馬を飛ばして行ってしまいました。

次に来たのは一人の軍人。
急いでいたためか、石につまずいて倒れてしまった。軍人は真っ赤になって怒り、「こんな石を街路に出しておくとは何事だ。 近頃のドイツ人は、公徳心がなくなった」と憤慨したが、その石を除けることはせず、服の汚れを払って行き過ぎてしまった。

ところが次に通りかかったのは二人の子供です。
子どもたちは石を見ると直ぐに、「これは大変だ。人がつまずいて怪我をする。さあ向こうの方に持っていこう」。 二人は石を抱えようとしたが、無理だったので、危なくないところまでゴロゴロ転がしていった。
「これでみんな安心して通れる…」「今朝は良いことをした。気持ちがいい…」と、二人の子供は笑顔で立ち去っていった。

監視をしていた家来は、急いで帰ると、ありのままを王様に報告した。
王様は始め、苦い顔をして聞いていたが、子供が石を転がす段になると、「そうか、そうか、この後二十年もすると、 ドイツも公徳心のある良い国になるだろう…」と、大変喜ばれました。

人は何か問題があれば、周りのせいにして、改善を求めようとします。
相手が特定できない時は、「政府が悪い」「社会が悪い」「学校の指導が悪い」「私たちの生活と権利をどうしてくれる」と、 非難の声を上げる。
こんな人に限って、自分がなすべき事を率先してやろうとはせず、他人に責任を擦り付けて、嘆いているのです。

2007年06月29日

危険食品・偽物がまん延する中国

■「最高に幸福を感じる時は?」

「アメリカで給料を貰い、イギリスの住宅に住み、中国人のコックを雇い、
日本人の女性を妻にすることさ…」
では、最低の生活とは?
「中国で給料を貰い、日本の住宅に住み、イギリス人のコックを雇い、
アメリカ人を妻にすることさ!」

・イタリア人の幸福とは、愛人とパスタを食べながら、サッカーを見ている時。
・イギリス人の幸福とは、うまいブラックジョークが決まった時。
・ドイツ人の幸福とは、計画通りに物事が運べた時。
・スペイン人の幸福とは、美味い物を食べて、のんびり昼寝をしている時。
・日本人の幸福とは、食事もそこそこに、再び仕事に熱中している時。
・ロシア人の幸福とは、踏み込んできたKGBが、人違いに気づいて帰っていった時。

【吉村外喜雄のなんだかんだ - 180】
「危険食品・偽物がまん延する中国」

中国の二輪社メーカーが、"日本ヤマハ"という商号を、我が故郷石川県で登記し、
ヤマハにそっくりのスクーターを、中国で製造して販売していた。
中国の最高裁は、そのメーカーに1億3千万円の損害賠償を命じた。
また、つい最近開催された、中国国際自動車ショーに、マツダ車に瓜二つのデザインの
中国車が展示され、物議をかもした。

中国では商標権にとどまらず、日用品から電化製品、車に至るまで、無数の模造品が
大手を振って出回る。
また、コンピューターソフト、映画、音楽、日本のキャラクターなど、海賊版が氾濫する
「偽モノ天国」である。
6/6の読売新聞一面には、「タクシー券中国で偽造、東京都内に7千枚出回る」と、
大きく報じていた。

以下、6/3北国新聞 稲も薬も酒も偽物だった…という、中国の小話です。
「農民が稲を植えたが芽が出ず、服毒自殺をしたが死ねなかった。
助かったことを喜んだ妻と、祝いの酒を酌み交わしたら、二人とも死んだ」

中国製練り歯磨やペットフードから有毒物質が検出され、せき止めで死者が出て、
購入しないようにと、米国政府が警告を発した。
中国は偽物天国。食品や医薬品の事故は、日常茶飯事である。

●この数年、中国で問題になった危険食品

・プラスチックで光沢をつけた「毒米」   ・ブタの糞で調味した「豆腐」
・下水の油で揚げた「パン」   ・でんぷんで作った偽「粉ミルク」
・髪の毛を混ぜた偽「醤油」   ・古革靴を煮て作った、偽「牛乳」
・ブタの廃棄物で作った「肉まん」   ・でんぷんや樹脂で作った偽「卵」

 

あまりにも不衛生…やることがおぞましい。
中国旅行の折、下町の朝市に出かけ、何度か食事をしたが、もしかしたら「知らぬが仏」
だったかも…。
更に、読売新聞には…
・低品質のナプキンに、回収したゴミを漂白したものを使用し、使用済みの
生理用ナプキンや、病院が廃棄したガーゼが混じっていた。
色つき紙ナプキンは、漂白剤すら使わず、ゴミを着色してごまかしていた。
大腸菌や結核菌、肝炎ウイルスなど、病原菌が多数検出された。

中国の有力紙「南方週末」

・レストランやゴミ捨て場から回収した"つまようじ"を、水に浸けて汚れを落とし、
包装し直して販売。
この種のようじから、大腸菌・結核菌の他、エイズウイルスまで検出された。

広東省の地元紙

十年くらい前、お得意様を招待して、香港旅行をしたことがある。
旅行代理店の割安パックで行ったのが失敗だった。
同行した妻、その後、海外旅行を企画するたびに、「中国には行きたくない」と言うように
なった。
中国の飲食店で出される、プラスチックの箸やスプーン…繰り返し使うのは当たり前。
食器の洗浄が不十分だったのでしょう。べトついた不衛生な食器や箸が出され、
気持ちが悪くて食べられなかったという。
中国で飲食することの、不潔感が残ってしまったのです。

日本では、居酒屋チェーンのワタミが、中国の割り箸輸出規制に対処して、
全国グループ614店全店で、年間約3400万膳消費していた割り箸を、この7月から廃止することにした。
1200回繰り返し使える、プラスチック製の箸に切り替えることにしたのです。

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