■地元の高校が目指すものは…
高校の頃を振り返ると、進路を決めた二年二学期以降は、進学予備校さながら。
みんな大学を目指し、わき目も振らずに勉強した。先生もまた、前年実績を下回るようなことがあってはと頑張る。
受験一色は、生徒や教師の心身を疲弊させる。
「もう一つの甲子園」を目指し、母校の名誉をかけ、北陸地区予選を戦っているようなものです…。
東大合格県内第二位の泉丘も、昨年から東大合格者が際立って増えた。
昨年は金大付属をも上回ってしまった。地元の金沢大学にも、毎年80人前後の合格者を送り込んでいる。
金沢大学を卒業した後、地元に就職する者、親の事業を継承する者など、地域の将来を担う者が多い。
一方、東大や京大など、エリート進学校にこだわると、付いていけない生徒が出て、かえって進学率を低下させることになるだろう。
また、卒業後東京や大阪に人材が吸い上げられ、故郷の将来を担う人材にはならない…。
【心と体の健康情報 - 291】
~子育て心理学~「進学率の高い学校が"いい学校"?」
地元月刊誌「アクタス5月号」の特集に、「東大合格者数、石川が富山を逆転、金大学付属は"意識改革"に成功。 富山県の東大進学御三家は"油断"」とあった。
富山県は、何かにつけて石川県をライバル視する。
根っこに、加賀百万石に対する劣等感が潜むという。
ともあれ、富山県民が子どもに注ぎ込む"教育費"は日本一とか…。
教育熱心な県として知られる。
富山県の東大合格者数は、過去石川県を下回ることはなかった。
それが07年の入試で崩れた。
アクタス5月号「盛り返した金大付属、半減した富山の御三家。両県の明暗を分けたのは何だったのか?」のサブタイトルで、
読者の興味を引く。
‘04 | ‘05 | ‘06 | ‘07 | |
金大付属 | 17 | 8 | 11 | 19 |
泉 が 丘 | 2 | 6 | 20 | 14 |
そ の 他 | 4 | 5 | 3 | 5 |
石 川 計 | 23 | 19 | 34 | 38 |
‘04 | ‘05 | ‘06 | ‘07 | |
富山中部 | 20 | 13 | 27 | 14 |
高 岡 | 19 | 15 | 21 | 8 |
富 山 | 2 | 4 | 7 | 2 |
そ の 他 | 3 | 2 | 6 | 2 |
富 山 計 | 44 | 34 | 61 | 26 |
「全国の県民性」を著した書籍が書店に多数並ぶ。
富山県人が"誇りに思うこと"に、「東大合格数北陸一番」がある。理由は…
(1)東大合格者数は、その県の教育水準のバロメーターを示す
(2)東大合格者を多数出した県は、その後、政治・経済の人脈で優位に立つ
石川県は反論する…
(1)石川県は関西圏に近く、東大より京大を志望する学生が圧倒的に多い。
結果、京大合格者数は富山県よりはるかに多く、一桁違う。
(2)金沢大学は、第四高等学校の歴史を受け継ぐエリート大学。
地方大学では、どこよりもその存在が大きい。
毎年必ず、富山県の高校と対比されてきた石川県の有名校。
最近の「県民性ブーム」と「学校区全県一区」への改革が、ライバル意識に火を付け、東大合格者に執着するようになった。
そしてついに、今年逆転したのです。
以下4月26日、中日新聞「中日春秋」から…
全国の小学校六年生と、中学校三年生を対象に、学力テストが実施された。 その根底にあるのは、「他所より成績のいい学校がいい学校」と決め付ける単一的モノの見方。 ある村の中学校に着任した校長先生。卒業生全員にもれなく優等賞 を渡した。 校長先生は、二晩三晩と考えたそうです。 校長先生は、様々な違った物差しを用意して、生徒が持つ良いところを評価し励ました。教育をする上で、
忘れてはならないことでしょう。 |