■金沢の「小路」
「路地」のことを金沢では、小路(こうじ)という。私が生まれ育った、武家屋敷のある長町の小路。その小路に沿って、
古都金沢の趣きただよう用水が流れる。
ひがしや、にしの茶屋街、東山や寺町を一歩入ると、どの小路も曲がりくねって、自動車がやっと通れるくらいの細い道が続く。
百万石城下町は、狭い小路や袋小路が到るところ迷路のよう…。加賀藩が戦略目的で造ったという。
戦いになれば、敵兵を"袋小路"へ誘い込もうというのです。
時折、百間堀や白鳥路、出羽町、本多町かいわいを、愛犬ヘブンと散歩する。
しっとりたたずむ城下町の、日頃気づかないない情緒に触れることができる…。
某新聞社が、「日本の美しい街並み」をアンケートで尋ねたところ、当然「京都」が一番。以下、「倉敷」「奈良」「金沢」「高山」の順で続く…。
【心と体の健康情報 - 271】
~子育て心理学~
「福祉が充実すると、社会が乱れる?」
米国で2005年に生まれた子どもの36.8%がシングルマザーの出産と、米国疾病対策センターが11/24公にした。 (11/ 25 読売新聞より)
米国在住25年、松尾 和先生の講演から。
松尾先生は米国在住25年のピアニスト。日本でも演奏活動を行っている。
十六・七年前から、アメリカの後追いをしている日本の教育の現状を憂え、全国各地の保育所を廻り、園児のお父さんやお母さんに、
21世紀の子育てのあり方について講演、啓蒙活動を行っている。
米国の男性の三人に一人は、子供が生まれても何もしません。 家庭を持ち、子供を育て、暖かい家庭を築いていくことが幸せにつながる。そんな空気が無くなったのです。 人類が命をつないできたのは、「幸せは夫婦を中心とした家庭にある」と信じ、 事実そのようにして幸せを手にしてきたから、人間社会が存続しえたのです。 それが先進国と言われる国で、ド~ッと崩れ始めたのです。福祉国家と言われるスウエーデンでは、50%
が未婚の母。英国、フランス、オーストラリア、いずれも三人に一人が未婚の母です。 ここで、問題に気づかなければならない。福祉が充実するのと比例して、未婚の母や幼児虐待が増えるということを… 。安心して子供が生める環境を整備することが、真の幸せ社会になると信じて疑わない人たちがいることに、 問題があるのです。 |
安心して子供が生める環境を整備することは、気楽に子供が生める環境づくり、気楽に離婚ができる環境づくりにつながっていく…。
母子家庭が増えてきたからと、完全保育の施設を充実させるのはいい。
が、一方で、未婚の母親が生活できる生活環境を整えなければならなくなる。
保育所が充実するということは、子育てに困らなくなるということです。益々気楽に子供を生むことができる社会になり、 気楽に子供を産んで、益々福祉の充実が叫ばれるようになるのです。そして、子供を自らの手で育てることをしなくなるのです。 それが福祉先進国、北欧の現状なのです。
同じ現象が、年寄りに対する家族の接し方にも見られる。病院の施設が充実すると、年寄りを病院に預けて、見舞いにも行かない。
体の良い厄介払いである。
本人は、家族と一緒に自宅療養を望んでいるというのに…。
それを見て育った孫たちは、そうするのが当たり前のことのように思ってしまう。
大分前のことだが、市内の老人養護施設へ慰問に訪れたことがある。
寝たきり老人のベッドの周りは、オシッコの臭気が漂い、ベッド下のPタイルがフヤけてまくれ上っている。タイルを取り去って、
ヘラで床の汚れを取り、ノリを付けて新しいPタイルを貼る…。
その作業の間ずっと、聞くに耐えない騒音悪口を、私に投げかけてくる。
頭はもうろくしていても、口だけは衰えを知らないようです…。
オムツを取り替えている看護師に聞くと、体が不自由で、家族にも会えず、ストレスが溜まっているせいだという。
このような風景は日常茶飯事なのです。
今の満ち足りた生活と、その環境を維持したいがために、あるいは、仕事を続けたくて、手のかかる子供や年寄りを、
人まかせにしようとする。
いずれ同じようにして、それを見て育った我が子に、見捨てられてしまうかもしれないのに…。そのことに気づかない。
今、家庭という一つの宇宙が崩壊しつつある。一度崩れてしまうと、元に戻ることがないから始末が悪い。家庭の崩壊は、 地域社会の崩壊につながり、急な坂をころげ落ちるように、どんどん崩れていく。私達は今、そのことに気づかなければならない…。