病院の診療費を払わない人が増え、病院経営に支障が出始めているという。
子どもの給食費を払わない家庭も増えてきている。赤字になって支障をきたし、
困った教師たちが自腹を切って、補っているという。
給食費を払わない家庭の子も、他の子どもと同じように給食を食べている…。
生活が貧しくて、給食費を滞ったのは、50年も前の、私の子どもの頃の話。
今は、払えるのに払わない…。先生が家庭訪問して督促すると、「新車を買った
ばかりだから」「海外旅行に行って、お金がない」など、ちゃんとした理由はある。
石川・富山の両県で、高速道路料金所のETC不正通過が468件も発生。
道路法違反及び、器物損壊罪の対象なのに、摘発はゼロ。(8/6北国新聞)
NHKの受信料未払いも、自分勝手な理屈がまかり通り、払わなくても、払った
人と同じ。罰せられることがない。この奇妙な社会の優しさ…、何なんでしょう?
このような身勝手・甘えを放置したら、モラルの荒廃を助長するだけ…。
「正直者がバカを見る」世の中にはしたくない。石川県は、医療費の支払いに
応じない人に、裁判所の督促を開始した。
【心と体の健康情報 - 257】
~子育て心理学~
「日本の若者の意識」
上場企業の20~30歳代の正社員の75%が、「現在の仕事に無気力である」
と野村総研が発表した。その4割以上が転職を希望しているという。
仕事での成長が感じられず、自分の仕事の社会的意義も感じられない。
自分に合わないからと、容易に転職を考えてしまう。環境に自分を順応させよ
うとする、努力の姿勢が見られない。そんな、今どきの若者の姿が浮き彫りに
なってくる。
家庭も先生も…、モノ心がつかない子どもの頃から、ひたすら良い学校、良い
大学を目指し、一部上場の一流企業に就職することが、人生幸せの道と教え
てきた。念願叶って大企業に就職。人生の幸せを手に入れたはずなのに…。
何で、こうなるの?
以下、川人正臣氏が編集出版した、衆議院議員・小野晋也「日本人の使命」から
の抜粋です。
戦後六十年、焼け跡のどん底から、ひたすら豊かさを求めて頑張ってきた日本
人。お陰で日本は豊かになった。家も手に入れた。お金も生活に困らない程度
に蓄えた。今に満足し、何不自由ない日々の暮し。
それ故「将来どうなりたいのか?」、将来への方向が見い出せないでいる。
「今が楽しければいい」と、将来のことを考えようとしない、そんな若者が多く
なってきている。
以下、2002年に日本・アメリカ・中国の高校生を対象にした、調査結果です。
■日本の高校生が三国の中で最も高かったものは…
[自分にはあまり誇れるものがない]
日本 52.7% アメリカ 23.8% 中国 22.9%
[自分はダメな人間だと思うことがある]
日本 73% アメリカ 48.3% 中国 36.9%
[成功するためには、
努力より運のほうが重要である]
日本 38.9%
中国 27.8% アメリカ 20.8%
■日本の高校生が三国の中で最低になっているものは…
[適正のあるなしに関係なく、
やればできると信じている]
アメリカ 91.2%
中国 81.1% 日本 75%
[計画を立てるときは、
それをやり遂げる自信がある]
アメリカ 86.3%
中国 73.5% 日本 38%
日本の青年は、各国と比較する中で、自分自身の責任で「志」を立て、
生きていこうという気持ちが、非常に弱いことが数字に表れている。
(一) 自信がなく、元気がない。自己否定的傾向が強い。
(二) 現状に甘んじ、今を楽しもうとする傾向が強い。
将来の夢に向かって、積極的にチャレンジしようとする意識が弱い。
(三) 自分で計画を練り、責任を負うという自立的生き方よりも、
運に任せた、依存的生き方を思考する。
(四) 職業の選択は、組織によって守られる他律的・安定志向が強く、
人の上に立って、自らの状況を動かしていこうとする意欲に欠ける。
学校の成績を比べるなら、日本の子供はやはり学業優秀です。なのに、困難な
状態や問題に遭遇すると、直ぐ腰砕けになってしまう。お坊ちゃん、お嬢さんに
育てられて、何不自由なく育った家庭環境。自立心に欠け、志がない。
「人生とは…」とか、「どう生きるか…」といったことを、きちんと教えてこなか
った、私たち親や学校教育に問題があるようです。
将来を見出せないでいる若者たちに、致知出版社から、五木寛之先生と稲盛和
夫先生の共著による、「何のために生きるか」が出版された。大きな反響を呼び、ベストセラーになっている。