今、世界で四千万人の人が武力紛争で家を追われ、難民生活をしている。
医療施設があれば防げる病気で亡くなる五歳以下の子供は一日三万人。年間で一千百万人。
小さな子供が労働に従事している数は、世界各国、合わせて二億五千万人もいる。
学校に行きたくても行けない子供は一億二千万人。世界あちこち、貧困に苦しむ人がいることを忘れてはならない。
ガソリンや灯油の価格が倍近くに高騰している。近い将来、世界規模の食料不足時代がやってくるだろう。それに乗じて、小麦や大豆などの生産国は、政治の道具、戦略手段に利用して、日本を悩ますだろう。
食料の約6割を輸入に依存している日本。この先大丈夫だろうか…?
贅沢をつつしみ、無駄をはぶき、つつましやかな生活を心がけなければならない。
【心と体の健康情報 - 246】
~子育て心理学~
「日本は悪い国?」
24日、「教育基本法」改正案の今国会成立を目指し、国会討論が始まった。
自民党の町村議員の質問に、小泉首相が答弁に立ち、終戦直後、国民のすべてが貧しい暮らしを強いられたことを回顧し、日本を愛する心を忘れてはならないと答弁した。
改正案で野党が猛反対するのが、現行法で規定のない、国民の「愛国心」をめぐる条文の明記。
私は13歳まで芋粥で育った。貧しい暮らしから、豊かな社会に変革していく中を生きてきた。もし今また、貧しい暮らしを余儀なくされたら、それに耐えるだけの自信はある…。
心配なのは子供や孫たち。"貧しさ"がどういうものなのかを知らない。
貧しい暮しに直面したとき、耐えぬくことができるだろうか?
今の日本は豊かだ。この後、10年20年と進む中で、世界一の少子高齢化社会、人口の減少、地球環境の悪化など、厳しく辛い生活を強いられることになるかも…。そうした生活に耐えるだけの心構えを、今のうちから養っておくことだろう。
以下、曽野綾子「日本は悪い国なのか?」から…
世界の多くの国の人々は、お金がなければ、医療行為は受けられない。救急車も、急患の家族がお金を用意できなければ、血を流している怪我人や、痛みにのたうち回っている病人がいても、そこに置き去りにして行ってしまうのが普通だ…。 日本でお金を持たないホームレスが、真冬道に倒れていれば、救急車は必ず収容するだろう。そんな国が世界中にあると思ったら、<大間違いだ!年金が国民の問題になっているが、何とか生活出来るだけの年金が、老後に支給される国が、世界にどれだけあるというのか? ジャワ島で又も地震が起きて、四千数百人が犠牲になった。被災地では、発生後三日経っても、誰も救援に来てくれないと、TVで報道していた。しかし日本では、越後地震や、豪雪の被災者を何日も放置することはない。 税関の役人が、空港を通過する人に、公然と金品をねだる国旅行者に「マネーマネー」と、子どもがまとわり付く国は、世界中至る所にある。 アメリカの警官は、同じ市民の黒人を街中で引っぱたく。 貧困ゆえに、物乞いや、ゴミ場あさりが日課となり、学校へ行けない、そんな子供もいない。そんな豊かな国日本。不満を言う前に、もっと世界の実情を知らなければならない。 そして子ども達に教えなければならない…。「日本人に生まれたことに感謝しよう」「お金を大切にしよう」「贅沢を慎もう」「欲しいものも我慢しよう」。毎日美味しくご飯をいただけることを感謝する国民になろう…。 |
国を愛し、国を大切に思う心は、日本人であることの感謝の心から芽生えてくるものでなければならない。
ある機関の調査で、「他国に攻め込まれ、殺されそうになったらどうする?」と、<高校男子生徒に問いかけたら、何と70%の生徒が「恐いから逃げる…」と答えたという。
君が代のように、国民に愛国心を強制・強要するのもどうかと思うが、世界の国々で、今の日本人のごとく、国を愛する心を忘れてしまった国民など、どこにもいないだろう…。