私の若い頃、悪さをして、喜んでいる人がいたものです…。
金沢では、女性を隠語で「○○○」と言いますが、全国にはいろんな方言・
呼び方があるようで、関西では、この金沢言葉を知る人は少ない。
その昔、会社勤めをしていた頃、慰安旅行で白浜へ行った。
その時、悪さをする社員がいて、
「"さようなら"のことを、金沢では"○○○"と言うがや」と、ガイドさんに教えた
んです。
最後のお別れのとき、ガイドさんが、バスから降りてくるお客様一人ひとりに
手を振りながら、「○○○、○○○」と言って、頭を下げた。
してやったりと、男性社員はクスクス笑い。
ガイドさん気づいて、「何、これ!?」って、慌てて言うのを止めた…。
【吉村外喜雄のなんだかんだ - 116】
~ことば遊び~
「落語・クイ違い」
今日は息抜きに、久方ぶりの落語の下ネタ話。
「酒を飲んで上がるものは血圧。ところで、飲めば下がるものナーニ」と、
なぞなぞ? 飲めば下がるものとは、言わずと知れた酒席の話題。
飲むにつれ、出るとはなしに、アッチの話が飛び出してくる。
このたぐいの下ネタ話を、落語では「艶笑落語」と称している。
寄席では聞けない、おなじみさんだけに語って聞かせる小噺です。
♪えー、落語家の仲間にも、いろいろと、この…、隠語がございます。
女のことを「タレ」と申しますナ。芸者を「シャダレ」なんて言ってみたり、
年増(としま)の女を「マダレ」と言ったりします。
おばアさんを「バーダレ」なんてェのは、ちょっと、申し訳ない言い方ですが…。
反対に、このォ~、男の持っている道具のことを、「ロセン」と申します。
舟を動かすのに、櫓を押す、あの櫓をひっかけてささえるところが、
舟からこう、グッと突き出しております…。
あれを櫓栓、櫓の栓というんだそうで、船頭仲間じゃ、別の名前で「櫓マラ」
なんて、言うそうですナ…。
あたしどもの仲間に、ちょいと小粋な顔だちの男がおりまして…、
若いころから女の子に人気があったんですが、
そいつが仲間と日暮れ方、寄席の裏かなんかで集まっておりましたが…、
男「おう、俺は、ちょいと、今日はこれで帰らしてもらうぜ…」
立ち上がったもんですから、悪いやつらばかりで、さっそくヤイヤイ言い出します。
甲「おうおう、まだ、宵の口だぜ。ええ若いもんが、こんなに早く家へひっこ
もると、ロセンが夜泣きするぜ、エ!」
乙「夜中に、ひとりで淋しく、ロセンをなぜたり、サスったりしてるなァ、
ほんとにヨ、みっともいいもんじゃねえぜ」。
ワァワァ言って送り出したあとで、そばに落語ファンの、いいとこのお嬢さん
がひとり…おりましたんですがな…。
娘「あのォ~、ロセンってなンですか?」
いや、モノがモノだけに、みんなギョッとしたんですが…、
中で気ィきかせたヤツが、
『 あア、あのネ、ロセンてのは、犬のことなんですよ…』
娘「アラ、犬ですか」
『ええ、今、帰ったあいつはね、うちに、犬を一匹かわいがっていましてネ、
だからまァ、あァ言ってからかったんです、ええ…』
ゴマかしちゃったんですが…。
ところが、二、三日して、そのお嬢さんが、喫茶店でデートをしたんですナ。
いろいろと話題がはずんでいるうち…、
「ねえ、あなたのロセン、一度見せてくださらない?」
『えーッ、ぼ、ぼくのロッ、ロセンを??』
「ええ、見たいわァ! きっと、かわいらしいんでしょうねえ、そのロセン…」
『イッ、イヤ、カ、かわいいってもんじゃないんですけども…、
あンた、そんなモノ見たいんですか?』
「ええ、とっても! あたし、ロセン、だァい好き!」
『あ、あ、あ、あの…そ、そんなことを言っていいんですか?』
「どうして? あたし、毎晩、ロセンを抱いて寝るくらいなのヨ!」
『ロ、ロセンを抱いて…? そ、そんなバカな、ま、まさか、そんな…』
「ほんとよ、あなた、知らないの? 私だってロセンを持ってるのよ!」
『ぎやァー…』ってんで、野郎は逃げ出しちゃったてんですが…、
まァ、ひどいことをしたもんでございます。