■「みんな持っている…」
子供がゲーム器など、モノを欲しがるとき、「みんな持っている…」と言う。
親はこの言葉に弱い。一番気をつけなければならない言葉でしょう。
その時、お父さんはどう対応する? 「よそは良くても、うちはダメ!」と
言い切って、子どもを承服させることができるでしょうか?
お母さんは、そう言うお父さんに従って、子どもをなだめ、我慢させることが
できるでしょうか? 家庭内に、それだけの力を持たない父親が多いのです。
日ごろ、両親の"言行"が一致しない家庭の子どもは、いくらお父さんが
「ダメ!」と言っても、おとなしく言うことを聞きません。
子供をしつけるには、親がまず率先垂範、模範を示さなければなりません。
口先だけで道徳を説き、従わせようとしても、躾にはならないのです。
【心と体の健康情報 - 235】
~子育て心理学~
「駄目なものはダメ!」
ライブトアの堀江社長、民主党永田議員のお騒がせ騒動を見ていて、
今の日本人、何か大切なものが欠けているようです…
■会津藩の教え
会津藩には「日新館」という藩校がありました。ここで、あの白虎隊も教えを
受けた。藩校には「什の掟」というのがあり、七つの掟が定められている。
その中の五つです…
一つ. 年長者の言うことに背いてはなりませぬ
二つ. 年長者にお辞儀をしなければなりませぬ
三つ. 虚言を言うことはなりませぬ
四つ. 卑怯な振る舞いをしてはなりませぬ
五つ. 弱いものをいじめてはなりませぬ
この掟の最後には、「ならぬことはならぬものです」と、結ばれている。
いわゆる"問答無用"、「駄目なものはダメ!」、理屈ぬきなのです。
守らなければならない大切なことは、親や先生が幼いうちから、頭ごなしに
押し付けてでも、強制してでも、身に付けさせなければならないのです。
子どもは反発するかもしれません。それはそれでいいのです。初めに何か善
悪の基準を与えないと、子どもの内面から、正しい価値観が育ってこないので
す。
いじめを本当に減らしたいのなら、「大勢で一人をやっつけるのは、理屈ぬき
に卑怯である」ということを、幼いうちに叩き込んでおくことです。人の道の
精神にのっとって、「卑怯な行い」はダメと、教えなければならないのです。
たとえ、いじめている側の子ども達が、清く正しくて、いじめられている側が
性格のひん曲がった、大嘘つきだったとしても…です。
「そんな奴ならみんなで制裁すればいいじゃないか」というのは理屈、卑怯!
理屈抜きで「駄目なものはダメ!」「いじめをするような卑怯者は、人間の屑」
と、叩き込んでおくことです。
例えば「人を殺してはいけない」ということだって、理屈では片付けられない。
日教組の研修会で、傍聴していた高校生が、「先生、なんで人を殺しちゃいけ
ないんですか?」と質問した。そこにいた先生たち、誰一人それを論理的に
説明出来なかったという。
びっくりした文部省。人を殺してはいけない理由をパンフレツトにして、配布
することにしたという。そのようなバンフレット、何の役に立つのでしょう?
人を殺してはいけない理由を理論的に…なんて? 何一つないはず…。
反対に「人を殺しても良い理由」も、探せばいくらでもある…。
「駄目なものはダメ!」、ただそのことに尽きる。
韓国ドラマで、子が親を敬うシーンがある。韓国の若者にとって、子が親を敬
うのは理屈ぬき。当たり前のこと…。良し悪しの理屈などあるはずがない。
ライブドアの堀江社長や、民主党の永田議員。会津藩の「日新館」の教えを
叩き込まれていたら…、世間を騒がせ、迷惑をかけるようなことはなかった
でしょう。